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書評

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記事一覧

生産性の罠(限りある時間の使い方/オリバー・バークマン)

人生は4000週間しかない。効率化ツールや時短家電で生産性を上げれば幸福度は上がるかというと…

Magricco
4日前
3

記憶の配当(DIE WITH ZERO/ビル・パーキンス)

人生でいちばん大切なのは、思い出をつくることだ。 だから自分が何をすれば幸せになるかを知…

Magricco
2週間前
4

自己愛の描写(ぼくにはこれしかなかった。/早坂大輔)

高卒で就職、営業マンとして朝から夜中まで死に物狂いで働き続け、会社でそれなりの地位を得た…

Magricco
2週間前
4

信じる(星の子/今村夏子)

※ネタバレあり※ 宗教2世の子どもを描いた小説。芦田愛菜主演の同タイトル映画を先に観て、…

Magricco
4週間前
3

普通じゃないけど(普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法/安…

タイトルのまま、50歳で東大に合格し、本当に入学した主婦の勉強ノウハウが書かれた本。受験に…

Magricco
1か月前
7

戦争の行方(半導体戦争/クリス・ミラー)

私は投資歴10年を迎えるが、ここ数年最もホットな半導体という分野についてあまりにも知らな…

Magricco
1か月前
2

私の不幸は私が決める(慣れろ、おちょくれ、踏み外せ/森山至貴×能町みね子)

クィア・スタディーズの専門家・教授であり自身もゲイである森山氏と、以前ここに書いた『結婚の奴』の著者であり、トランス女性である能町氏の「性と身体をめぐるクィアな対話」をまとめた作品。 ※クィアという言葉は、日本語でいうオカマ・変態に近い侮蔑語である。ただ、本来は侮蔑的に使われていた「変態」が、自虐的に使われることでメジャーになっていったように、ネガティブなニュアンスが取れた状態でじわじわと浸透しつつある。 ・朝井リョウ『正欲』との比較 私はフィクションである『正欲』と、

許しがたいオチ(5A73/詠坂雄二 )

※ネタバレ含みます※ 5人の連続した自殺には、ある共通点があった。 それは遺体のどこかに…

Magricco
2か月前

抽象化と転用(メモの魔力/前田裕二)

2019年最も売れたビジネス書らしい。 SHOWROOMの前田社長、そうえいば最近見ないな。SHOWR…

Magricco
2か月前
15

言語の人格(語学の天才まで1億光年/高野秀行)

早稲田大学探検部出身の作家が、25の言語を学ぶに至る過程を記したノンフィクション。著者は…

Magricco
3か月前
22

ストーリーテラーを信じるな(ストーリーが世界を滅ぼす/ジョナサン・ゴットシャル)

ストーリーテリング(物語化)のおかげで、文明は発達した。物語には人の思考と行動を大い変え…

Magricco
3か月前
4

雑誌のポテンシャル(「若者の読書離れ」というウソ/飯田一史)

子どもの「読書離れ」は、実は過去の話である。 本離れが進んだのは1980年〜90年代のこ…

Magricco
4か月前
3

早押しという競技(君のクイズ/小川哲)

※ネタバレあり※ 優勝賞金1千万円、早押しクイズ界のM-1的な番組「第1回Q-1グランプリ」に…

Magricco
4か月前
3

地頭のいい人(地頭力を鍛える/細谷功)

ネットで検索すれば一瞬で答えが引き出せるようになって久しい昨今、「考える力」が低下している。ネット検索中毒から脱するべく、自らを羽交い絞めしてでも検索をやめて、立ち止まって考える癖をつけなければならない。この考える力を「地頭力」と定義したとき、地頭力強化のための便利なツールが「フェルミ推定」だ。 ※ちなみに地頭の良い人にも、記憶力のいい人(物知り)、コミュ力が高く立ち回りの上手い人(芸人)など種類があるが、ここでは問題解決のためのWhyを考えられる人(数学者や棋士)タイプを指