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イライラの作り方~簡単レシピ~

うっとおしい梅雨を肴に
おいしい一杯🍺のためのマインドセットをご体験頂きます。

KNTテキスト『趣味の飲芸』~入梅の号~



Ch.1~みどりの窓口編~

いつもなら『おでかけnet』で切符を購入するのに
この日はまあいいかと横着をした。

当日、みどりの窓口へ行くと3組の先客がいた。

スーツ姿の男性一人、
軽装でバッグも小さめの女性一人、
そして旅の途中といった、
キャリーバッグを携えたシニアの女性二人連れ。

忙しい時間帯ではないせいか、
窓口は一つだけしか対応してなかったが
7~8分も待てば自分の順番は来るだろう、
そう踏んで列に並ぶ。

「いや、だからさー!」


スーツ姿の男性の声のボリュームが少し上がる。

博多へ向かうのに乗車券を追加で買うという
流れのようだが、
係員の説明に被せるように
男性はポケットから取り出したチケットを
何度も指さす。

やだな~、トラブル発生?

~心の声解説~       
ひと様の状況に聞き耳を立てる

何故か自分がどぎまぎしていると
「はい、〇〇ということでございますね?」
係員は男性に大きくうなずき返し
それは承知だ、織り込み済みだ、
ということを伝えている。

男性は腑に落ちてないようで
更にたたみかけて
自分の主張を繰り返す。

係員もさらに大きくふりかぶるように
深くうなづきながら、男性の繰り返す区間と
切符の内容を復唱する。

どうしても納得がいかない様子の男性。

係員さんの説明が合理的過ぎて
逆にわかりづらくて腑に落ちないんじゃないの?

プロって無駄な部分を省きたがるけど、
素人の私たちにしたら
その無駄と思われる部分から
理解の糸口をたぐり寄せたりするものよ?

どっちが悪いんだよ…

はい、ここで個人的感想入ります

二人のやりとりを聞きながら
思わずため息をつきそうになって
自分の感情が刺々していることに気付く。

私は何を判定しようとしてるんだろう?

我に返りそうな客観性は不要です

気を取り直して時間を見ると
5分経過している。

「あー!なるほど。
じゃ、これでいいんだね?」

男性の声色に光が差した。

おや?
齟齬解消?和解成立?
は~、やれやれ、遠回りしたわね。

いいですねえ、上から目線


男性は購入したチケットを
上着の内ポケットにしまいながら
きびすを返すと

「手間取ってしまって」

後ろで次の順番を待つ女性に
軽く会釈をして去って行った。

女性もマスク越しにもわかる笑顔で返した。

んま~! レディース&ジェントルマン♡

あらっ?緩めてはいけませんよ


あと二組。
一歩、進めて前へ出る。

「あのー、車いす対応をお願いしていた
〇〇なんですが…」

女性の声はマスクを通しても聞こえる滑舌の良さ。
手には障害者手帳らしきものが見える。

車椅子かあ…
こうやっていろいろ手筈について
あらかじめ相談したり出来るのねえ…
あらそう、東京駅行くんだ、
乗り換えもあるもんねえ
段取りよく、快適に行きたいわよね~…

仕切り直しの聞き耳ダンボ

「じゃあ、そこで係りの方が
待ってて下さるんですね?」

女性は乗り換え先の駅のホームの
状況や道のりなんかも確かめている。

窓口のお兄さんは
マスクを感じさせない通る声で
構内地図を示しながら細かく説明する。

ちょっと細川たかしっぽい?

