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建築の新たな規制法による生物多様性の促進

英国で2024年1月から実施される、生物多様性を促進することを目的とした建築の規制法(ネットゲイン規則)について、建築デザインサイトDezeenが紹介している。

生物多様性とは、植物、動物、昆虫、バクテリア、菌類など、ある地域や生態系に生息するすべての種を指す。そして生物多様性はきれいな水や空気、土壌の状態、受粉、その他の食料源や資源の確保に影響を与える。しかし世界の多くの地域で、汚染、気候変動、生息地の破壊など、人間活動によって引き起こされた現象の結果、生物多様性が急速に失われている。
「私たちは大量絶滅の時代に生きている。驚くほど多くの種が消え、地球の貧弱な生態系が、気候変動だけでなく、受粉や食料生産にも悪影響を及ぼしている」とアダム・アーキテクツのディレクター、ヒュー・ペター氏は述べている。

ネットゲイン規則は、この問題に対処することを目的としている。この建築の規則法は生物多様性の増加、つまり新たに建てられる建物は生物多様性にプラスの影響を与えることを義務付けている。具体的には、英国政府が作成した生物多様性指標を使い、10%を達しなければいけない。

「今後、建築家はエコロジストや生態学者と協力しながら、建物が生物多様性の要件を満たすか検討する必要がある。重要なことは、生物多様性の損失という問題を理解することだ」とヒュー・ペター氏は述べている。

この記事を読んで、養老孟司さんが『ものがわかるということ』の本の中で書かれていた、「木や草が生えていても、建物のない空間を見ると、都会の人は空地があると言うでしょう。人間が利用しない限り、それは空き地だという感覚です」という文章を思い出した。その通りだなと思った。その空間にいる植物や生き物には気にも留めない。家を建てる時には、今日の記事を思い出し、できる限り生物多様性に配慮した家について検討したい。
 
出典:Dezeen

#13 Conscious Contribution 意識的な貢献

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