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29. ありのままの自分を受け入れてあげようって思える三本

今回は会社後輩Aさんから、これをリクエストしてきた背景が気になるこのお題ですw

ありのままの自分を受け入れてあげようって思える三本をお願いします。

うん、どうしたんだろうねw まあでもとても大事なことだね。ありのまま、っていうのが何なのかっていうからして難しい問いで、誰よりも自分が一番、自分のことをわかっていなかったりするのが難しいと感じるのが人生だけども、そういうことも含めて、考えさせられる3本、探してみましたです。

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パンチドランク・ラブ

2002年公開
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
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引っ込み思案のしがない男が、恋をきっかけに変わろうともがくお話。なんか、綺麗な映画でした。綺麗っていうのはなんだろうな、画とかそういうことじゃなくて、人は誰かを好きになると変われるっていうその様が。派手な映画じゃないから、ちょっと好き嫌いは分かれるんだろうけど、個人的にはすごい好きな、静かな映画。この映画から感じるありのままの自分を受け入れてあげようと思うためのヒケツは「自分の思っていた”自分らしさ”を捨てた先に、ほんとの自分らしさってあるのかもよ」ってことに尽きるかと。主人公は、それまでの人生での自分の生き様を振り切って、自分をアップデートしようと思って、狂気の行動に出るわけだけど笑、自分が思い込んでいる自分らしさと、ほんとに自分が「こうしたい」「こうするべきだ」と思っていることって、実は案外、ずれていたり、思い込みによって補正されてたりする。その心の檻をぶち破るってことは、それまでに自分から照らし合わせれば「柄にもないこと」をやるってことで、一時的に、狂気必要だよね笑 あくまでもほどほどに。

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トイ・ストーリー

1995年公開
監督 : ジョン・ラセター
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ある男の部屋のおもちゃたちが、本来の自分の”居場所”に還るために知恵と勇気の冒険を繰り広げるお話。アイデンティティを自己肯定するための勇気のお話。自分が一番のお気に入りだったのにその座を追われたカーボーイ人形と、自分を唯一のヒーローだと信じ切っていたのに量産型だった宇宙人形。アイデンティティがなかなかむごたらしい崩壊をするビターなお話なんだけど、そこから立ち上がるために必要だったのは、やっぱり「他の誰かに必要とされていることを感じる」ことなんだというお話。自分自身の自分に対してのつまらんプライドなんかより、よっぽど大事なことは自分の外にあるってことなんでしょう。子どものころ観て、本当に、深い映画だなあと、なんだか伝わったんだけど、今この年になってみると、違う側面から見えるから、本当に映画なんだと思います。この映画から感じるありのままの自分を受け入れてあげようと思うためのヒケツは「汚いところも含めて知ってくれている友達を作って、大事にしよう」っってことかなあ。

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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

2001年公開
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
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旧東ドイツ出身の性転換ロックシンガーが、”完全な自分”を目指して自分の片割れを探してさまようお話。すばらしいストーリーと楽曲。特に、曲と、詩が、すばらしくてすばらしくて。ヘドウィグがたどってきた数奇な運命と、奥にある、ただただ普遍的でピュアな心の乾きが、泣けました。ありのままの自分が、そのままで完全なんだという、ラストと、エンドロールで再び流れる「愛の起源」が、見事。映画化ミュージカルの大成功例だと思います。曲が、よかったなあ。なにしろ。この映画から感じるありのままの自分を受け入れてあげようと思うためのヒケツは「こすれて削れたあとに残った自分がありのまま」っってことかなあ。まあ、大変というか、傷ついたりへこんだりすることもあるけれど、その先に勝手にありのまましか残らないってことなのかもしれないなあって思ったわけです。こすれるの痛いからいやなんだけどさ、結局それが一番の近道なんじゃないかと、つまらない結論だけど思うことだったりします。

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一生懸命、自分の思うことを人に伝えたり、許せないことを許さないと表明するのは、勇気がいることなんだけど、振り切った先にしか「自分で自分の自分らしさに気づく」っていう体験はなかなかないのかもしれないと思うのです。ただ、一方で、「逃げちゃう自分」もそれはそれでありのままに自分なわけで、そう考えると、どう転んだってそれが「ありのままの自分」ですって思えばそうなんだと思うんだよね。ただ、その心境を日本人は「悟り」って言ってきた気もするのでw、なかなかそうはいかないときに大事なのは「他者の存在」あのかなと思います。自分がどんな姿かたちをしているのかは「鏡」がないとわからないのと同じように、自分らしさって案外、他人から気づかされることばかりなんじゃないかなと思うんです。あんまり自分で自分の自分らしさを考えすぎずに、他者に明け渡してみるのも一つの在り方なんじゃないかなと、歳とって自意識が適度にどうでもよくなってきた最近は思います笑

って、これなんかの参考になるのかなw 途中から自分の戯言でしたw

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