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新年度が始まって、嬉しかったこと

ヨルダンでは、9月から学年が代わり、新年度がスタートした。

私が活動している難民キャンプ内女性プログラムセンター併設の幼稚園でも、8月最終週から先生たちが出勤して、園児に配布する教科書をまとめたり、教室を風船などで飾りつけていた。

KG2(5歳児)の教科書

それと同時に、新しく園に通わせたい母親たちが子どもを連れて、毎日のように、幼稚園に来ては、登録を行なっていた。
不安そうな顔をしていたり、挨拶をしても少し恥ずかしそうな表情の子どもたちの顔が印象的だった。


1日目

9月4日(日)は、子どもたち登園初日。

よりによってこの日だけ、毎朝同じ時間に出発するバスが出発せず、初めて見かける代理の運転手が勤務していたため、20分遅刻してしまった。

焦りながら幼稚園についてびっくり。
入り口には子どもの様子が気になってなかなか帰らない母たちで溢れかえっていて、独特な熱気に包まれていたし、園内には泣いている子どもたちが何人もいて、なかなか「カオス」な状況だった。

そりゃそうか〜
初めてお母さんと離れて新しいコミュニティーに放り出されたわけだから、そりゃ不安になるよなぁ、と思った。
日本でも登園初日の幼稚園はこんな感じなのかな。

この日は教室にはほとんど入らず、教室前の人工芝の広場でちょっとだけ朝礼をした後は、朝ご飯のおやつを食べていたり、自由に遊んでいたり、顔にフェイスペイントを描いてあげたり、写真撮影したり、、、で時間が過ぎていった。

朝礼の様子

4歳児クラス(KG1)が2つ、5歳児クラス(KG2)も2つ。
幼稚園は、義務教育ではないので、4歳の時から通っている子どももいる一方、5歳から初めて幼稚園に来ている子どももいる。

4歳の時から通っている子どもたちが、私の姿を見かけて「マハ〜!!」と言いながら駆け寄ってきて、ハグをしてくれた。可愛い。
泣いている子たちもたくさんいる中で、この子たちはポーカーフェイスで大人しく座っていたりして、偉かった。
やはり、幼稚園に通っている意味って大きいんだろうと思った。

帰りの時間になって、走りながらお母さんのもとに駆け寄ってハグをする子ども。
お母さんはそんな息子、娘を抱えて、「頑張ったね〜」と褒めながら、ほっぺにキスをしていた。その光景が微笑ましかった。

子どもたちが帰った後、KG2の担任の先生2人が、裏返した子どもたちの名簿を順番にめくっていく方法で、クラス分けを行なっていた。

この運任せなクラス分けの方法にも驚いたし、先週あんなに時間があったのに、初日が終わってようやくクラス分け作業をやっていることにも驚いた。
おそらく、登園初日に登録に来る親子もいるから、このタイミングでのクラス分けになったんだろうな、と想像できるくらいには、私は現地のことを少し理解できるようになっていると思った(笑)

子どもたちとの距離感が近く、途中から鼻水が止まらなかった。
そんな感じで1日目が終了。


2日目

「昨日あんなに泣いていた子が、今日は泣いていない!」
たった1日での子どもの成長ぶり、周囲の環境への適応能力に感心した。

泣いている子は、たった数人。
朝からちゃんと朝礼を行うことができた。

その後、全体で競争のアクティビティをしていた。

ひっくり返った3つの椅子を直していき、最後の椅子に先に座った方が勝ち。

昨年度はこういうアクティビティを先生たちが協力して行っているのをあまり見かけなかったので、すごく嬉しかった。

今日は、それぞれの担任の先生が子どもたちの名前を呼びながら、子どもたちを各教室に入れていた。

クラスによっては、先生が子どもたちの名前を書いた名札を用意していた。
子どもが嬉しそうに首から名札をぶら下げていた。

また、1つのKG2のクラスでは、子どもたちを円の形に座らせ、先生が中心に座って、子どもたちの方向へボールを転がしていく。
ボールを受け取った子どもは、自分の名前を言う、、、と言う自己紹介アイスブレイクを行なっていて、すごく良いなと思った。

今これを書きながら気がついたけど、私がこうやって良いなと思ったことを、先生たちに伝えていなかったな。
ちゃんと思ったことは、積極的に伝えていかないと。


3日目

毎日のように変化して少しずつ成長していく子どもたち。

今日はさらに少し慣れた様子で、子どもたちはいろんな表情を見せてくれた。

今日も、全体で、昨日とは別の競争のアクティビティをしていた。
3人ずつ子どもが一列に椅子に座った状態で、ボールを後ろに手渡していき、どちらのチームがたくさんボールを動かすことができるか、というチーム戦。

昨日は、個人競技だったのが、今日は団体競技になっていたことで、少しでも子どもたち同士の関わりを増やすことができていたのが、とても良いと思った。

でも、昨日も今日も、同じ先生からのアイデア。
先生によるところが大きいと思う。
この先生がいるクラスは、昨年度からもさまざまなアクティビティが行われていたし、他のクラスでは座学が多かったことを思い出した。


嬉しかったこと

それから今日は、新しい先生が2人いた。
この時期なので、最初は先生だと思わず、子どもの保護者かと思っていた。

後からセンターのスタッフから聞いたところ、新しい2人の先生は、今日はトライアルだったそう。
そのスタッフ、普段はセンターに勤務しているのに、今日は幼稚園での滞在時間が長いなぁと思っていたら、今日はそのトライアルの先生たちが、どのように子どもたちと関わっているのかをこっそりチェックするために、幼稚園に来ていたと話していた。

どうやら、2人とも採用するわけではなく、どちらか1人だけを採用するらしい。
そのためのチェックポイントとして彼女が話していたのは、
「もちろん子どもたちに教えるための知識や技術も大切だけど、一番大切にしているのは、子どもたちへの関わり方。常に叱ったり命令口調で子どもたちと関わるような先生だったらダメ。ちゃんと子どもたちのことが好きかどうかを見ていた。」

私も彼女のその意見には賛成だったし、それが聞けてすごく嬉しかった。
と言うのも、ヨルダンでは、いわゆる「コネ」で採用されることがよくあるから。

そういえば、普段から先生たちと、教育への価値観について話したことがなかったなぁと思う。
ちゃんと一人一人の先生に話を聞いてみたいと思った。



こんな感じで、バタバタしながら新学年がスタートした。

昨年は、年度の途中から子どもたちと関わるようになったけど、今回新しく出会った子どもたちは、今後1年間、ずっと見ていくことになる。

私はこの子たちに、何をしてあげられるかな。

子どもたちがこれからどういう風に成長していくのかを、真近で見ていけることがとても楽しみだし、そんな子どもたちに少しでもいろんな体験をしてもらいたいと思っている。

だからこそ、私の少なすぎる幼児教育の引き出しを少しでも増やしていきたいし、英語の授業も楽しんでもらいたいな、と思っている。
ちょっと気合いが入った。




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