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So Crushing on ・・・

素敵な、不意打ちだった。
暮れなずむなかを、運転中。
ごくさりげなく、地元FMからこの曲が流れた。

ゾクゾクが止まらない。
一気に、あの頃のことが、蘇ってくる。
視界に入って来た駐車場に、寄り道。車を停めた。
しばし、この高鳴りを楽しみたくなったから。

この曲がヒットチャートとなり、
UB40の"Can't Help Falling in Love"と交互に流れていた頃。
私は学生だった。

なぜか夜、この曲を耳にすることが多かったように覚えている。
期限を前に、一向に進まないレポート作成に、ジリジリしながら。
車一台に大勢満載。早朝から遠出して、翌朝の帰り道。
寮友へのサプライズケーキが、オーブンで焼けるのを待ちながら。
ちょっと気になる、素敵な男性の部屋で。(その他大勢と一緒で、だけど)
ランドリールームで、洗濯物がくるくる廻るのを見ながら。
寮のFire Alarmが真夜中に作動。建物の外、寮のみんなと星空の下で。

次々、色々なことが浮かんでくる。
当時のときめきや、煌きがあったことを思い出す。
そこに笑顔の自分がいたのだと、気づく。

その後。
一旦、家族の意向に添う形で、故郷には戻った。
社会人となり、母国に惚れ直した経験もした。
そして巡り合わせがあって、再びこの地にいる。

元々、この地に、私は”恋”した。
あれは、中学生の時だった。
この曲を耳にして、一気にキテしまったのだ。

当時は、米国出身のバンドが歌っているということ以外、
歌詞の意味など、一切わからなかった。
だだ圧倒されるばかりの、強いエネルギー、惹きを感じた。

生来、私は海外志向が強かった。
いつか海外に暮らそうと考えていたが、
出ていく先を定めていなかった。
両親は、やたらヨーロッパを薦めてきたが、
当の本人は、東・東南アジアが大好き。
とはいえ、移り住むことにピンとくるものが、その時はなかった。

でもこの時、「見えた」
アメリカ。それも、東海岸だ。

すぐ、地図帳を広げた。
歌詞の中に出てくる都市が、
どこに在るか知りたくなったからだ。
Tokyoはさておき、New York、Chicago、New Jersey。
Detroit 、Vancouver、 Philadelphia......

「・・・・・遠っ。」それが、第一印象。
でも、その距離に、ますます、そそられた。

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今日、改めて”Weak"を聴く。
”恋する貴方といると、魔法に包まれたように、
その愛に包まれて、”弱く”なってしまう私”
と、かつて、さらっと解釈していた歌詞。
あの時、私は鼻っ柱が強いばっかりだった。
そんな女々しく(!)なんないわよーだ、って。

でも今。・・・その解釈、それだけでないんじゃない?と気づく。
自分が弱いって、知っているほど、強いもん、無い。
それを赦し、さらけだしてしまう自分の状態を、
さらっと正直に相手に伝えられること。こんなに強いもん、無い。
”Weak"こそ、強みそのものだ。

恋したこの地に、私は”弱く”なれたこと、あったのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無い!
恋した男性に、私は”弱く”なれたこと、あったのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・しまった。これも、無い!
今気づいた。
これこそ、私の”Weak”なところ。

まずは、恋したこの地に、魔法かけられてみよう。
どんなことをしても、のほほんと、そばにいてみよう。
あーんなこと、こーんなこと。想像して、ドキドキしてみよう。
ストレートに、「そばにいてほしい」と伝えよう。
優しく包んでくれたなら、腰砕けでいいじゃない。
自分のプライドなんて木っ端。「独りは、イヤだ」と伝えよう。
無抵抗で、いってみよう。

・・・・・・・・・・・あ~あ。
ちょっと酔いが醒めたかのような心境で、車道に戻った。

今、気づけてよかった。
まだ死ぬまで、時間があるはずだもの。
とはいえ、恋を全うしたら、
あっさり、他(の地)に行きそうな予感もするけど。
でもたぶん、それでいい。
それくらいのゆるさ、柔軟さ、許容量が、
私には必要なのかもしれない。

この先、”恋する男性”に出逢えるとしたら。
今度は、魔法にかかってみよう。
手遅れでは、ないはず。
まだ死ぬまで、時間があるはずだもの。

おっ、青信号だ。


(追記)
なぜ、地元FMがSWVの曲ばかり流していたのだろうと思っていたら、
2日後に、近所で彼女達のライブが開催されるそうだ。
プロモーションだったのかな。そして、今日も流れている・・・。




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