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「置き場」第1号を読む

スペースでの感想配信、ありがとうございました。
終始たどたどしくお耳にやさしくなかったかと思います。お聴きいただいた方、またアーカイブを再生いただいている方にあらためて感謝申し上げます。

本記事では、とりあげさせていただいた歌をまとめています。
歌のみの引用になりますので、詳細の感想はアーカイブをお聴きいただければ幸いです。X上の返信欄の投稿時間をご参考にしていただければ、どの歌がどの時間に挙げられているかおおよそわかるかと思います。

アーカイブはこちらから↓

作品一覧はこちらから↓

※以下、敬称略

好きな1首

たぶんそのキャベツと僕のキャベツとはもとはひとつで合体できます

僕のキャベツ/金森人浩

それはさすがにレタスすぎるって言われたプリザーブドフラワー 捨てる

風の操縦/なべとびすこ

美しい詩だとおもってごめんなさい わたしでさみしくなったあなたを

こわがりながら/はとサブレ

平和だ どのロッカーも鍵穴があるのに鍵を見たことがない

引き出しの中/真島朱火

ラジオをラジオで聴くときラジオをじっと見る夜だけやってるパン屋さんみたい

青いことば/古井咲花

オーロラは高さで色が変わるという あなたの頬をふと思い出す

翳る真冬/永井駿

善人じゃないと気づいて人生はようやく冬の薔薇に追いつく

リヴェール/小俵鱚太

チーカマをはだかに剥いてチーカマの質感リアル また夏がくる

白のブロック/鈴木ベルキ

ウグイスの基礎練習は三連符モテる男は努力している

午前の散歩~冬から春へ~/麻倉ゆえ

責任感があるって書かれた通知表はいい紙をつかっていて白かった

カードゲーム/林騎兵

長針が「9」を廻れば鋭さを増して子を急くわたくしがこゑ

朝/寺阪誠記

何回も教えてくれてありがとう波の発生するメカニズム

遊・泳・区・域/篠原仮眠

鳥類を口に入れたい 宗教の話を聴けばよりそう思う

ちょっとした人/高遠みかみ

実際にこころを砕いて話すひと 蛾のアイコン 強いひとだと思った

やわらかな虎/湯島はじめ

かみなりを受けいれたくてふたりしてひらいた口にあふれてしまう

暮らせる海/肺(現:甲斐)

桜つてなまへだつたらよかつたなあなたにすきと云はれてみたい

ねがいごと/高田月光

お医者さん静かに笑うこのひとはどんな風にお父さんなんだろう

ぴかぴかになるまで/武井窓花

わたしってわたしを治せないと思う わたしはかわいいので旅に出た

女子中学生は幸せそうだった/吉田衣織奈

会うという不思議さあなたのあくびすらふるえるような真実になる

墨田区/展翅零


好きな連作

やわらかにつぶす/さとうはな

屋上より見下ろす街よ ひと冬は手負いの草食獣のさみしさ

やわらかにつぶす/さとうはな

共振/岡本恵

助けられなかつた側のためにある天国といふ言ひ訳の土地

共振/岡本恵

血潮/小泉夜雨

弓をするならば林檎をあげませう立ちかへるのは善行だから

血潮/小泉夜雨

白昼夢/有村桔梗

ぬばたまの夢といふ名のうつくしい誤訳のうへに降り積もる雪

白昼夢/有村桔梗


ほんとうはもっと引きたかったし(数の関係で泣く泣くあきらめ)、あとから自分の感想を聞くと「語彙のなさよ……」とじゃっかん絶望してしまいましたが、好きなものを語るのはとても楽しかったです。
第2号以降の感想はnoteとスペースで迷っておりますので、いったん保留とさせてください。ありがとうございました!

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