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【民間薬を考えてみる】

毎日暑い日が続きますね。

冷房の室内が快適ですが、
知り合いの整体の先生曰く
3Hに1度は外に出て体を熱気に充てると汗腺が刺激され、体の自律神経も整うそうですよ。
1日中オフィスワークの方は、ストレッチをしに3H毎に外にでてもいいですね。

最近思う所があり「レジリエンス」の勉強をしています。
レジリエンスとは「失敗を成長の糧にして成功に導く力」のこと、
逆境や困難に対してのたくましさとして、各方面から注目を集めています。

子供への対応のため学んでいたのですが、自分にもとっても勉強になる!
失敗への恐怖が少しずつ手放せるのでおススメです。

さて、民間療法も一種のレジリエンスではないか?
と思っているので、今回はそちらのお話しです。

日本の風習や生活の知恵には、根拠のあるものが多く、へぇ~を連発、
無性に人に話したくなるのですよね笑

その1つ
日本ではお茶で良く飲まれている「はと麦」は
生薬(漢方薬の構成要素)では「薏苡仁(よくいにん)」と言って
体の中の余分な水分や痰飲(水分が濁り病気の原因になるもの)
を排出してくれる「利水薬」としてだけではなく
こわばった筋を和らげたり疼痛の麻痺にも効果がある「強壮剤」の役目もあります。

そんなはと麦、
江戸時代に養生生活を提言した「貝原益軒(かいばらえっけん)」が
「いぼ取りの民間薬」として世の中に広めました。
レシピは
はと麦(種子を使います)15~30gを1日分として煎じてお茶のように飲むだけ。
はと麦の容量に注意して、土鍋で煎じれば現代でも直ぐに作れる簡単レシピです。

いぼ取だけではなく、高血圧にも効果があるそうですので麦茶の代わりに飲むのも一興ですね。

では2つめ、
一昔前のご家庭では、お腹が痛い時「百薬草」「陀羅尼錠」などのいかにも苦そうな、黒い丸薬が常備薬として置いてありました、
確かに苦~くて、舌の上に乗せると飛びあがってしまいそうですが笑
スイカやアイスの食べ過ぎの時など、よく飲まされたのを覚えています。

そんな陀羅尼錠には「木肌(きはだ)」という
ミカン科の落葉樹の樹皮(名前の通り黄色いのです!)が使われていますが、こちら、生薬では「黄柏(おうばく)」といって、
体の中に熱がこもってしまい、その影響での下痢、膀胱炎、排尿障害、口内炎、皮膚化膿症にもちいられ、下腹部より下(下焦(げしょう))の熱の症状に効果があると言われています。

黄柏の黄色い色は、古来から染料に使われ
防虫効果があることから、着物を包む風呂敷などにも重宝されています。

民間療法のレシピは以下の通り。
黄柏5gを0.3リットルの水で煎じて飲むと急性胃炎に効果があると言われています。
また、黄柏の粉に卵白、酢を加えてペーストにして湿布をすると
打撲や腰痛の炎症に効果があると言われています。

その他にも、
因幡の白兎(いなばの白うさぎ)がサメに騙され
皮をはがれてしまった後、大国主命(おおくのみこと)が
可哀そうに思い「蒲の穂(がまのほ)」で治してあげたという
古事記の昔話は、どこかで聞いた記憶のある方もいらっしゃるはず。

その「蒲の穂(がまのほ)」は生薬では「蒲黄(ほおう)」と言い、
兎につかったように止血作用の他
利尿作用、膀胱炎にも効果があるとも言われています。

このように、漢方薬を構成する「生薬」が
日本古来からの民間薬として親しまれていると知ると
漢方薬もなんだか身近に感じられますよね。

民間薬は身近に手に入るもので、如何に日常の不調を改善していくかを
人々の智慧により、様々な知識と数々の経験(失敗)から改良されてきたもの。
自然の力を借りて、カラダの自然治癒力を促しているとも言えます。

今は痛みがあったら直ぐに薬を飲む、事が良しとされていますが、
発達した現代だからこそ、
自分のカラダの回復力、自然植物の力を信じて
自然治癒力を高めることも、時には必要なのかもしれません。


では、今日も良い1日をお過ごしください!


写真は蒲の穂です、この花粉を使用します

※カバー写真は生薬の「黄柏(おうばく)」です




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