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やさしいキスと手紙

結婚したいと思えるほど、愛しい人が出来ました。

だからここで、一度私の恋の経験を振り返るのもありなのではと思いました。

今までの経験をもとに書いたお話です。

以下本編


やさしいキスと手紙


拝啓
やさしい君へ

私たちには秘密が多すぎたね。
お互いに友達にも嘘をついて、恋人にも嘘をついてだらだら続けてきたこの関係。

それなのに、出会いは学園祭っていう公の場。
君から声をかけてきたんだっけ。
君は私の苦手なあいつが「あの子なんかいい」って言ってた人だった。
だからこの時はちょっと誇らしい気持ちになったし、実はちょっとあいつにも自慢したの。
本心は、全然好みじゃないし、鬱陶しかったけどね。

だからしばらくは君の視線から、メッセージから逃げるのに必死になっていた。
私ね、断るのが苦手で、拒否するのも苦手で、これまで相手に好意を向けられると、物理的に逃げることにしてたの。
でも大学生だし、君はすごく優しいし、だから今回は向き合ってみようと思った。
そしたら、恋に落ちちゃった、あっけなく。
君が好きだと言った本は全部読んだし、メッセージも電話も全部が楽しかったな。
あの頃が1番。

恋に落ちるだけで終わっておけばよかったのかな、
そう、両片想い、もどかしいままにしておけばよかった。

私の恋心と断るのが苦手な性質が導いた私達の関係は、

あまりにも悲しすぎるよね。

私はこんな君に溺れる自分がいやで
脱却したくて恋人を作ったの

でも君には不思議な魅力がある

あの夜、

君の本質は見抜いたつもりだったよ
よく聞く、典型的な、男子大学生。
これ以上は言いたくないほど、

それでも良かった、たとえ誰にも言えない関係でも、私を見て君が笑ってくれるなら
誰にもこのことが相談できなくても

お互い恋人がいて良心の呵責に苦しむ夜があっても

君が横にいる夜なら、目の前の嫌なこと全部忘れられる

多分君も同じ気持ちでしょ
私に会いに来る時はいつも悩んでいる
他の人は君のこと寡黙だって言うけど
私といる時はいつも饒舌だった

それがちょっと嬉しかったり

そんな君に何度も何度も会いたくなる

寂しい夜には、何度もSNSを確認する

君には不思議な魅力がある

鈍く輝いていて、
忘れたくなくて、
大切な思い出で、
でも君を守りたくて、
こうやって記すしかないの。

君には不思議な魅力がある

追伸:君と友達になりたかった

                                                                                   敬具
                                君のキスがいつまでも忘れられない私


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