見出し画像

【映画MONDAYS】憂鬱な奴、そう月曜日-映画感想note-

月曜日ってなんだか憂鬱…

そう感じることが多くないですか?
あっという間に終わったお休みの次の日で、これから5日走り続けないと休めなくて、アラームが鳴り響いた瞬間から否が応にも徒競走のスタート地点に立たされているような…

そんな、世の共通の敵である月曜日がタイトルの、
繰り返しのように感じる毎日がほんのちょっとだけ誇らしく、愛おしくなる映画『MONDAYS』を鑑賞した話。

舞台はとある小さなオフィス。
また仕事が始まる月曜日の朝、後輩から告げられたのは「同じ7日間を繰り返している」という信じられない事実。そのループから抜け出す条件は、”ループしていることを上司である部長に気づかせること”
試行錯誤と1週間を繰り返して、様々なパターンの7日間を送っていくけれど、一向に部長は気づいてくれない…!

参考:映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』公式サイト

ネタバレをしすぎない程度にお話に触れながら、私が感じた面白さを記していきます。




MONDAYSポイント①

ひとり、またひとりと、タイムループの中に閉じ込められているのを確信していくこと。

参考:映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』公式サイト

タイムループ、タイムリープなど時間軸にバクが起きる物語には、以下2つの大きい問題があると考えていて…

1.基本的には元の時間軸へ戻る方法を模索する必要があること
2.限られた人、主人公以外はタイムループ現象の存在を認識していないこと

MONDAYSは、主人公は自身がタイムループしていることに気づいておらず、別の人物に「タイムループ現象が起きている」と事実を告げられて、初めて認識するという仕掛けがあります。
そして、そこから、仲間を増やして元の時間軸というゴールを目指すまるで”RPG”なストーリー。
これがまず、今までの”タイムループ”に新しい風を吹かせながら、鑑賞者を物語に没入させる要素であると思っています。

例えば、
「もし、自分がタイムループに陥って気づいたとしたら…」
ひとりじゃ何もできないだろうし、全てを背負うほどの責任感もなければ、永遠に現実を諦められるほど普遍性に富んだ性質とそこまでの決断力もない。

タイムループが現実で起こっているのなら、きっとこんなふうにして乗り越えるんだろう。と思えちゃうんですよね。

リアルから程遠くないところがグッと映画の彩度を高めているはず…!




MONDAYSポイント②

「もう仕事なんて放り出してしまいたい」
「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」
「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」等、

タイムループしているからこそ可能である、月曜日①、月曜日②、月曜日③…が存在していること。

(参考:映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』公式サイト

映画には、いくつもの月曜日が存在しています。
同じ日付で同じ曜日だけど、過ごし方や話の進み具合の速度が違う。
月曜日①がナマケモノのようにだらりとしていたとすれば、月曜日②は効率第一!!!!!!みたいな。

案、パターンがいくつもあるのって、どこか広告/デザインの案件みたいだな〜と思いませんか?

これは、おそらく、作品の舞台となるオフィスが広告代理店だとということに加えて、映画の企画・製作をしているCHOCOLATE Inc.さんがたくさんの”たのしみ”を生み出すコンテンツスタジオということが関係していそう。
アイデア/企画/デザインっていくつも用意することが多いと思うので、パターン多さから、背景やつくり手の要素を感じました。


そして、
MONDAYSのタイムループ形式?とその結果パターンとして、
過去(タイムループ中)の何かを変えることによって、未来の何か大きい事件を避けるタイムリープ的とは違って、
ただ普通の毎日に戻るための道中で様々な7日間が存在するのだけれど、

特別な日ではない”毎日”だからこそ、普通であるはずの毎日が変化しているアンビバレント、ギャップが味わい深いものに仕上がって、どんどん物語にハマっていくのかもしれない…!と勝手に考察しています。


MONDAYSポイント③

物語の鍵👐 

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』公式サイト

👐👐👐←公式にもたくさんちらちら出てくるどこか怪しげなこのポーズ、実はとんでもウルトラキーポーズ。
初めて観る方はこのハンドサインを頭のどこかに置いて鑑賞してみてほしいです。

