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マシーナリーとも子ALPHA

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バーチャルYouTuberマシーナリーとも子のサイドストーリー『マシーナリーとも子ALPHA』連載中
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マシーナリーとも子ALPHA ~朝食の技篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~朝食の技篇~

 朝の定食屋……。いっけんごく普通の光景である。だが耳を澄ませていただきたい。なにか聞こえないだろうか? あなたは店の奥へ奥へと歩みを進めていく……。するとだんだんと聞こえてくる異音! まるでモーターのような轟音! あまりにも朝の定食屋には不釣り合いな大きな音だ! これは一体!? 
 あなたは店の最奥へと歩いていく……。そこには異様な風貌の3人の客がいる! いや、正しくは人ではない。ロボだ! シン

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マシーナリーとも子ALPHA ~揚げる徳~

マシーナリーとも子ALPHA ~揚げる徳~

「……じゃあ出すぞ?」
「お願いします」
 マシーナリーとも子がフンと力を込める。すると腕のマニ車の天面に設けられた4つの丸い凹み(彼女の場合はここにコーデックスが収められている)からウニョーと半透明のものがところてんのように出てくる! 
 ところてんのようなものが伸びる先にはアークドライブ田辺が用意した、ボウルに入った氷水が置かれている。氷水に入ったところてん状のものはやおらに色が濃くなり、硬く

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マシーナリーとも子ALPHA ~破滅の談話室~

マシーナリーとも子ALPHA ~破滅の談話室~

「お楽しみのところすみません。シンギュラリティのサイボーグの方だとお見受けしますが……」
「あぁ~~?」

 ワニ人類のためにシンギュラリティと人類の関係をホッピーに例えて教えてやってたら、ゴツゴツしたタコみたいなやつに話しかけられた。なんだこいつは? オレンジ色でうねうねしている……。宇宙人か?

「ワニ、知り合いかよ?」
「いや、シンギュラリティって言ってんでしょうが。用があるのはアンタでしょ

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マシーナリーとも子ALPHA ~魔境の談話室~

マシーナリーとも子ALPHA ~魔境の談話室~

「……わかりませんね」

 通信機のフタを閉めながらタイムリリース原田はため息をついた。こいつはシンギュラリティに12ロボいるタイムマシン技師で、これまでも何度も通信機やタイムマシンの具合を見てくれていた。半年ほど前にも私がうっかりタイムマシンの時間調節バルブをへし折ってしまった時、たか子さんに内緒で直してくれる気が効いて腕の立つヤツだった。そいつが、通信機を直せないと抜かす。

「なにぃ〜〜? 

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マシーナリーとも子ALPHA ~愛顧のカブトムシ~

マシーナリーとも子ALPHA ~愛顧のカブトムシ~

「マシーナリーとも子、虫捕りに行きますよ。支度をしなさい」
「はあ?」

 マシーナリーハウスのドアチャイムが鳴ったので開けると、麦わら帽子に虫捕り網に虫取り籠のフル装備をした上司がそこにいた。

「事情はこれから説明します。が、あなたはどちらにしろ虫捕りに行かなければなりません。上がってもいいかしら?」
「はあ……まあ……いいけど」
「ありがとう」

 夏休みのガキみたいな格好のネットリテラシー

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マシーナリーとも子ALPHA  ~猫と住む少女~

マシーナリーとも子ALPHA  ~猫と住む少女~

 その日、私の街から大量の猫が消えた。
 猫とともにあの女の子も消えた。

***

 私がつぶれかけの靴を見つめながら学校からの帰り道を歩いていると、小さななにかが通り過ぎた。
 最初は虫かと思ったけど、遅れて鼻の奥に酢飯の香りがしたので思わず振り返った。
 空中に浮いていたのは寿司だった。
 それも酢飯に乗っていたのは魚の切り身じゃなくてハンバーグだった。

「ハンバーグ!?」

 私は流石に

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マシーナリーとも子ALPHA 〜研ぎ澄ます刃〜

マシーナリーとも子ALPHA 〜研ぎ澄ます刃〜

 2045年の茨城県は、人類による愚行の繰り返しとシンギュラリティの侵攻によって文明レベルが江戸時代の水準まで後退していた。
アスファルトによって舗装された道路は砕かれ、電気と水道は通っておらず、中継局も壊滅したため電波によるネットワークすら通らない。
人類から見放された地、茨城県に残っているのは松の木やアンコウ、納豆と、文明を手放した世捨て人のような者たちが少し、あとはカマドウマくらいであった。

