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私の出会った先達の人生訓

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新聞社で定年を迎えたこともあって、夢を追い、共に生きる社会を願い、先達との邂逅に恵まれた。人生をより豊かにしてくれた先達との出会いを伝えよう。
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私の出会った先達の人生訓 はじめます

私の出会った先達の人生訓 はじめます

 新型コロナ禍による世界の死者は、2021年6月現在380万人を超え、なお増え続けている。終戦の前の年に生まれた筆者は「戦争」を知らないが、まるで目に見えない敵との「戦争」のように思う。「人生80年」、それ以上の超高齢化社会の日本ゆえ、重症化や死亡率が高く予期せぬ難事となっている。昭和、平成、令和と生きてきたが、これほど命の儚さと、日常の大切さを思い知ったことはない。これまでの生とこれからの生を思

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文化財保存に貢献、日本画家の平山郁夫さん 〜平和を求め、仏の道を描いた平山芸術の足跡を追悼

文化財保存に貢献、日本画家の平山郁夫さん 〜平和を求め、仏の道を描いた平山芸術の足跡を追悼

 日本画壇の重鎮であった平山郁夫画伯が2009年12月2日に逝去され、2021年13回忌を迎えた。生前は画家として《仏教伝来》や一連のシルクロードを描いた数々の名作を遺しただけでなく、ユネスコ親善大使、文化財保護・芸術研究助成財団理事長、東京藝術大学学長など、さまざまな立場での業績をはじめ、国際的な文化財保存や平和活動でも貢献された。1998年に文化勲章、2001年にマグサイサイ賞など国内外から数

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アフガニスタン往還半世紀の前田耕作さん
バーミヤン遺跡調査など文化財保存活動を続ける

アフガニスタン往還半世紀の前田耕作さん バーミヤン遺跡調査など文化財保存活動を続ける



書斎でくつろぐ前田耕作先生(2008年、前田耕作さん提供)

 私が少年であったころ、日本は戦争のさなかにあった。戦争というものに終りのあることを初めて知ったのは、1945年8月15日であった。それからも世界にはいくたびも戦争が起こった。燃えては消え、消えては燃え、いまなお戦火はおさまっていないのが、わが愛するアフガニスタンである。

 この文章は、和光大学名誉教授の前田耕作さんが『アフガニス

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