![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107803702/rectangle_large_type_2_05ab84866d69aed9804a3b2f34072707.png?width=800)
Photo by
kiraku_san
いつまでも誕生日は
0:01 誕生日おめでとう!!
0:03 今日誕生日だよね?おめでとう!
0:10 ハピバ!この一年も楽しんで!
たくさんの友人に祝われ、時にはプレゼントなんかをもらい、何歳になってもこの日だけは自分が主役の気分になる。
今年の誕生日は恋人もいないし、実家に帰る余裕もなくバイトに費やしていた。
けれどSNSを含めたくさん祝ってもらいとても嬉しかった。
1週間後、やっと実家に顔を出しに行った。
いつもと変わらず母に近況報告をする。
「誕生日ケーキ用意してないんだ、、」
母が申し訳なさそうに、情けなさそうに、ごめんねと謝ってきた。来月給料が入ったら買おうね、と。
「いいよ、もう子供じゃないし」
ワンホール1500円、カット売りなら300円もしないケーキ。
心のどこかで期待していたご馳走の並んだ食卓。
誕生日プレゼントなんてたいそうなものは望んでない。
そんなのは小学校時代で諦めた。
だけど誕生日ケーキだけはいつもあった。
子供はいつまでも子供のままなんだと思い知らされた日だった。
たくさんの友人から祝われ、たくさんの通知がきてもどこか満たされなかった。
親と子、私がいつの日か前者になったとき今日の気持ちは忘れずにいたい。
親はいつまでも親で、子はいつまでも子なのだと。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?