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なぜカナダに母子留学したのか?選択プロセスと大切にしたこと

2022年8月3日に9歳(小学4年生)の息子とカナダ・バンクーバーに移住して、SNSで報告したら、意外と多くの方から「海外移住・母子留学興味ある!」「なぜカナダにしたの?」との声をいただいたので、忘れないうちにnoteにまとめておきたいと思います。

どうして母子留学することにしたのか?ー娘の中学受験が後押しに

実は5年前にインドネシア赴任より帰国した瞬間から、数年後には海外でもう一回働いて暮らしたい!と思っていました。ただその後、コロナ禍があり、海外求人も減り、外国が以前より遠くなってしまいました。

私視点での留学しますnoteはこちら

子どもの年齢もどんどん大きくなり、気づけば昨年には長女が小学6年生に。中学受験の年齢になってしまいました。

本当は、海外でのびのび子育てしたかったのに、英語塾と中学受験塾と両方通う日々。英語のエッセイ対策は、論理的思考力やアウトプット力に繋がり、有益だったと感じましたが、家族旅行や睡眠・遊ぶ時間を削ってまでのこの大量の学び、本当にこの時期に必要なのかな??と、1年間の中学受験サポート中、実はずっとモヤモヤ感じていました…

娘の受験記録noteはこちら

そして、自分がそこ(中学受験)にどっぷりハマりたくなかったから、子どもの塾の待ち時間に、海外大学院受験について調べ、TOEFLを受け、エッセイを書いて、推薦状を依頼して、留学準備をはじめました。海外求人はコロナ禍で激減していたので、転職ではなく留学で行こうと考えました。娘には「中学受験やめて、一緒に海外行こうよ!」と言っては「絶対イヤだから受験頑張る」と返されるやりとりを繰り返していました。

今、一年前に戻れたら、娘が6年生の夏休みにもっと家族で旅行すればよかった!!と思います。受験勉強より大事な、この時期しかできない体験があると、過ぎ去った今、強く感じています。

そして希望の中学校に入学した娘は、予告通り海外留学には一緒に来てくれず(涙 そのうち日本の学校を休学してカナダに来てくれないかなと、今もしつこく誘っていますw

なぜ行き先をカナダにしたのか?ーマレーシアの煩雑なビザプロセスに嫌気がさした

2022年春までは、マレーシアへの留学を第一候補にしていました。子どものインターナショナルスクールの選択肢が多いことと、時差があまりないこと、物価が安いこと、海外大学院のマレーシア校が複数あることと、以前ジャカルタに住んでいて、東南アジアは親しみがあったことなどが主な理由です。

ただ、興味のある領域の学びについては、米国の大学院がいちばん。コロナ禍での安全や子どもの環境面では、水も空気も綺麗で、街を歩けて銃の心配が少ないカナダがいちばん。そう思っていたので、マレーシア・カナダ・米国の大学院に2021年秋頃から出願準備を行い、2022年頭にこの3カ国の大学院に出願しました。

大学院はそれほどハードルが高くない学校に出願したので、無事合格できたのですが、その後のビザプロセスがマレーシアとカナダで大違い!

マレーシアの大学院は、母子留学が非常に少ないのか、子どもを帯同家族にして、自分が学生ビザを取るプロセスがとても煩雑で、ビザ取得に必要なレター取得まで、3ヶ月を要しました(子どもの学生ビザを先に取得し、親がその保護者ビザを取得する場合はもっとスムーズのようです)。

その間、EMGSという、マレーシアの学生ビザ発給を審査する教育関連機関から、理不尽な書類を多く要求され(大学に提出したのと、ちょっと違う、似通った書類の再作成・再提出など)、イライラが募りました。さらにはコロナ禍が落ち着いて、街に渋滞が戻ってきたと聞き、オンライン授業がほぼなくなる2022年夏以降の留学先として、マレーシアを選択するのがとても不安になりました。

さらに、エージェントや現地の日本の方々からも、「マレーシアだからしょうがないですね」「マレーシアだから分からないですね」と言った声を多く聞き、最終的には、相談していたエージェントに「MAIさんのような自分の力で道を切り拓いていきたい人には、理不尽でどうしようもないことの多いマレーシアより、カナダの方が学びの質も環境も良いかもしれない」と後押しされ、カナダ留学を本格的に検討し始めました。

