地球訪問者

踊る人、お芝居をする人のドタバタ劇エッセイ。 フランス・コンセルバトワール・ブローニュ…

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踊る人、お芝居をする人のドタバタ劇エッセイ。 フランス・コンセルバトワール・ブローニュ=ビヤンクール地方音楽院を経て、国内外問わず活動中🌏 https://www.maiyagoshima.com/

最近の記事

世界の片隅で読む台本

今回はフランス語での台本を理解するところからの出発になりそう。 国外の台本は、演者がどのタイミングで座るとか、ここで咳ばらいをするとか 細かい所作まで台本に書かれていて、 その辺りから日本と形式が違ったりする。 余白をどう使うのかは、演者自身が試行錯誤考えて現場で提出するものと思っていて、 日本を出てみると最初から細部まで書かれていることに正直戸惑うこともある。 でも、現場に行ってみると その場で瞬間的に生まれたものをきっかけにどんどん変わっていくことも多い。

    • メソッドから見る景色

      バレエの中にも、メソッドというものがある。 さらっと道のりを辿ってみると、 クラシックバレエは 実はイタリアから生まれ、 フランスでワインの如く熟成され、 ロシアで栄えた。 フランスで熟成された時に 世界共通のバレエ用語はフランス語と決められたけれど、 根本的に、一体何が違うのか? バレエの手脚のポジションには 全てに名前が付いていて、 顔の向きや、目線もメソッドによって違う。 1番ポジション〜6番ポジション、 番号でも決まりがあり、 それぞれ手や

      • 名前と国籍だけのプロフィール

        私たちは、とある映画を作ろうと昨年末に出逢った。 このプロジェクトに携わるには共通言語として 英語を話すようにと言われ、 私が初めて渋谷のオフィスへ伺った時には、 フランス人とロシア人の方々が出迎えてくれた。 2人と話す際は必要なのだなと。 いざ、撮影初日。 現場に着いたら、 フランス人、ロシア人に加え、 ブラジル人、ドイツ生まれのイギリス人、アメリカ人の撮影クルーが集合していた。 そして、自分を含めた出演者日本人2人。 ほぼ全大陸から集まっているではない

        • バレエの舞台裏②

          バレエシューズとトウシューズ(ポアント)って、何が違うの? バレエシューズは、ポアントを履くまでの 基礎固めをするシューズであり、 普段のレッスンで使用するもの。 上級者はポアント技術を向上させるために、 普段のレッスンの後半からポアントに履き替えたり、 レッスンの始めからポアントで練習することもあります。 でも、どこまで、やわらかく美しい爪先をつくれるか、 五本の指に均等に体重がかけられるか、 足で床を掴む感覚を養い、正しいポジションを覚えるには、 バレ

        世界の片隅で読む台本

          バレエの舞台裏①

          今日はバレエの世界の裏側のお話。 体を支え続けてくれるトゥシューズ。 フランス語で爪先という意味の ポアントと呼ばれています。 人の体が千差万別であるのと同じで ポアントにも相当な種類が存在し、 様々な国で、あらゆる特色のポアントが販売されています。 職人さんがひとつひとつ手作りで作るものから、 硬さを自分仕様にアレンジできるような 最新の技術を駆使したものまで。 バレエをされたことのない方からは、 爪先で立っていて痛くないの?と、よく聞かれますが、

          バレエの舞台裏①

          マジカルクラス

          今日は、とある独特な語学勉強法と 不思議な仲間たちとの思い出。 2006年くらいから 国立音楽学院、地方音楽院共に、 芸術面だけで優遇されることはなく、 学業の成績も音楽院の成績に反映するシステムとなり、 提携している高校へ通う前に短期間、集中的に語学学校でフランス語を勉強していました。 その中では、やはり、異国の地で同じ出身国の人や、 同じ言語を使う人と出逢えると安心するもので、 困ったときに助けを求めやすくなるので、皆で固まってしまいがち。 でも、そん

          マジカルクラス

          一人でタイムスリップした日

          ある朝、起きてすぐに異変を感じた。 静かすぎる… とにかく、いつも通り朝食を食べて学校へ向かった。 誰も外を歩いていない… いつもたくさんいる鳩すら少ないような気がする。 外に出ては行けない、祝日か何かなのかと… 駅のホームにも3、4人しかいなくて、 世界が変わってしまったみたい… そう思いながらも学校に着き、 いつも通り受付で挨拶をする。 知っている人に会った安堵感はあれど、 まだクラスメイトは誰もいない。 教室の電気すらついていない。 何が起きた

          一人でタイムスリップした日

          意見の意味

          15歳からフランスで生活をし始め、暫しした時のこと。 初めて完璧に聴き取れたフランス語があった。 音楽院の校長先生が我々生徒達に言った、とある一言。 『あなたたちは腐った魚の目をしている』 Vos yeux sont comme des poissons pas frais. 初めて完璧に分かったフランス語がこれだ。 正直吹き出しそうになった。 そして、私はこの言葉の意味を年々知ることとなる。 朝から学業、午後からクラシックバレエの実技、解剖学や音楽の授業、

          意見の意味

          地球訪問者の旅

          皆さま、はじめまして。 長年ブログやSNSで応援し続けてくださっている方々に、こちらにも遊びに来ていただき、とても嬉しく感じています。 ありがとうございます。 初めての方々も、数ある記事の中から選んでいただき、ありがとうございます。 初めての記事なので簡単な自己紹介をしたいと思います。 幼少の頃からクラシックバレエを習い始め、 15歳の頃、単身でパリに移住し, ブローニュ地方にある、 フランス・コンセルバトワール・ブローニュ地方国立音楽学院(現・ブローニュ=ビ

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