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マシーナリーとも子EX

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2021年5月の記事一覧

マシーナリーとも子EX 〜山に響く銃声篇〜

マシーナリーとも子EX 〜山に響く銃声篇〜

「ぐおおおーーーつ!!!」

 山中にワニツバメの叫び声が響いた。腕から巨大なワニを生やした少女がくるくると回転しながら着地する。その息はぜいぜいと荒い。腕から伸びるワニも同様に憔悴しきっているようだ。その姿を見て轟音とともに歩み出てくる者がある。腕から2基のチェーンソーユニットを生やしたシンギュラリティ最強のサイボーグ、ネットリテラシーたか子だ!」

「うむ……午前中はここまで」
「はぁぁ〜〜〜

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マシーナリーとも子EX 〜イタコとの死闘篇〜

マシーナリーとも子EX 〜イタコとの死闘篇〜

(グガッ……!)

 再度象のような衝撃がトルーを襲う! 敵の動きは想像以上に素早い! なによりも普段から相手の思考を読むことで生活をしているトルーにとって、読心が封じられているというのはかなりキツい状況であった。

「ハハ! どうしたい! そんなもんかい!?」

 掌底でトルーを吹き飛ばした敵……日本最強の超人兵士、イタコの霊障(たまあたり)京子が高い笑い声を放つ! トルーは口の中に溜まった血を

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マシーナリーとも子EX 〜恐山の超人兵士篇〜

マシーナリーとも子EX 〜恐山の超人兵士篇〜

 トルーの父はバイコヌール宇宙基地に勤めるロケット技術者だった。彼は仕事が忙しくなかなか会うことができなかったが、たまに家にいる日は熱らしく人類が抱く宇宙への夢、それを叶えるためのロケット技術の素晴らしさを熱っぽく語ったものだった。幼い頃より聴覚が異常に発達し、世の中の音すべてを忌み嫌っていたトルーだったが、父親の話を聞くことは好きだった。
 父親はよくトルーに言い聞かせた。宇宙に向かおうとする生

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マシーナリーとも子EX 〜雪原の暗殺者篇〜

マシーナリーとも子EX 〜雪原の暗殺者篇〜

 とても静かな雪原だった。
 上司に言われやってきたその土地はウラジオストクから電車を乗り継ぎ3時間、さらにそこからバスを利用し1時間、バスを降りて30分ほど歩いてようやく辿り着いた。
 駅で買ってきたウォートカは寒さをしのぐためにどんどんその容量を減らし、つい今しがた最後の一滴がセイフーノフの舌を濡らした。その頼りなさに舌打ちしたそのとき、ようやく目的地の小屋が見えてきた。

(まるで『レプカ』

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マシーナリーとも子EX 〜促す再起篇〜

マシーナリーとも子EX 〜促す再起篇〜

「9時35分、9時35分ね……。ピッタリ到着だ」

 池袋から10分ほど歩いた高速道路沿いの大通り、そのバス亭に立つ者がいた。青みのあるブロンドをツーサイドアップにまとめ、アンダーリムのメガネをかける女性……。彼女の背中からは大砲とオカモチのような物体をぶら下がり、前腕には巨大なマニ車が回っていた。読者の方々はここまで列挙すれば彼女が何者かもうおわかりであろう。シンギュラリティのサイボーグ、マシー

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