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アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。

前回の記事では、ざっくりと「体力」とは何であろうか?という話をしています。

その中で、「健康に関わる体力」として、筋力・筋持久力、全身(心肺)持久力、柔軟性の主に3つを定義づけしました。

今回はその中から、「筋力」についてピックアップします。


筋力とは

筋力とは、筋が発揮する力の大きさのことを表します。

例えば10㎏の物体があるとして、それを持ち上げる必要がある時、大きな力を出せる筋を持っている方が、それを楽に取り扱う事が出来るので、筋力レベルは高い方が日常生活が楽に遅れると考えられます。

またスポーツの場面では、大きな力を出す局面が多いですから、当然筋力は高いに越したことはないということです。


健康の為に筋力が大切な理由

加齢とともに筋力は低下します。

特に40代を迎えるとそれは顕著に現れると言われています。

つまり、若いうちは筋力レベルは向上しやすいものの、加齢とともにそれは向上しにくく、むしろ低下する方向に動いていくということです。

これは、若いうちに筋力を高めておいた方が、歳を重ねて筋力が低下しても、若いうちから筋力レベルが低い人よりも筋力が高い状態を維持できる可能性が高いことを示唆しています。

「失ってから気付く」では遅いわけです。

だから、「筋トレ」をしましょうね、というのが運動指導者がエクササイズを推奨している根本的な理由とも言えるでしょう。


スポーツの場面では?

さて、一般的には筋肉は大きい方が(断面積が大きい方が)、筋力は高くなると言われています。

しかし、ここで冷静に考えなければいけないのは、筋が大きければ大きいほど、筋力が大きくなるのであれば、いかなるスポーツにおいても、ボディビルダーの様なムキムキマッチョであれば、天下を取れるのかと言えばそうではないということです。

また、重量挙げの選手が他のスポーツで天下を取るわけでもありませんね。

ボディビルというスポーツは、大きく美しく魅せる筋肉がある人が勝ちますし、重量挙げは純粋に合計挙上重量の高い人が勝ちます。

しかし、その他のスポーツで勝利する為には、他の要素も関わってきます。

ですから、筋力というベースとなる体力はとても大切ですが、筋力だけを鍛える、あるいは筋肥大だけを狙っていても、ダメなのです。

スピードや筋力発揮のタイミング、その他複合的な要素が絡み合ってきますので、「とりあえず筋トレ」という発想で指導してはいけないということです。


筋力を高めるなら速筋線維

一般人向けの運動指導に話を戻します。

一般人が筋力向上を狙うのであれば、ずばり速筋線維を刺激することが重要です。

速筋線維とは、遅筋線維よりも大きな力を発揮する筋ということが言えます。

転びそうになった時、咄嗟の判断で方向転換をする時、はたまた少々重たいものを持ち上げる時などは、速筋線維が優位に働くのですが、加齢とともに衰えていくのが、この速筋線維なのです

速筋線維を鍛える方法については、一般的に重たいものを持つことが重要とされますが、一般人の方が担げる重量は、アスリートのそれに比べれば知れています。

こういった場合に、どの様なプログラムが組めるだろうか?ということを考えるのが、運動指導者の腕の見せ所です。

専門書を読み解いていけば、色々な可能性を探ることが出来ますが、このメディアではそんな専門書を読む前段階の学びを提供することが目的で、この先の話は少々複雑になります。

とりあえず、「大きな筋を刺激するエクササイズを多く取り入れるのがよい」、という概略だけ覚えておいてください。


少しだけ具体的に……

大きな筋とは、主に、臀部、脚部、背部です。

この筋群の筋力が衰えると、姿勢が悪くなり、動きが悪くなり、転倒リスクが高まります。

皆がこぞって鍛えたがる、胸部、腕部、腹部だけではダメということが分かりますね。

これはスポーツをしている皆様なら容易に理解できるでしょう。

パフォーマンスを高める際により重要なのは、ケツ、アシ、セナカですよね。

ということは、アスリートとして培ってきたエクササイズテクニックは、一般人にも大いに役立つ可能性があるということです。

役立てるように、学びを進めていきましょう。



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