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好きなものから「勝てるフィールド」を見つける方法

私が大学時代から6年間、熱中して活動していたのがアカペラ(一人1パートで、4〜6人程度でグループを組んで歌う)というジャンルでの音楽活動だった。
でも、実はもともとアカペラがやりたくてサークルに入ったわけではなかったし、ここまで熱中するとは自分でも思っていなかった。
簡単に言えば、大好きな音楽というフィールドで自分が最大限に活躍するために、戦略的な発想でこの道を選んだのだった。

まず私は中学生時代から歌を習っていて、歌が好きだった。できれば歌い手として活躍したいと漠然と思っていたけど、世の中にたくさんいる歌の上手い人たちにはどうやっても勝てないだろうな、というのは、10代のうちからぼんやりと感じていた。つまり、シンガーとしての自分の立ち位置は「そこそこ」だった。(ついでにいうと、ルックスを売りにできるともとうてい思えなかった。)

そんな凡人の私が、学生時代にアカペラで、全国で12組だけがオーディションで選ばれて歌えるような舞台に3度、選ばれて立つことができた。ライブハウスでは自分たちがメインアクトをつとめるライブをいくつも開催して、それなりにお客様に支持していただけるだけの実績をつくることができたのではないかと思っている。なぜ、それが実現できたのか。

「メインとしてはいまいち、コーラスならそこそこ」程度の歌唱力のかわりに、客観的にみて他の人より長けていた能力が、「絶対音感がある」「声量が大きい」「ピアノを習っていたので楽譜の読み書きができる」そして、「交友関係を築くのが得意(社交的)」ということ。これが、すべてアカペラで活動するのにあたって役立った。

音感、声量、楽譜は音楽に関わることだからまだ想像できると思うのだけど、本当に役立った能力は最後の「社交性」だと思う。どういうことかというと、あらゆる他大学のライブに片っ端から足を運び、これはと思う人をメンバーにスカウトしていったのだ。

そんなことを当時、大学のアカペラサークルに在籍しながらやっている人はわずかしかいなかった(多くの人は、自分のサークルで満足できるだけの仲間と組めていたからかもしれない。私のサークルは創部間も無く、メンバーを選ぼうにも人数も限られていたという事情があった)。前例が無くはなかったのでやってみよう、という感じ。
周りにいる魅力的なボーカリストをある意味「利用」して、プレイングマネージャーのようなことをしながらチームをプロデュースして、グループを組んだ。そうして自分の得意な戦略的思考で、当時の他のグループにない魅力のあるグループを作るにはどんなカラーを打ち出せばよいか?を必死で考えて、楽譜をかき、オーディションを受けたり、ライブを作っていったりした。

自分にメインボーカルをできるだけの歌唱力があったらきっとアカペラをやっていなくて、ひとりで歌を歌っていたと思う。他大学からメンバーを集めたために練習時間の確保など大変な面はあったけれど、目標の実現のためにこの発想と行動はやってみてよかったな、と、今振り返ってみても感じるし、この成功体験から学ぶことはたくさんあった。

そして、その後。
子供の頃、クラスで一番運動が苦手というキャラだった私が、どういうわけかプロのダンサーと呼ばれる立場にたつことになったのも、実はこの戦略的な発想が役立っているのかもしれない。この話はまた別の機会に。

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