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推し活をして気づいたまだまだエモーショナルなわたし

私は昨年の夏にプロレスというエンターテイメントにハマってから約1年が経とうとしている。プロレスを好きになってから私の人生は好転した。

プロレス好きを公言してから仕事では新規生徒(&プオタ友達)を数人獲得できたり、好きな選手のサイン会や撮影会に行って直接選手に触れ合えたり、SNSで時々選手にいいね、をもらえたり。
ちょっとしたことだが、多幸感に包まれる。確実に私は選手たちから人生に彩りを与えられている。

プロレスという、ある意味クレイジーなエンターテイメントを知ったことで自分の中に眠っていた感情がぐんぐん外に引き出されている。
世間的にアラフォーにもなってくると、だんだん若い頃と違って感情が揺さぶられることも少なくなってきた。

プロレスは単に面白い試合もあれば、スター同士が因縁やベルトを掛けてぶつかり合う名勝負があったりする。特に現地で目の当たりにすると、感動して泣いてしまったり、推しの姿に惚れ惚れしたり、自分の感情に驚くことも多い。特に、試合を見て泣いた時は自分でも何が起きたのかと思った。

3カウントをとられるまで(たとえそれがストーリー上分かり切った試合だとしても)負けずに立ち向かうプロレスラーの姿に、サブカル好きの私がこんなにも心を奪われるとは。人生とは本当にわからないものだ。



あるとき、どこの団体の誰とは言わないが、好きな推しに身内の不幸が訪れた。しかも大事なトーナメント中。
試合中もあまり感情を表にしない人だが、バックステージコメントでは多少演技が交じりつつも珍しく感情を露わにし、明らかに落ち込んでいる様子だった。

推しは外国人なので、多分本来なら国に帰るべきだったと思う。
しかし詳細な理由はわからないが帰らずにスケジュールをこなしていた。
そのとき、自分がコロナ禍のベトナムにいたときに祖母が亡くなり、帰りたくても帰れず、部屋で一人で泣くしかなかった時のことを思い出した。

おこがましいのは承知だが、自分の経験と、同じく外国で身内の死を悲しんでる推しが重なってしまった。
なんかちょっと心配だな・・励ましのメッセージを送りたい・・。
よし、自分なりに英語で書いてみようと思い立った。

日本語にもお悔やみの言葉があるように、英語にも定型文が存在することをあとから知った。しかし英語が堪能ではない私はそんなものはよくわからず、何をどう書いていいかわからなかったが、自分なりに思いの丈を書いたら結構な長文になってしまった。

うわ、なにこれ、私推しのことめっちゃ心配してるやん!
推しに対してめっちゃピュアやん!
アラフォーにもなって恥っず!てか痛い!

今でも読み返すとキモオタだな・・と思うが、キモオタは自分だけじゃない、似たようなことをしてる人はいっぱいいるだろうから..と自分を抑え、ある程度chat gptで整えてから推しのDMに送りつけた。

その後、きれいに要約された英語話者たちのお悔やみメッセージが彼のツイートにたくさん送られているのを覗いてしまった。
その時に駄文混じりの長文を送りつけたことに対してすごく恥ずかしくて、消してしまいたい衝動に駆られたが、これだけの人たちが同時にたくさんメッセージを送っているだろうから、どうせ見られるわけない。
こんな時に返事を期待して書いたわけじゃないし、自己満足だし。
もういいや、と諦めた。

遠い遠い世界の推しに感情が露わになった瞬間であった。
これは恋とかでは流石にないのだが、なんだろう、誰かを心配する気持ち、その人が幸せになってほしいとか、素直に応援したい気持ちがまだ自分に残されてることに驚いた。
推し活ってすごい・・。これは年齢関係ない。




2日後、滅多に光らない私のDMに通知がきていた。
なんと・・・推しから返信がきていたのだ。

"Arigato."

まさかの推しからの返信に短く叫んだ。
キモ文を読まれたことも恥ずかしいと同時に、多忙な本人から返信がくるなんて夢にも思ってなかった。
なんだか心の隅がこそばゆい。

推しはその後ブロック敗退となってしまったものの、大物相手にすごい試合もやってのけた。ありえないところから飛んだり跳ねたりして観客を魅了し、その場で見ていた誰の記憶にも残るくらいの名勝負だった。(推しだから贔屓目だがそれでもすごい試合だった!)

そしてトーナメントは終わり、また休む間もなく、試合のために海外へ旅立っていった。

返信なんてきちゃったらますます好きになっちゃうじゃない。
応援しちゃうじゃない。

推し活は行きすぎるのは体と心に毒だと思うが、確実に私の人生をカラフルにしてくれている。
誰かに対して心を揺さぶられる、エモい体験をさせてくれるのは、この最早性別不明?なアラフォーにとってはありがたいのかもしれない。

明らかに若いファンの子達のような、きゃっきゃした応援の仕方はできないけれど、(それを選手たちが嬉しいのはすごいわかる。)

私は私なりに静かに、でもときどきエモーショナルに、推しを応援したいと思う。









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