神様に会いに行くぞ　その６

夫の運転で出雲へ行こうの件は確約されていないまま、わたしはすっかり富士山・山中湖に心を奪われていた。今年の2月くらいから山中湖に住む方々にご縁を頂き月に一回お仕事で山中湖湖畔のオシャレなお住まいのかたがたのおうちにご訪問させていただき、マウント富士・レイク山中に魅了されていた。

「こんな景色の中、暮らしがしたい！」

と、強く強く願うようになり神がかり的チカラほっすぃわの気持ちはすっかりどこかへ消えていた神様より、チカラより、わたしは窓を開けたらすぐそこに美しい景色が広がるこの土地で生活がしたい。神様お願いします。この景色の暮らしをわたしにください。そのためならいかようにも努力します。

神がかり的チカラに頼った。チケットは取れないけれど努力はできる。

なんでもコツコツなのだ。神がかり的チカラなんぞなくったってコツコツと日々を送るのだ。そんなコツコツと一つ一つのことをやり遂げるこの手に神は宿っているのをわたしは知っている。できることは身の丈にあっていることで、身の丈に合わない仕事も言葉も誰にも届かずなんの形も残さずに離散する。

八王子の家も残しながら、山中湖に小さくていいから自分だけの居場所が欲しい。自分と家族が景色を楽しみながら暮らせる家が欲しい。そんな夢を抱きながら、その日も山中湖での仕事を終え、湖畔にあるかわいいゲストハウスで疲れた体を休めていた。きれいな布団で一人眠りにつこうとしたその時。

夫からLINEが入った。

「車買ったよ。」

つづく