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経営戦略を学ぶ ケース「楽天」「リクルート」「Uber」

セッション2がスタートしました。
今回は加藤和彦先生による「会社の存在意義を考える(経営戦略)」の3日間の記録です。

DAY1国際化と組織戦略「楽天の英語化」

マネジメント従業員のパフォーマンスにどう影響するのか?
何のために社内公用語を英語化したのか?三木谷社長の視座になり真の狙いを考えました。

まずディスカッションを始める前に、ディスカッションしてもケースの答えは講師が話しませんという話から始まりました。

講師が答えを言ってしまうと、生徒はそこから思考停止してしまう。
空所を埋める思考というのが最もリスキーですとのこと。
イノーベーションは常にフレームワークの外から生まれるので、常に考え続ける・悩み続ける姿勢を持ってください。
という話でした。なるほど。

まずは、当時の楽天の経営課題を考察。
顧客・競合・自社・パートナーの切り口で分析します。
個人的には日本企業がグローバル企業になろう(グローバルな顧客のスタンダードなサービスになる)としたときに、
単なるモノ売りから、こと売り(ソリューション提供・ライフスタイル提案)を行う際に文化の理解は必然だと思いました。
このため三木谷社長は全社員に英語を強制し、言語の壁をとっぱらい、ダイレクトに海外事業部と企画を考える、マーケティングを行うなどのサービス企画&運営ができる、と考えたのでは?と考えました。

また人材の引き抜きがしやすいという意見面白かったです。

また、実際に楽天のマネージャーと部下になりきってロールプレイも行いました。

TOEIC目標スコアに達しなかった社員は給料を10%カット(!)という厳しいペナルティが実際にあったようです。
目標スコアに達しない限り毎年給料から10%カットされるとのこと。

この厳しい降格をマネージャーは部下にどう納得してもらうのか?
会社の経営理念をどう現場に落とし込むのか?
経営戦略の実行フェーズの葛藤を模擬的に体験しました。

そして三木谷社長のこの経営判断の真の狙いについて賛成か反対かに分かれてディスカッションを行いました。

環境変化についてこられる会社にしたい変化についてこられる社員が残ってほしい、今後も募集したいという狙いがあったのではないか?という意見があり非常に面白かったです。

DAY2プラットフォーム時代の経営戦略「リクルート」

二日目は課題図書と加藤先生が執筆したブログを読むことを推奨されました。プラットフォーム戦略について学んでからケースを解くとのこと。

↑概念をかなり分かりやすく書いてあります。

日本を代表するプラットフォーム企業リクルートの強みを分析し、今後のビジネス展開での課題と戦略を学ぶというもの。

リクルートのこれまでの成功要因、GAFAの脅威、それに対する対抗策は?他の企業に応用できることは何か?を考えます。

正直、ケースを読むまで知らなかったんですが、リクルートってデータアナリティクスにかなりの投資をしているんですね…。シリコンバレーにAI研究所を設立しトップに有名な研究者を就任させるほどの力の入れよう。

確かに提供しているサービスを考えると納得なんですが、ここまで本格的にデータアナリストを募集しているとは思いませんでした。世の中知らないことたくさん。

まずはリクルートの特徴から事業戦略を読み解きます。
やはりリクルートのサービスが「とりあえず、いつのまにか…」の存在になっていること、サービスの経路が結果を決めていることプラットフォーム戦略の大きなポイントのようです。

GAFAの脅威に対し、リクルートの優位性はどこか?
プラットフォーマーの脅威とは何か?
を議論しました。

特に製造業は下請けになる、という話がメーカーでエンジニアとして働く身としては危機感を覚えました。インテリジェンスの部分はGAFAが担い、モノづくりだけを製造業がやる。少なくとも自分が働く企業はこの線路の上を走っているという実感しかありません。

そのうえでリクルートの優位性を考えるという課題は自分にとっても示唆に富むものでした。
一見他業界で全く関係ないと思われるものでも自分の会社の経営やマネジメントにすごく役立つんだなと改めて勉強になりました。

DAY3シェアリングとディスラプター(破壊者)戦略「Uber」

既存の企業を破壊するディスラプターとしての戦略を展開するUber
プラットフォームは誰のものか?
規制は何のためのものか?
新しいビジネスやイノベーションを普及させるために必要な戦略やマインドを学びました。

↑のTEDの動画でカラニックが語っていますが、米国のタクシー業界はメダルシステムといい、市によってはタクシー数の上限が決められています。

人口が増加した現代においてもタクシー数は規制されており、またタクシードライバーになるためには初期投資やドライバーの資格を取得する必要があり、ハードルが非常に高いです。

その割に、タクシーのサービスの質は低いとのこと。不衛生、人種によっては乗車拒否、目的地まで送り届けないなどサービスの質の低さが問題になっていました。

Uberのサービスの特徴を分析すると、スマホによりドライバーも顧客もサービスに参入しやすいこともそうですが、タクシーの料金固定制を廃止しサージプライジングを導入。繁忙期にしっかり儲かる仕組みにしていることでドライバーの参入を増やしているという戦略が分かります。
またデータサイエンスを応用し車両と顧客のマッチングをリアルタイムで行っていること。これによりドライバーはタクシーよりも効率的に乗車率を上げることができます。(ツーサイドプラットフォーム戦略といいます)

Uberはこの事業を進める上でタクシー規制を無視して市場導入しました。
グレーゾーン・規制を突いたビジネスの展開です。あくまで仲介業者の立場でありタクシー会社ではないという立場です。
ビジネスを進める上で強引なやり方で競合から顧客を奪うことも行ったようですが、TEDの動画を見るとまるで社会起業家のようです。

このカラニックの意図について議論を深めました。

そもそも規制はなんのためにあるのか?
消費者の権利を消費者に戻したい、イノベーションを得られない規制は見直すべき!と主張しています。
またこのような新興ビジネスが社会の風穴になることを実感しました。

最後にクラスメンバーから出た質問を元に全員でディスカッション


特に面白かったのが、「GAFAに乗っ取られないように、または共存していくためには私たち一人ひとりはどういった意識が必要か?すべての企業が下請け化する、ビジネスが空洞化するという未来が待っているなかでどういう意識でビジネスを行うのか?」という質問がありました。

先生の言葉が印象的でした。

プラットフォーマー以外は確実に下請け化します。
最初はパートナー(補完業者)として優しい顔をして近寄ってきますが、途中から確実に下請け化し上下の関係になります。
製造業、サービス、運輸、保険など様々な業界に起こります。

ビジネスも確実に空洞化するでしょう。
米国ではGAFAに規制がかかっていますが勢いは止められないと思います。
なぜなら私たち自身が個人情報を抜かれてもこの利便性を失う世の中には戻りたくないからです。

ではどういったビジネスマインドで仕事を行うのか?
キーポイントは柔軟性。進化するマインドです、こういった疑問に対して常に考え続けることです。

また20・60年問題と言われるようにこれからの時代は会社の寿命が20年、人の労働寿命が60年になります。つまり自分は市場でどういう価値があるか考え続ける必要があります。
自分で自分のキャリアを創っていくことを頭に入れておいてください。特に大企業の方は会社が決めるキャリアに従順にならないように。会社任せのキャリア形成では気づいたら市場価値のない存在になってしまう危険があります。

とのことでした、耳が痛い…

そんなこんなでセッション2も非常に勉強になりました!
つぎはマーケティングの授業になります。お楽しみに!



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