カナダには友人が先に母子留学で行っていたこともあり、詳しく話を聞くと、人はみんなのんびりしているけれど、ビザプロセスなど必要な手続きは、システマティックで合理的(間違いや遅れはよく発生しますが)。さらに、人種差別が法律で禁止されており、少なくともバンクーバーでは、アジア人だからと差別される経験は少ないと聞き、2022年5月のゴールデンウィークに急遽、行き先をカナダに変更して、ビザ申請を行いました。

カナダの学生ビザ申請は、独力でオンラインで行うことができ、マレーシアと比べると驚くほどスムーズ。約2週間で、私と息子の分の学生ビザ2年4ヶ月分を取得できました。カナダの場合、大学以上の教育機関に親が留学すると、子どもの公立小中学校への通学が現地の子どもと同様に無償となります。そのため、親の留学先が確定すれば、子どもの現地校への手続きもスムーズに進めることが可能でした。

マレーシアの場合は、まず入国後、私の学生ビザを取得して、その後子どもの帯同ビザを申請する、という手続きが発生するため、入国後も1ヶ月程度は、ビザが無事降りるか気にしながら過ごす必要があるのも不安でした。しかも、大学院が2年のプログラムでもビザは1年更新!マレーシアに比べて、カナダの明確でスムーズなビザプロセスは、とても有り難かったです(しかも学生ビザの期間は大学院のプログラム期間通り、ちゃんと2年分出ます)。

立ち止まって価値観を整理。大事にしたいのは、自由に動け、安心してのびのび生活できる環境

せっかく自分で決めて行くのだから、行き先も自分の価値観を大切に決めよう。そう立ち止まって考えたとき、私の中で優先すべきは下記でした。やっぱり子どもの環境優先で選んだ項目が多数。本当は、優先度低の項目もとーっても魅力的なのですが、今回は涙をのんで、これらを軸に選びました。

<優先度高>
・自分の意志で自由に行動できる
・子どもが安心・安全にのびのび生活できる環境
・多様な価値観・違いを知り、互いに尊重し合える人との関わり
・人種差別が少ない
・街全体が子どもに優しい
・医療の信頼性・充実

<優先度低>
・プール付きの豪華なコンドミニアム(マレーシアなら家賃はカナダの半額以下でプール付き)
・アジアンリゾートへの気軽な旅行(バリとかいきたかった!!)
・手厚いEAL(英語サポート)、インターナショナルスクールの整った設備
・物価の安さ(カナダは物価高いが、節約生活でもよしとする!)
・メイドさん、お手伝いさん(お願いできると有難いんですけど)
・温かい気候(本当は優先したいくらい、私は寒いのが苦手です!)

周りの人への優しさ、寛容さはどう育まれる?カナダ生活を通して見つけていきたいこと

こうした背景で、カナダに移住しました。まだバンクーバーに来て2週間で学校も始まっておらず、分からないことだらけですが、今のところ、出会う人、話す人優しい方が多く、なんてカナダの人は優しいんだろう!と感動する機会がとても多いです。

英語が分からない息子(インドネシアからの帰国が5歳で英語はほぼ忘れてしまいました)を放り込んだ5日間のサマープログラムでも、スタッフのお兄さんお姉さんがとても優しくて、英語でコミュニケーションを取れない息子も頑張って、通いきることができました。出発前、カナダに住んだことのある友人・知人の「カナダもバンクーバーもすごくいいところだよ!」の言葉だけを信じて、何も知らないこの国に来て、本当に良かったです。

これから見て・探っていきたいのは、どうして他者に対してこんなに寛容で優しい国民性が育ったのか?です(生活すると嫌な面ももちろん、色々見えてくるとは思いますが)。秋冬雨ばかりの過酷な気候とか、移民を受け入れないと経済が成り立たない背景とか、色々あるのかな。その第一歩である初等教育を息子が秋から受けられるのがとても楽しみ!噂では、教室にソファがあったりと、とってもゆるくて楽しいみたいですw

次回は、移住するに当たって具体的に行った、生活のオンボーディングプロセスについて、忘れないうちにまとめていければと思います!


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