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私の出会った先達の人生訓

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新聞社で定年を迎えたこともあって、夢を追い、共に生きる社会を願い、先達との邂逅に恵まれた。人生をより豊かにしてくれた先達との出会いを伝えよう。
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2021年6月の記事一覧

私の出会った先達の人生訓 はじめます

私の出会った先達の人生訓 はじめます

 新型コロナ禍による世界の死者は、2021年6月現在380万人を超え、なお増え続けている。終戦の前の年に生まれた筆者は「戦争」を知らないが、まるで目に見えない敵との「戦争」のように思う。「人生80年」、それ以上の超高齢化社会の日本ゆえ、重症化や死亡率が高く予期せぬ難事となっている。昭和、平成、令和と生きてきたが、これほど命の儚さと、日常の大切さを思い知ったことはない。これまでの生とこれからの生を思

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『万葉集』研究第一人者の中西進さん
「令和」を考案、未来志向の大学者

『万葉集』研究第一人者の中西進さん 「令和」を考案、未来志向の大学者

■文化勲章受章、学長や館長など次々歴任
 この連載の最初に取り上げるのは、新元号「令和」を考案した『万葉集』研究の第一人者の中西進さんだ。万葉集巻五の序文に「初春の令月にして、気淑(よ)く風和らぎ」が典拠となったとされる。中西さんは「令は秩序を持った美しさを意味し、和は聖徳太子の掲げた精神で平和な世を表現しています」と話されている。

1990年代の中西進先生

 中西さんは東京出身で1929年に

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