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レポート#9 GROTE MENSEN / Belgium

今回は、ベルギーで観劇した作品についてのレポート。

GROTE MENSEN / compagnie barbarie, BRONKS (Belgium)

対象年齢:4歳以上
会場:BRONKS
作品時間:約60分
チケット料金:8€〜自分で選ぶシステム

4人の俳優によるホラーコメディー。
compagnie barbarieはブロンクスのレジデンスカンパニー(2023-2027)で、BRONKSより実践的、組織的、財政的なサポートを受けている。
もう1つ、Ballet Dommageというカンパニーもレジデンスカンパニーとして所属。

BRONKS


ロビーの様子

若い観客のための劇場。
作品の上演、子どものための作品を創作するカンパニーへの支援、ワークショップの開催など幅広い活動をしている。
特にワークショップはジャンル別に学年が細かく分かれていて、とても丁寧な取り組みだと感じた。


カフェの様子

カフェや劇場、ワークショップスペースなど多様なスペースを持っている。

観客の様子

親子連れの兄弟ケースが多かった。
あとは、おじいちゃんおばあちゃんと一緒のケースも多かった。

劇場はブラックボックス、対面で座る。
8割ほど埋まっていた。

私たちはどこまで「正しくあるべきか」。

この問題は、子どものための作品だけでなく全ての芸術作品に言えることだけれど。有名(と言ってよいのかわからないけれど)なトピックとしては、2019年のあいちトリエンナーレの一連が挙げられると思う。(知りたい方はぜひググってみてください。)
これは私自身が作品を創る時も頭を悩ませ続けていることで、特に社会的な善悪の判断や危険の判断がまだ曖昧な子どもたちを対象とした作品においてはより繊細に考える必要がある。
この作品では、ところどころ現実で子どもが真似をしたら死に繋がる表現があった。
例えば、電気のコードが水に垂れていて、その水に触って感電する…フリをするとか(感電して死ぬ演出の方がまだマシだと思った)。
例えば、本物の電動のこぎりを人に向けるとか(向けるだけではなかったのだけど、説明がややこしいので割愛する)。

私の隣に、おそらく5,6歳の男の子を連れた親子が座っていた。
彼はすごくヤジを飛ばしていて、見るからにやんちゃそう。
席を立ったり座ったりしながら、とても楽しそう。
だけど、作品が進むに連れて、お母さんの空気感がどんどん張り詰めていくのが手に取るようにわかった。
私は、コンセントにえんぴつの芯を差し込んで発火させた同級生の弟や、走ってくる車に「勝負だ!」と挑む弟の同級生、中学時代に校舎の3階の外側によじ登っていた同級生などが頭の中に次々と浮かんで、全く集中できなかった。
思わず客席を見渡したけど、祖父母世代は楽しく笑ってみていたが、親世代はあまり笑っていなかったように感じた。

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