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一人でタイムスリップした日


ある朝、起きてすぐに異変を感じた。

静かすぎる…

とにかく、いつも通り朝食を食べて学校へ向かった。


誰も外を歩いていない…

いつもたくさんいる鳩すら少ないような気がする。

外に出ては行けない、祝日か何かなのかと…



駅のホームにも3、4人しかいなくて、

世界が変わってしまったみたい…

そう思いながらも学校に着き、

いつも通り受付で挨拶をする。

知っている人に会った安堵感はあれど、

まだクラスメイトは誰もいない。




教室の電気すらついていない。

何が起きたのか…

そんな風に思っていた瞬間。

もしや、これは…サマータイム終了日というやつではないかと!



明らかに気が付くのが遅すぎました。

前の晩に1時間時計を

戻しておくのをすっかり忘れていました…


よくみんな毎度忘れずに時計を進めたり戻したりできるなぁと、今でも思う。

その時は、どうにか外で時間を潰したいと思ったけれども

再度受付を通らなきゃならない…

恥ずかしくて…うっかり忘れていたことを悟られたくない気持ち。


受付の窓口の下を

しゃがみながら、そーっと歩いてみる。

開き直って、また挨拶して一旦出ればいいものを。

その行動を知られた方が

もっと恥ずかしいだろうにと、

当時の私に言ってやりたい。




受付の人の満面の笑み。


仕様もなく、ただただ太陽の熱がジリジリと肌に残る中、


恥ずかしさと、温かさの両方を目一杯感じた16歳の夏の終わり。

非日常から日常化への第一歩。

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