注意力散漫だとこうなります

アナウンサーのような滑舌といい、
面倒臭さを微塵も感じさせない
ホスピタリティといい、
覆面調査員に見せたいくらいの出来。

「よくわかりました~!
じゃあ安心ねー!」

女性の安堵感いっぱいの声にこちらも和む。

「…で、お幾らかしら?」


え?
あ、ようやく切符購入なの?
段取りのプレゼンは前説だったんだ…

いいですね、小さな落胆が次の批判を生みます

「○○まではこれを使いたいんです」
と、バッグの中から何やら取り出して
紙切れを見せている。

ここまでで約5分経過。

まじか~…
やっぱり『お出かけネット』で買っとけばよかった…

自分の行動は棚に上げて置けばいいんですが
後悔はイライラと相性よいので◎     
           

また、トゲトゲチクチクし始める私。

私の半分はいつも後悔で出来ている。

誰も悪くない。
そう、悪くない。
誰も悪くない、誰も悪くない。

 🚫マインドリセットのマントラでしょうか? 
これはイライラの濃度を下げてしまいます 

宙に視線を泳がしながら
このまま瞑想に入れるくらい唱える。


「では、お世話かけます~
よろしくお願いします~!」


女性の明るい声が聞こえた。

はっ、済んだのね?

入滅即中断w


女性は次に待つ二人に軽く会釈をすると
ニコニコしながら出て行った。

さっきの人といい、この女性といい、
感じ良い人たちじゃないの~…

あら、まずい

トゲトゲの自分の煩悩が恥ずかしい。

自責は不要です


「大変お待ち頂きありがとうございます!」


マスク越しに滑舌響かせて
細川たかしは次に待つ二人の女性に声をかける。

何、このさわやかさ。
清涼飲料水みたい。

細川たかしじゃないからw

とはいえ、二組済んだところで
10数分経過。

最近はスーパーも空いている時間に
利用していて
混雑するような場所に来たのは
市役所とハローワークくらいだが、

そういうときは
最初から待つ態勢でいるせいか
「待った」という感覚がなかった。

どっちも座って待てるしね。
ああ、座りたい…

いいところに気が付きました

ぼーっと立ったまま10分いるって
こんなキツいことだったかと
ため息が出まくり。

自分のため息にまたイライラ。

私の前まで順番が来たのよ!
次は私、あと少し、次は私、あと少し、、

再び入滅の為のマントラw

「あ~、そうじゃないの、
あたくしは横浜だから。
ヨー、コー、ダイ、ね!」

キャリーバッグを携えたシニアの女性二人連れ。
かたわれの女性のいう「ヨーコーダイ」が
漢字変換できず、思わず聞き入る。

何の代金?
あぁ、「ヨーコー代」じゃなくて、
洋光台?地名か。

雑念だらけw

「あたくしは名古屋まで」
「そう、だからそこまでは一緒だから
同じ席でお願い。」

「あっ、精算も一緒よ?」
「あら?私は特急券だけでよくってよ?」
「そう隣の席でお願いしたいの!」

ガラスのシールドすれすれに
顔を近づけて二人は自分の言いたいまま、
思いつくまま口々に言葉を放つ。

年の頃は私の母と叔母くらいだろうか。

どこも似たようなもんなのねえ…

連想ゲーム始めちゃいました

母と叔母はいつも自分の喋りたいことを
一方的に言い合っている。

『会話=双方向』でなくて
自分たちはそれでいいらしいみたいだけど。

どっちか、まとめてゆってくれ!



見知らぬご婦人たちを脳内で叱り飛ばす。

気が付けば15分経過。

しかも、金額を提示されて始めて
モゾモゾとバッグの中の財布を探す

ああ、うちの母たちまんまだわ~…

お~♪イライラの追い風に
良い素材を選んでますね


・・・


ようやく来た
自分の番は2分少々で終わり。

・・・

何かもう出かける前からクタクタ。


果たして、
こんな日に飲むビールはうまいのだろうか?


検証はCMの後!


~~脳内CM流れ中~~



ってなことで、
今日ご紹介したレシピはコチラ

自分の行動は棚にあげる
自分の都合や枠に照らして人さまの行動をあげつらう
上から目線を忘れない
待たされているというネガティブ発想
「世の中は自分中心に廻ってる」と疑わない

ビールに合う「イライラの作り方」




そのイライラに
プレモルはうまいかね⁉





おいしけりゃ、それでよい。
では また。



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