映画を見終わって会場から出たうちの何人かは、下の方でこっそりこのポーズをしているかもしれない👐


加えて、鳩も見逃せません。
公式サイトのビジュアルにもガッツリ登場(起用?)されている鳩。
私は個人的に鳩が苦手で、描写がくるたびに慄いていたのだけれど、物語が進んでいくうちに、どんどん鳩を求めるようになっていました。


大切な要素がもう最初からいろんなところに散りばめられています。



MONDAYSポイント④

およそ80分の上映時間

映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』公式サイト

内容の面白さに加えて、この映画を楽しく観れた理由の一つは上映時間が”80分”であること。

通常の映画と比較したら短い方ではあるけど、世を賑わせる民放ドラマよりちょっと長い。韓国ドラマと同じくらい(韓ドラ好きはわかるあるある)。

長短自体の良し悪しというより、心地よく物語に集中できるいい塩梅だったな〜と個人的に思います。

物事に集中するときはとてもエネルギーが必要で、自分を消費していると感じているのですが、
特に、周りの人にも気を遣いながら基本的に同じ姿勢で鑑賞をする映画館での鑑賞スタイルは、
観終わった後のやり遂げた感(≒くたくた感)を感じること、ありませんか…?

そんな印象と体感があるなか、80分という長さはかなり快適でした。
物語の世界に入り込むことができる濃い内容が展開されつつも、没頭しすぎて関節とお尻がバキバキになるわけではない、ちょうどよさ。大学の授業1コマより短い。そりゃ あっという間だ。


乗り越え続けるMONDAYS

観終わったあとから、
みんなが経験している月曜日がやってくるあの感覚に襲われます。

何重にもかけたアラームを止めて、
会社(学校)に行かねば、仕事(勉強・家事)をせねば…また1週間が始まる…という憂鬱めいた朝に、共感の相槌を打ってくれる仲間が増えたような気がしたりもします。


私たちが幾度なく繰り返す日々は当たり前に明日に繋がっていること、
そして、明日と明後日、明明後日やそのさきが繋がっていることの当たり前さと、
”今”がこれからも続いていって、構築されていく未来の存在を認識するきっかけになりました。
(とは言っているけど、前提として今でも毎日朝はお布団から出たくないし、忙しない街の流れも、予定駄々遅れ間に合うことを祈って走るしかない道中も、月曜日も特に全然好きじゃない)



同じようで同じじゃないことを気づかせてくれるし、それでいてやっぱり憂鬱な週の始まりであるMONDAYが重なり続ける、ちょっぴり恐ろしくて面白い、オフィスタイムループムービー


とりあえず1回観てみてほしいな〜〜!そして話したいな、聞きたいな!と思える映画でした。Blu-rayや各種配信サイト、いつか再上映されたら嬉しい映画館など、いろんなところで楽しめる作品です。(詳しくはMONDAYS公式noteの記事、各種公式サイトにてご確認ください。)
誰もが体験している”毎日”のお話だから、色んな感想、視点があるだろうし、気軽に話せるトピックなのも盛り上がりに繋がりそうだな〜と思います。

そして、先ほどお話に出たMONDAYS公式noteでは、
『週間MONDAYS』として、毎週制作にまつわるお話が連載されていました。。やっぱり〜!と思うこともあれば、そうだったんだ…!と気づきを得て振り返ることもあるガイドブックのようなnoteです。読み応えむっちり🍫
まだの方はぜひ読んでみてください👐(回し者ではないけど回したい🍣)


最後に、第32回日本映画批評家大賞の新人監督賞、編集賞の受賞…!おめでとうございます!



勝手に強迫めいた存在にして恐れ慄き続けてごめんね月曜日、
今週も月曜日の来襲に恐れ慄き、なんやかんや耐えて生き長らえていきたいと思いながら、止められない夜更かしタイムを楽しみます。
日曜日延長お願いしたいよ〜〜〜!




チョコレイトさん、今回も大変美味しくいただきました。ごちそうさまでした🍫

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?