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【恋バナ】あっちゃん#3

まだ馴れ初めも書いていないけれど、先に結末を書くことにする。

二人が別れたきっかけは、私が突然入院したことだった。
入院先にはスマホが持ち込めず、公衆電話であっちゃんに電話して、事の成り行きを話した。

私は自宅に迎えにきた送迎車に乗り、いつも通院しているかかりつけの医師に診察を受けに行くつもりだった。
しかし、到達したのは別の病院。

私はそこで医師の診察もなく強引に入院させられようとして抵抗し、男性の看護師二人に両肩を押さえられ、引きずられながら病棟に入った。
強制入院だったのだ。
理由は退院後に判明したが、事実無根の理由で無理矢理に入院させられていた。

電話であっちゃんにその事を伝えたとき、私はまだ混乱していて、状況を上手く説明出来なかったと思う。
受話器の向こう側のあっちゃんも混乱していた。

「私のこと好き?」
「好きだよ」
「お互い好きならなんとかなるよね?」

あっちゃんは何も答えなかった。
最後の言葉は「好きだよ」になった。

退院してスマホを見ると、あっちゃんから一曲の歌が送られていた。
他には何も書かれていなかった。

私は未だに何故あっちゃんは黙って去っていったのかを知らない。それ以来連絡をとっていないからだ。

ただ、その年にあっちゃんが総支配人をしていたホストクラブが潰れ、あっちゃん自身も現役を引退したことが後で分かった。

お互いに大変な時期だったんじゃないかと思う。
私の存在は、きっと負担になり過ぎたのだろう。
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最後にLINEで送られてきた曲は、King nuの「白日」
私たちはこうしていつも音楽で繋がっていた。
私には、あっちゃんの苦悩が聴こえた気がした。
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季節を越えてまた出逢えたら君の名前を呼んでもいいかな
その時はきっと春風が吹くだろう
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今年で出逢って10年になるけれど、私は今年も春風が吹かなかったなぁなんて思っている。
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あっちゃん、元気でいますか?
また会えたとしても、きっとさらにカッコよくなっているはずだし、会う自信がないよ。私、太ったし(笑)

あっちゃんの名前は、敦。
私はこの名前を忘れることはない。
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あっちゃん大好き。
愛してるよ。


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