変化する「価値感」から今を見直すための仕分け方
新型コロナウィルスにより企業の社内環境は、大幅に変化しました。
感染の脅威から守るためのテレワークやフレックスタイムなどの働き方の改革。
個人専用デスクからフリーアドレスへのバリアフリーなオフィス環境など。
そんな社内の変化に加え、企業を取り巻く環境変化は刻一刻と加速しています。
消費者や顧客の価値観が大幅に変化しましたよね。
家というプライベート空間でいかに仕事をするか。
感染するリスクを減らすため、移動頻度削減やオンライン購買活動へのシフト。
外出自粛の中、いかに家という空間で癒されるか。
などなど、挙げていけばキリがありません。
不確実性が高く、刻一刻と状況が変化している今の時代において、企業は勿論のこと、個人もどう自分のキャリアや人生を築いていけばいいか分からなくなっているかと思います。
ですが、そんな中、確実にしていかなくてはならないのは、生きていくために目の前にあることをこなしていくこと。
そして、今起こっている変化に迅速に対応していくことだと思います。
新型コロナウィルスによりテレワークなどの働き方が変わりました。
更に一歩進んで変化したお客様の価値観に合わせ、改めて業務を見直す時期に入ってきていると考えます。
業務の在り方や生産性を突き詰めると
「お客様は何に対してお金を払ってくれるのか」
を徹底的に考え抜くことが不可欠です。
ですが、企業として成り立たせるためには、法令対応や内部監査、会計上の仕訳など「お客様のため」にならない仕事でも無くすわけにはいかない業務があります。
同様に社員への研修や社内ナレッジ共有なども、直接的には顧客に価値を与えるものではありませんが、長期的には価値を増幅させたり継続させたりするのに必要なものなので削るべきではありません。
「お客様は何に対してお金を払っているのか」を定義した上で、組織として必要な業務を残しつつ、今のお客様の価値観に合わせて業務を改善していくためにはどうすればよいでしょうか。
そのためには、「顧客価値」を軸に業務を4つの区分に仕分けることで実現することが出来ます。
本記事では4つの区分とは何か、具体例を挙げつつご紹介します。
区分1. 顧客への価値を生み出すもの
顧客への価値を生み出しているものがあれば、当然それは重要なものとして認識する必要があります。
営業であれば、
・ 顧客へのヒアリング
・ 提案資料の作成
・ 提案内容の説明/プレゼンテーション
などが挙げられます。
《業務改善時の対処》
業務改善時では通常優先順位を落としますが、手順や使用するツールなどを見直すことで手間を減らしながら提供価値を増やすことはできる可能性があります。
区分2. 顧客への価値を増やすもの
仕事や活動の中には、顧客への提供価値を増強するものもあります。
顧客に直接価値を提供しませんが、会社の競争優位性を維持・向上させるためになくてはならないものです。
例えば、
・ 社員の研修
・ 実績や経験などのナレッジ共有
などがこの分類に入ります。
従業員のスキル育成、知識や経験の共有により、価値を創出し、提供する能力を向上させる効果があるからです。
《業務改善時の対処》
この区分に該当する業務の多くは、すぐに目に見える効果がなく緊急度も高くないことが多いため、疎かにされがちです。
ですが、競争が激しい業界であるほど、この分類の仕事/活動に継続的かつ十分な投資を行い、競争優位性を高め続けることが求められます。
区分3. 顧客への価値提供を維持するもの
業務の中には顧客に価値を提供しないが必要とされるものが存在します。
この分類のものは「顧客にとって価値がないから」といってやめてしまうと、企業の信頼低下や最悪、商品/サービスや企業の存続が危ぶまれる事態に陥ってしまいます。
つまり、この区分に入る業務は顧客への価値提供を維持するために存在すると解釈できます。
例えば、
・ 資金調達
・ 取引先への支払
・ 給与計算
・ 社内システムの保守/運用
などがこの区分に含まれます。
《業務改善時の対処》
これらの業務はそっくりそのままなくしてしまうわけにはいきません。
ですが、だからといって手間を減らすことを諦めてはなりません。
この区分に入る業務は、世の中の多くの企業が同じルールに従って実施しています。
それ故に人力で行っているタスクのほとんどを自動的に遂行してくれるシステムや、専門的なスキルを身に付けた人が代行してくれるアウトソーシングなどを活用できるチャンスが多い領域なので、一考の価値はあるでしょう。
区分4. 顧客への価値に寄与しないもの
この分類の仕事/活動は、基本的にはムダなものと捉えることができるので、対応方針としてはシンプルに「なくすこと」が原則になります。
例えば、
・ 目的のファイルを探す作業
・ 全く同じデータを別々のシステムに入力する作業
などがあたります。
《業務改善時の対処》
システム間で連携できていないため発生していますが、顧客価値に寄与しない業務のため、極力手間を減らすための工夫を行うべきです。
ですが、「顧客価値に全く寄与しないもの」と判断した場合、その仕事/活動を廃止または削減した場合、「意図しない影響」が発生しないか気をつける必要があります。
例えば、毎朝行っている朝礼を「顧客価値に全く寄与しないもの」と分類して即廃止した場合、上司が部下の作業進捗把握が疎かになり遅延が増加してしまったなどの副作用が発生する可能性があります。
そうした場合、活動の認識を価値提供維持または価値向上に繋がると改めるべきでしょう。
今の自分にとっての「価値」を元に自分を見直そう
このように「お客様が何に対してお金を払っているか」から一歩進んで、
1.顧客価値を生み出しているもの
2.顧客価値を増やしているもの
3.顧客への価値提供を維持するもの
4.顧客への価値に寄与しないもの
と、捉えることが出来ます。
新型コロナウィルスにより、社会の常識が変わりました。
社会の常識が変われば、顧客価値も変わる。
その変化に対応するために、「顧客価値」を起点に業務を仕分けることで、「顧客価値」を追求した生産性の高い業務を実現することが出来ると考えます。
この区分は、業務以外にも自分の生活習慣を見直すことができます。
あなたにとって価値があり、大切にしたいと思っていることは何でしょう?
仲間や家族の時間、やり遂げたいと思っている使命感、自分の生活環境、趣味。
仕事以外で大切にしたいことはなんですか?
それを「顧客価値」に置き換えて考え、皆様の人生をより豊かにする手助けになれれば幸いです。
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