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自爆型炎上マーケティングと情報商材の拡がり方と、企業が警戒すべき外注開発

これまで本ノートでは未経験層をターゲットにした扇情的なエンジニア転職・フリーランス化について話題にしてきました。

短期で未経験からフリーランスとなり、そのなり方についての方法論をLINEなどで売って月商の足しにするという階層の浅いマルチ商法的情報商材は定着しつつあり、その表層的な手法は日々進化しています。

情報商材のターゲットとなる未経験の方々への注意喚起は勿論なのですが、今回はその手法の一環に「良かれと思っての経験者の指摘」が負の方向に転ぶような傾向がありましたのでそれについてお話しします。また、その先にある契約者としての企業についても触れていきます。

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自爆型炎上投稿とその狙いの推察

伝統的な炎上マーケティングの流れとしては、キワドイ発言や投稿をして耳目を集めるわけですが、話題が自身に及ぶとそっと言及を辞めたり、投稿を消したり、アカウントごと消すというものです。自分自身が燃えることは不本意でないことから、放火型と言えます。そのため、炎上マーケティングでのし上がった人などは異様に強いメンタルを持っているというのが常でした。

しかし2021年12月ごろから見られる炎上狙いの投稿は、最初から自身が炎上することを目的としており、明らかに誤っている内容を投稿するというものが出てきています。放火型に対する自爆型とでも言いましょうか。あるいはツッコミ待ちという側面も感じます。「炎上覚悟ですが」という枕詞を乱用するものの内容は至って普通の登校というものもこの一種でしょう。特に可燃性が高いものについて紹介します。

気になる投稿をしておきながら「答えはプロフへ」などとしてプロフィールや固定ツイートへ誘導する手法はフォロワーが増えやすいらしく、もはや古典手法になりつつあります。

こうした自爆狙いの発言に対して影響力のある人がQT(引用RT)で反論をします。するとそれに賛同する人がRTやいいねで拡散されていきます。従来の放火型であれば発信者の心が折れるのがシナリオでしたし、時としてネットリンチのような体を成すことがあります。

しかし自爆型のアカウントにとっては心が折れるのではなく、狙い通りの条件と捉えているようです。拡散されることは彼らにとってのゴールではあり、広く目にすることによってリーチする数%以下の理解者を発掘することが狙いのようです。

こうしたことへの対応としてすべきことはRTをしない、QTをしないということになるでしょう。

フォロワーを買う

インフルエンサーを用いたマーケティングが一般的になった数年前からフォロワーの売買というものは行われています。2017年にはロケットニュースでフォロワーを買ってみたという記事がありました。

下記は2019年の記事ですが、業者との接触も含めて記事になっています。フォロワーの売買はサービス規約で禁止されていますが、ソフトウェアで作られたフォロワーだったり、SNSログインを流用する形で自動フォローをして回ったりと色々なやり方があります。記事の中でも触れられていますが、フォロワーの属性によって金額が違うようです。

「日本人いいね」、「外国人フォロワー」などのさまざまなメニューの中から最速で付けられるという「1フォロワーあたり0.5円」の外国人フォロワーを注文。

こうしたフォロワーを買うという行為の中で、今現在俄かに盛り上がっているのはkifutownです。Twitterをフォローすることが条件となっているものが散見されます。いくつかピックアップして見ました。


寄付を募っている側のTwitterアカウントを見る限り、1万円の出資で2000-3500人程度のフォロワーが増えるようです。いずれのTwitterアカウントも概ね2000-3000人のフォロワーに至っているようです。先に紹介したようなフォロワー売買とは異なり、今現在は1万円のくじを買うような気持ちで動いている日本人が応募してくることから、フォロワーの質としてはかなり良いことが推測されます。一方、最後の「LINE@を登録すると10万円が追加で当たる」というのはkifutownの枠組みを越えているのではないかと思うのですがどうでしょうか。

寄付という行為が日本で定着しないという話は昔からありますが、実際にそれなりの割合で打算的な寄付者が可視化されている中、kifutownには頑張って頂きたいところです。

賛同者を買う

2021年からある動きとして、クラウドワーキングサイトでリプライやいいねをする人を募るというものがあります。1件1-5円で1000円分とかがなんとなくの相場のようです。条件次第ですが、数件〜十数件の応募があるようです。つまり先にお話ししたような業界の中の人からすると荒唐無稽な投稿をしていたとしても、賛同者は数千円もあれば作れるということです。

上記の話をするとbotを作れば良いのでは?というコメントをいただくのですが、TwitterにBANされるリスクがあるので多少の工夫が必要なのと、必要な経費と言っても数千円なので人に任せた方が早いというのはありそうな話です。何件か実際に応募のあったものを紹介しておきます。

クラウドワーキング系サイトそのものは、まとまった拘束時間無しに隙間時間で一ヶ月に数万円の収入を得ることができるという点では非常に意義深いものだと思います。ただ刃物も使い方を誤れば凶器になるのと同様のことが起きています。

企業にも関係ある動き

ここまではあくまでも個人間のお話です。しかしビジネスに影響するような話も展開されています。

2021年冬から見かけるようになった未経験フリーランス界隈の動きとして「とにかく受注」「やったことのないハードウェア案件でも取り敢えず手を挙げることが大事」という話が出ており、「自分で受けられないものはどんどん外注」というスタンスがあります。

未経験フリーランスを勧誘する論調には「スキルを身につけて仕事をする」「企業体からの独立」といったものに加え、企業や他企業が商流に入ることによる「中抜きの忌避」なのですが、どう見てもこのスタイルは「エンジニアではなく営業」であり再委託に伴う「中抜き」です。

また、「自身のスキルに見合わない案件を受注した結果、納品できずに発注者からは怒られましたが、良い経験になりました」という通常の受託企業であれば口が裂けても言えないようなことを発信したりもしていますが、一定の応援や賛同が見られています。

通常は理解出来ないロジックではありますが、前述したように賛同者と賛同コメントをお金で買っている動きがあることで正当なロジックとして捉えてしまう数%の人が出来上がり、信者として成立してしまっています。

企業として気をつけるべきは再委託に伴う納品リスクでしょう。個人に発注をすると企業では敵わないほどの安価で済むのは事実です。それ故に決裁が通りやすいというのもまた事実です。しかし納品が必ずされるかどうかというと怪しいところもあり、契約不履行による後始末の相談も少なからず相談します。実際に個人に依頼した契約が不履行だった場合、そもそもの予算が個人向けのサイズでしかないので企業に振ることはできず、また別の個人に振ることくらいしかできません。

せめてもの自衛としては、上記のように個人の先に再委託先が別にあったりもするので再委託の条項は必ず確認するようにしましょう。匿名の個人に発注したりすると連絡がつかなくなるケースもあるので注意が必要です。

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