S.Murakami

頭の中のことばたち。

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最近の記事

SNS普及による「目的」と「価値」の変化①

SNSが急速に普及し、いまや猫も杓子もSNSといった様相を呈している。 そうした中で、人々の行動の「目的」や「価値」の置きどころへの変化を感じる。 SNS普及前は、 「おいしいものを食べる」、「きれいな景色を見る」、「誰かと遊んだり、飲んだりする」など、何かをする時の「目的」は行動そのものであり、自分が楽しんだり、目の前の人と感情を共有することに「価値」を置いていた。 写真を撮るのは、自身がその経験を忘れないため、家族や友人に共有するためだった。 そもそもスマートフォン普

    • 『わたしを束ねないで』④

      『わたしを束ねないで』①②③ の続き ④束ねることからの解放 さて、私は現在アラフォーと呼ばれる年代で独身なのだが、30代後半になるにつれ、③で語ったような他人からの不躾な言葉の数々を、段々と投げかけられなくなってきた。 ゼロになったかと言われれば、ゼロとまではいかないし、恐らく心のうちで思われているのだろうが、直接言われることがなくなってきた。 「多分、"そういう"人なんだろう」という謎のあきらめにも似た感情を抱かれている空気は感じる。 束ねられる事から解放されたとい

      • 『わたしを束ねないで』③

        『わたしを束ねないで』① ② の続き ③アラサー女の生きづらさ あえて一般表現として「アラサー」としたが、実際自分が体感したのは30を過ぎてからだった。 ①の教科書で初めて読んだ時、束ねられる違和感とそうなってしまう不思議さを思い、 ②では束ねられる事の安心感と束ねられない側の焦燥感、不安感を感じていた。 30歳を過ぎてから、この詩を思いだした私は束ねられる窮屈さを実感していた。その上、周りの環境の違う友人も皆「束ねられている」事に対しての不満があった。 アラサーとい

        • 『わたしを束ねないで』②

          『わたしを束ねないで』① の続き記事 ②大学中退から社会人へ 中学の教科書に載っていた『わたしを束ねないで』の詩が 次に頭によぎったのは、大学を中退する時だ。 最終的に大学の中退を決めたのはもちろん自分だが、単位取得が足りない中、なおもモラトリアムを満喫する甘い考えでいた私に、決断を迫ったものは、実際のところ学部の再編の圧であった。 大学の中退とともに、「大学生」という自分を束ねていた輪から放たれる事になった私は解放感よりも先に恐怖した。 『わたしを束ねないで』の詩を頭

        SNS普及による「目的」と「価値」の変化①

          『わたしを束ねないで』①

          詩人の新川和江さんの『わたしを束ねないで』という詩。 教科書に載っていたその詩の表題でもある「わたしを束ねないで」というフレーズが、私の頭にはずっと残っていた。それを成長とともに反芻するうち、感じることや考える事柄が変わっていったのでそれについてここに書き記したい。 教科書に掲載があるとはいえ、全文を載せるのは抵抗があるので比喩の少ない部分を抜粋する。 ①教科書で読んだ時期(中学3年) 当時の私はこの詩を、カテゴライズされる事を窮屈に感じている詩だ、と解釈した。 カテゴラ

          『わたしを束ねないで』①

          ライブを、音楽を楽しむのに「正解」はない

          GWに開催された音楽フェス『ビバ・ラ・ロック』にて、星野源さんが「あの、(身振りを交えながら)こういうやつ、この時間だけはやめましょう! 好きに踊ってください!」と呼びかけたとの記事を見かけた。 何かを好きな人同士が、そのコミュニティでしか分からないノリで一体感を得るのはとても気持ちがいい。 それ自体に何の文句もない。 アーティスト側から「皆で手をあげてね」「こういうレスポンスをしてね」「振付を真似してね」という指示があれば、なおのことそれをする事に異論を唱える必要はない。

          ライブを、音楽を楽しむのに「正解」はない

          掃除機のコードを収納したのは誰だ

          職場であらたに購入した電化製品の、 ケーブルをまとめているビニールタイ(黒い針金)を、100均で購入したマジックバンドへすべて付け替えた。 やたらとケーブルの多い電化製品とその附属品へバンドの付け替え作業をしながら、 ふと、「そういえば掃除機のコードは物心がついた時から収納されていたけど、誰が考えたんだろう」と思った。 すぐに検索結果として、その謎が解明されるだろうと高を括っていたのだが、その予想は見事に裏切られることとなる。 まずwikipediaを頼った。 すると「

          掃除機のコードを収納したのは誰だ