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掃除機のコードを収納したのは誰だ

職場であらたに購入した電化製品の、
ケーブルをまとめているビニールタイ(黒い針金)を、100均で購入したマジックバンドへすべて付け替えた。

やたらとケーブルの多い電化製品とその附属品へバンドの付け替え作業をしながら、
ふと、「そういえば掃除機のコードは物心がついた時から収納されていたけど、誰が考えたんだろう」と思った。

すぐに検索結果として、その謎が解明されるだろうと高を括っていたのだが、その予想は見事に裏切られることとなる。

まずwikipediaを頼った。
すると「掃除機」の項目はあるのだが、
コードについての言及は電源コードの項目に現在のコードの解説がしてあるのみである。

(ちなみにコードについているシールの色分けについては初めて知った)

そこで「掃除機 歴史」で調べたところ、『一般社団法人 家庭電気文化会』さんの「家電の昭和史 電気掃除機編」へ行き着いた。

"◆昭和35(1960)年 従来は、着脱式アップライト型だったコードをペダルを踏むだけで自動的に本体に巻き込める収納タイプや、本体内のごみ溜まりが示される集塵メーター採用タイプの掃除機が発売されました。"

とあり、ページ下部の「●主な電気掃除機の歴史」においても

"昭和35(1960)年 コード収納タイプ掃除機、集塵メーター採用タイプ掃除機発売"
と記載がある。
だが、該当メーカーや開発についての記載が見当たらない。

J-GLOBALで特許について調べたが、そちらの「電気掃除機」で一番古い出願は1980年03月12日であり、上記に記載の「1960年」には該当しない。
コードリールについても、見つけた最古のものは1991年11月13日であった。

行き詰った私は、いっそのこと科学館に出向いて解決するのなら、そちらの方が確実ではないかと考えた。

関東圏に住む私が行きやすそうな場所の中で、「科学技術館」に目をつけた。
展示の案内には「掃除機」そのものズバリの案内がなく落胆したが、家電については展示があるようなので、念のため問い合わせをしてみた。

正直、何となく気になっただけの掃除機のコードの収納の話がここまでネット上で解決しないとは思いもよらず、藁にも縋るような気持ちであった。

展示があるのかどうか、加えて、もし「ない」のであればありそうな場所に心あたりはないものかという旨を問い合わせた文章に対して、科学技術館のKさんは大変丁寧な返信をくださった。

まず、科学技術館では展示がないこと
ありそうな場所としては
・ パナソニックミュージアム 松下幸之助歴史館(大阪府)
・東芝未来科学館(川崎市)
・国立科学博物館(上野)
・名古屋市科学館(愛知県)
とのことで、また東芝未来科学館には日本初の電気掃除機が展示されていること、名古屋市科学館には掃除機のコーナーがあるらしいことが申し添えられていた。

機械的な返信が来るものと思っていた矢先に届いた、「少しでもお力になれれば幸いでございます。」で締められた誠意のあるそのメールに私は大変感激し、お礼を返信した。

関東で1番可能性がありそうな東芝未来館にお邪魔してみようと思ったものの、少し居住地からは遠いため、その前に図書館も活用してみるつもりだ。

この時代であっても、信用の足るしっかりした情報や知識を得たり、その全貌を把握しようとすると、書籍や展示などが有効なのだなぁと思うとともに、
大昔は情報や知識を得るには、外に出て図書館や博物館などへ向かったり、それを知っている人に教わったりなど、常に「行動」ありきだったのだなぁとも改めて考えさせられた。

「掃除機のコードを収納したのは誰だ」という疑問の答えが今後の人生に何かプラスになるかと言われれば特にならないかもしれないが、
スマホをなぞる指先だけで答えが出なかったことで、きっと私はその答えを忘れないだろうと思う。

科学技術館のKさんのやさしさとともに、「行動」を伴った記憶の濃さについて考えるいい機会になった。

実際の解決については、次回「行動」した時に更新したいと思う。


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