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梅雨だるだる警報①「湿気」を溜め込まないためには「脾」を守ろう【季節の養生】

こんにちは。maison de megriのなみみです。今年関西はびっくりするくらい早い梅雨入り。天候が安定せず体調を崩している人も多いようです。
湿度の多いこの梅雨の時期に関係ある五臓が「脾(ひ)」。なじみのない「脾」ですが、胃腸の機能をイメージするといいと思います。
今日は「脾」がいつも弱っているなみみが、湿と脾との関係についてお伝えしたいと思います。

「湿(しつ)」って何?

「湿」は簡単に言うと体の中に溜まっているいらない水分のこと。「湿」は体中の色々な所に入って悪さをします。

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・むくみ
・だるさ
・頭痛
・胃もたれ
・めまい
・舌の白い苔

これらが「湿」が溜まっているときに出やすい症状と言われています。

「湿(しつ)」と「脾(ひ)」の関係

「湿」を溜めないためには、五臓の中の「脾(ひ)」の働きが重要となります。
「脾」とは簡単に説明すると「胃の働き」つまり・・・

「消化吸収能力」 なのです!

「脾」の働きは
①食べたものを胃できちんと消化する
②栄養を吸収し、必要なものはエネルギーに変え、全身に運ぶ。不要なものは体外に排出


(他にも「脾」は色々な働きを持っていますが、ここでは「湿」と関係する働きだけを挙げています。)

「脾」が働かないと起こる不具合

さて、もしこの「脾」が働かなくなると、体の中でどんな事が起こるでしょうか?

大きく分けて二つの不具合が起こってきます。

①エネルギー(気)の不足→巡りが悪くなる
消化吸収能力が落ちると、食べ物から栄養を取り入れることができず、エネルギーが作り出せなくなります。つまり「気」が不足すします。以前のくー先生となみみの相談室の「気血水」の記事でもお話ししたように、気の不足は体全体の巡りを悪くしてしまい(もちろん水も)、不調の原因になります。

②「水」を排出できない
不要なものを体外に排出する働きが落ちてくると、いらないものが体の中に溜まってきます。気の巡りも悪くなることで血や水の巡りも悪くなり、水を排出する力も弱くなり、体の中に溜まってきます。

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つまり、「脾(ひ)」が弱る→エネルギー(気)が不足する→めぐりが悪くなる→水を排出できないというように、脾が弱ることは体の中に「湿(しつ)」=体の不要な水分が溜まっていく悪循環になっています。

「脾」が弱ってしまう食べ物は3つの「あ」

梅雨時、体の中に湿気を溜めないためには「脾」をしっかり働かせることが大切。
でもこの時期、やっかいなのは「脾」を傷つける食べ物ばかりが欲しくなってくること。その食べ物とは・・・

①甘いもの
②アルコール
③油っこいもの

3つの「あ」と覚えてみてください。。
まず甘いもの。砂糖1gにつき、3~4gの水を溜め込む、と言われています。お砂糖ってすぐに水を吸ってべちゃっとしてきますね。あの感じ。砂糖を取ると、体の中に水を引き込みやすくなります。
アルコールは胃粘膜を荒らすことが多く、またこの時期は冷たいアルコールを飲むことが多いので、脾の働きを弱らせます。
油ものも、摂りすぎると消化吸収の妨げになりますね。

「脾」は冷たさを嫌う

そして「脾」が最も嫌うもの。それは冷たいもの。

胃に冷たいものが入る
   ↓
胃の血流が悪くなる
   ↓
胃の蠕動(ぜんどう)運動が低下
   ↓
胃に長く食物がとどまり、消化吸収能力が低下


という流れで、エネルギーが作られず、体がダルくなります。

また冷たいものを、体の中で温めて、尿や便として排出するのにもエネルギーを使うので、冷たいものを食べること=エネルギーの無駄遣いにもなります。

今回は、この時期「脾」を守ることが、湿気を体の中に溜め込まず、体の重だるさを防ぐためにも大切、とお伝えしました。
次回は「脾」を守る養生法についてお伝えしたいと思います。

この記事を書いた人

養生漢方コンシェルジュ なみみ
関西在住、50代現役看護師。二児の母。好奇心旺盛。
30代半ばで離婚を機に看護学校へ入学したツワモノ。精神科ナース経験からくるホスピタリティはめぞめぐメンバーお墨付き。子育ても落ち着いた今、更年期の悩みなどをきっかけにmaison de megriで中医学の基礎知識や身近な養生方法などを幅広く発信中。

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