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鹿を解体して、オクラの種まきをしました。


2月の中旬くらいからお仕事が減り、3月はごはん提供のお仕事はなくなり、レストランでのお仕事もなくなり、4月は農家さんのお手伝いや近所のお手伝いをしています。


2ヶ月くらい、それまで普通にしていた「仕事のある暮らし」はただの「暮らし」になりました。

仕事がなくても毎日は進んでいく。この2ヶ月間でよかったな、と思うことは、「毎日美味しいご飯が楽しく食べることができること」医療関係医者やインフラのお仕事を命がけでしている人に言ったら、甘ったれるな、なんて怒られそうですが、仕事がなく収入が2ヶ月間ほぼなくなっても「毎日美味しいご飯が食べられる」ことがありがたく、とても幸せな気持ちになります。

私にとって「ごはんを通して誰かの幸せに役に立つこと」はすごく幸せを感じることなのです。いつものレストランでのお仕事も、ごはん作りのお仕事も本当に好きなお仕事。2ヶ月間、その大好きなお仕事ができない状況になって、やっぱり寂しいし、すごく物足りない。

本当に役立たない自分にイライラしていました。だけどイライラしていてもしょうがない!と思って、まずは自分の毎日の食生活をより楽しくしてみたの。そしたらめっちゃ楽しい!笑 

いつもと違うレシピに挑戦してみたり、時間をかけて丁寧に作ってみたり。いろんな発見があって毎日の料理がより楽しくなっているのです。


今日は鹿を解体しました。

本当は仕事の予定があったのだけど、全国に緊急事態宣言が出て、キャンセルになりました。キャンセルになってよかった。時間ができて鹿を解体できたのだから。

ももちゃんが仕掛けた罠にメスの鹿ちゃんがかかっていました。解体を見たことは何度かあったけど、自分の手で解体するのは始めて。すごくドキドキした。罠にかかった時に逃げようと、暴れた傷があったり、目を閉じる前に息途絶えてしまって目がキラキラしていたり、お腹にはまだ形のわからないくらいだけどしっかり、と赤ちゃんがいました。

動物が命を終え、私たちの食べ物になっていく、その現場をなんども見させてもらっていて、その度に「ありがたいな」とか「食物連鎖の中に人間が入り込んでいるのかなぁ」なんということを考えたりしてけれど、自分でそれをしてみるのは違った。

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「ありがたい」という言葉じゃ足りないというか、違うというか、、、。

なんか、頑張ろ!ちゃんと生きよう!!って思った。

コロナで仕事ができなくて寂しいとか収入なくて辛いとか、毎日のほほん、とか自分のちっぽけな感情はとりあえずもういいや!うるせぇ!!!って思った。

まほごはんを食べたい、という人がいるのだから作りたい。

というシンプルな気持ち。自炊が大変な人にごはんを届けたい!とかできることをしたい!とかは後からついてきたもの。自分だけでごはん作って満足して、なんてことじゃ私は全然物足りない!みんなで美味しいごはんを食べることが好きなの!!!!

どうにか方法を見つけてごはんを届ける仕組みを考え中で、来週くらいにはお届けができるかもしれない。今はその準備を全力で頑張るのだ。

鹿を解体した後、オクラの種を蒔いた。

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癒された。笑

ちっさな種からオクラができるなんて不思議。お野菜ができるまで、農家さんのお話を聞いたことはあるけれど、一から(種は買ったから厳密には1からではないけれど)作るのは初めて。野菜も話に聞くのと育てるのでは全然違うはず。楽しみ。だから今年は「自分でやってみること」の時間なんだ、と思ってそんな時間が作れたからコロナちゃんあざす〜〜〜と思って今夜も美味しいごはんを作ろうと思います!

解体が終わったら精肉。これもとても時間のかかるお仕事。動物が「お肉」として私たちの食卓に並ぶまでにはとても多くの労力がかけられているのだ、と改めてありがたいと思いました。

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初めて鹿ちゃんを解体した夜ご飯は、いつも以上に優しい、お野菜だけの菜食でした。

おわり。


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