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渡部有希
2020年10月20日 08:30
久しぶりの投稿になります。今回は、寒くなってきたら無性に読みたくなった、こちらの本を紹介します。せきしろ『バスは北を進む』幻冬舎文庫(2019)昔から錆び付いたものや古びたものが好きでした。公営団地の錆びた螺旋階段や、雨で色が落ちた軒先用テントや、洗ったら逆に汚くなりそうなコインランドリーが好きでした。あたりまえにある、誰かの生活を支えてきた、なんでも無いものたち。それらを、
2020年10月4日 15:13
今回は私が敬愛する中村文則さんの作品を紹介します。本を手にとって読んで欲しいので、ネタバレをしたい気持ちを抑えて書きます。中村文則『銃』河出文庫(2012)この作品は、又吉直樹さんが色々な本を紹介しているエッセイで初めて目にしました。その時は中村文則という作家の存在すら知りませんでしたが、後日、書店に行ったときに平積みされているこの本が目に飛び込んできました。表紙の『銃』という活字に