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マシーナリーとも子ALPHA ~涙の鰐篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~涙の鰐篇~

 鎖鎌は顔面から地面に激突し、ようやく立ち上がったところだった。だがすぐに、親友がワニに呑み込まれる様を見て今度は尻餅をついてしまった。

「錫杖ちゃん……?」

 なにが起こったのか、目で見たのによく理解できていない。ワニにはマントラが刻まれ、ワニツバメは力を手にしていた。
 しばらくぼんやりとその様子を眺めていた鎖鎌の意識は、友が奪われたという点に焦点を合わせて突如覚醒した。

「お前ッッッッ

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マシーナリーとも子ALPHA 刻む真言篇

マシーナリーとも子ALPHA 刻む真言篇

 腕からワニを生やした女が降ってきた。いままでいろいろ変な奴を見てきたが、こんなのは初めてだ。エアバースト吉村は呆気にとられて2秒ほど固まってしまったが、ようやく気を取り直して尋ねた。

「あ、アンタが切り裂きジャック……?」
「だから! その名前で呼ばないでくださいよ! それはあんた達シンギュラリティが勝手につけた通称でしょうが。私はワニツバメ……バイオサイボーグのワニツバメです」

 ワニ

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マシーナリーとも子ALPHA ~高田馬場の切り裂き魔篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~高田馬場の切り裂き魔篇~

 クラッシュトリガー生天目は緊張から思わず舌を舐めた。学生向けローンが詰まった貸しビルの6Fと7Fにシンギュラリティ高田馬場支部はあった。
その6F。フロア丸ごとを使ったレクリエーションルームに、仲間たちサイボーグの残骸が広がっていた。
 ……まさかトリミングはずきがやられるなんて!  トリミングはずきは高田馬場支部のリーダーである本徳サイボーグで、両腕に取り付けられた4枚ずつのローターブレードに

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マシーナリーとも子ALPHA ~倫敦の切り裂き魔篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~倫敦の切り裂き魔篇~

 その日の池袋は、粘ついたようなスッキリしない雨がポタポタと降っていた。雨は嫌いだ。濡れること自体は防げてもバウムクーヘンが湿気てしまうから……。
 池袋駅から出たダークフォース前澤は懐からデッシュを取り出して起動すると会社への道を急いだ。デッシュとは使用した者の頭部を追尾し続けながら飛行する皿形のドローンである。2040年にようやく実用化されたハンズフリーの雨具で、頭上で雨を受け止め続けながら蒸

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マシーナリーとも子ALPHA ~鳴るトンカツ篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~鳴るトンカツ篇~

「これは……?」
「パン粉だ」
 田辺は袋を覗き見る。ロボットアームでパン粉を掴み取ると、いつも店で使っているものよりふわふわしているように感じられた。
「このパン粉は……?」
「そうさな、口で言うより舌で味わってもらおうか」
 そう言うとセイカイは田辺とトルーを手招きし、奥のキッチンへと入っていった。大きな業務用の冷蔵庫のなかからバットを取り出す。中には小判形の物体が規則正しく並べられていた。

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マシーナリーとも子ALPHA ~揺らぐトンカツ篇~

マシーナリーとも子ALPHA ~揺らぐトンカツ篇~

 2017年、池袋西口。
 とあるテナントに黒塗りのトラックが数台停まり、荷物を降ろしていた。降ろされるのは業務用コンロやフライヤー、木製のカウンター、大型の冷蔵庫など。どうやら新たに飲食店ができるようだ。
 それを腕を組んで見守る女性がいた。その左腕はプリント基板が取り付けられたビームライフルであり、背中には銀色に輝く飛行ユニットが取り付けられている……。シンギュラリティのサイボーグ、アークドラ

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マシーナリーとも子ALPHA 〜流転する鰐〜

マシーナリーとも子ALPHA 〜流転する鰐〜

 ベニ・スーフはカイロから150km離れた、ナイル川のすぐそばにある都市だ。紡績や精糖が盛んな地域で、ファイユームにも近く、ここ数十年は非人類からの侵略も受けていない平和な都市である。
 ナイル川沿いの喫茶店のテラスにその女性はいた。エジプトに降り注ぐ太陽光線をすべて吸収するような漆黒のポンチョに身を包み、その口はホチキスで閉じられていた。
(暑いですねぇ……)
 その異様な姿の女性、人類至上主義

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