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中間管理職がつまらない理由と、組織の機能不全

前回コンテンツにて中間管理職が居ないことについてお話させていただいたのですのが、Twitterを中心に多くの反響を頂きました。メンバークラスのフリーランスが溢れる世の中にあって、中間管理職不足は企業にとっての終わりの始まりだと考えています。

その中でも「中間管理職はつまらない(ように見える)から嫌だ」という声がいくつか届きました。今回は中間管理職の役割について抽象化しつつ、なぜつまらないように見えるのかをお話します。つまらない要素は年々増えているとも感じています。

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新卒一括採用・終身雇用の組織タスクの消化

企業のタスクと中間管理職

組織として消化すべきタスクを左の三角形とします。時としてトップダウンで上から下に降りてくるものもあれば、企画から要件定義、詳細設計、実装…のように所謂上流と下流のような関係性もあるでしょう。

従来型の新卒一括採用・終身雇用の組織の場合を右に記します。こうした従来型の企業では相互フォローがあったと言われています。社員旅行などを経てお互いの存在を知り、交流し、困っていることなどがあれば手を貸す。互助ですね。その結果、組織のタスクが自然と消化されていったと言えます。ただ互助という+αの業務があることで残業の増加にも繋がったと考えられます。

人が居ないことによる相互フォローの不足と中間管理職による兼務

企業のタスクと中間管理職 (1)

中小IT企業などにおいて、各人の目標設定とその評価が明確化されるようになり、ジョブ型採用も導入されるようになりました。加えて派遣やフリーランスといった契約に基づいて特定のタスクを消化する人たちも増えていきました。各人のジョブディスクリプション(JD)が明確化されていくと、図(B)担当者不在残タスク(左、白部分)が産まれるようになります。

この白い担当者不在残タスクは誰が担当するのでしょうか?従来型の組織であればJDという概念はありませんでしたし、気づいた方が善意で消化して居たでしょう。しかしJDが明確な今では「そのJDに書かれていないタスクを担当することで評価はされるのですか?」「担当するのであればJDに明記の上、賃金を上げてください」となるのは契約上自然な流れです。

この担当者不在残タスクを被りやすいのが中間管理職です。善意だったり、責任感だったり、人が居ない・スキルが足りない・知識共有コストが高いことに起因する割当先が居ないためにやむを得ずというのが背景でしょう。

先のコンテンツで集まった「中間管理職はつまらないから嫌だ」という声についても、この担当者不在残タスクが元凶だと考えています。そして業務の複雑化と人手不足によって、担当者不在残タスクは増えています。

人数が多ければこの担当者不在残タスクをJDに記載しながら埋めていくことも可能ですが、人が少ない中小企業では図(C)のように兼務がやたらと多い状況が発生します。だいたい「圧倒的成長」という言葉とセットで守備範囲を拡げることを奨励する傾向とセットなのですが、この兼務を派手にしている人が抜けるとインパクトが大きいですし、当人が兼務に疑問を感じ始めるとタスク消化のクォリティも危ういです。

外部ソリューションによる解決の難しさ

企業のタスクと中間管理職 (2)

どこまで行ってもヒトが居ないところに出てくるのが外部ソリューションです。鬱屈とした状況をドカンと解決してくれる正義の味方の到来です。

凄そうなソリューションを持ったコンサル、足りないヒトの代替どころか更にヒトを減らしても良さそうに聞こえるAIやRPA、おまかせで自動処理できそうなSaaS。重要ポジションに据える「パラシュート人事」。いずれも期待しているイノベーションの中には「担当者不在の残タスクを吹き飛ばすような圧倒的解決」が左図のように含まれています。

しかし選定を誤ったり、導入したものの使いこなせなかったり、前処理・後処理のようなフォローコストが発生すると右図のような「おや?」という事態になります。

RPAの導入によって勇んでパートさんを解雇したところ、思ったよりタスクが消化されなくて結局もう一度パートさんを募集したというような話も聞きます。多くの場合、期待されるパーツを外部ソリューションでピッタリと解決することは難しいものです。システムの場合は利用者向け研修、人事の場合はオンボーディングなど周囲の人の歩み寄りも含めて軟着陸させないと小さな担当者不在の残タスクが増える可能性があります。

担当者不在の残タスクから朽ちる組織

前回コンテンツを公開後、「中間管理職なんて要らないでしょ」というコメントが流れてきました。素敵なTwitterですね。

学生を集めたハッカソンなどを見ていると、グループで実装をしていて皆が均等に手を動かしているグループというのは極めて少ないです。作りたいものに対するスキルセットの不足などから概ね不均衡が発生します。「あなたは何を担当しましたか?」と問うと「応援してました!」とか返ってくるケースも珍しくはないです。

プレイヤーだけ3人以上集まっても大きな仕事はできません。何かしらのリーダーシップを取る人が必要です。そして組織内にある担当者不在の残タスクの発見・分配・担当を納得を持って実行しなければなりません。

ジョブディスクリプションが明記された正社員・フリーランスが増えるに従い、タスク割当がなされなかった隙間のタスクはどんどん「担当者不在」扱いになっていきます。これまでは中間管理職がフォローしているケースをよく見かけましたが、中間管理職が減少している今、担当者不在の残タスクから瓦解していく組織が増えていくでしょう。

逆に言えば競争相手が多すぎるメンバー層ではなく、自身のリーダー経験などを種に中間管理職を目指すことによってキャリアの生存戦略になりえます。どうやったら中間管理職は増えるのか、各社の中間管理職の声も集めながら次回お話していきます。

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