ミサは世の中よりも、月のことが好き

気だるそうな喋り方も私に振り向いてくれないとこも都合いいように使ってくるとこも好きだよー。ふとしたときに思い出すのは君の体温だし優しさだし、君のせいで泣きわめく夜があってもなんだかんだ好きだし。ねえ、私、君にだけ一途なんだよ、知ってた?いつも絶望と死界の狭間で遠い過去を見つめている君は私の目を見てくれたことなんてないから知らないんだろうけど、ね。キスもハグもいらないよ、ただ好きって言って頭を撫でてくれるだけでいいの、いいんだよお。少しでも君に近づきたくて真似した絶望だってお薬飲んじゃえば簡単に幸せに変わっちゃうんだから永遠に近づけないね。君はひとを好きになんかならないからこの世界で生きていけるんだと思ったり。ふふ、デスノートなんか触らなくたって君のそばにいる死神は見えてたよ。私ね、君のことならなんでもお見通しだった。私の世界では君が君だけが神様だったから新世界の神になるくらいなら私と一緒に死んで欲しかったし、この終わらない片想いだって終わらせて欲しかった。でも、でもね、君に利用されたって、気持ちを踏みにじられたって、やっぱ好きなんだよ。君が見ている死神の目から見た私の存在ってなんだろう、可愛く映ってる?ねえ、ふたりだけの誓いをたてよう。自己犠牲の愛と終わらない片想いの葛藤に終わりを告げよう。怖がらないで、はやく飛んできて。だって、だってさあ、ミサは世の中よりも、月のことが好きなんだよ。

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