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【シュワーボ東京】レオザ監督インタビュー

 今回は【シュワーボ東京】の監督を務めるレオザさんにインタビューをさせていただきました!
【シュワーボ東京】様のご紹介や、パートナーシップ契約に関しては下記のnoteをご覧ください!

インタビュアーPROFILE

春原 涼太(はるはら りょうた)
東京都出身 1998年11月27日生まれ
慶應義塾大学 経済学部卒業後、
人材系のSaaS企業にてインサイドセールス/カスタマーサクセスを経て、株式会社Maenomeryにデュアルキャリア社員として入社
現在はマーケティング部/人事部の業務に携わり、週4~5回の練習や合宿/遠征などセパタクロー強化指定選手としての活動と両立している。


写真右 レオザさん
写真左 弊社春原

レオザ監督が考える”日本サッカー”


――――― まず初めに、、、
イビチャ・オシム氏のニックネームからチーム名を取るほど尊敬されているとのことですが、オシム監督の掲げた「日本サッカーを日本化する」ということに関して、ご意見をお聞かせいただきたいです。

レオザ監督:
 一緒くたにはできませんが、上を目指す人というのは、
才能があった上で、自分に矢印を向けて努力できる選手だと思います。
技術を研鑽するという努力は、皆さん言われずとも取り組まれていますが、
それに加えて、資源を使う方法について考えるという努力。
駒を動かしてどうするか、相手に対してどうするか
その二つを組み合わせたものが技術と戦術が相まったサッカーだと考えています。

 フィジカル的なところで日本人は弱いかもしれないですが、
ワールドカップで日本代表は強いと証明されたのであれば、
技術とフィジカルとメンタルを一番効果的にその歯車がかみ合った形で放出してあげるのが”日本サッカー”だと思っています。

 技術だけではない、フィジカルだけではない、メンタルだけではない
それをきちんと合理的に最大出力で出そうとしていた、というのがオシム氏のサッカーだと思っています。僕はそれを自分のクラブでやりたいなと。

――――― ありがとうございます。
今の日本代表のサッカーは、レオザさんからはどのように見えていますか?

レオザ監督:
 やはり、サッカーには指導者自身の強力な思想それを信じてくれる選手の忠誠心が必要なんです。
今の日本代表に関しては、結果から逆算した合理的な思想がないというのは、色々な現象から明らかになったり、話題になったりしてしまう。

 選手たちの質はすごく高いと思います。
なぜなら、プレミアリーグであんなに(ドリブルで)抜ける選手って世界を探してもいないですし、伊東純也選手に関してもリーグのレベルはプレミアほどではないかもしれませんが、利き足のサイドに置かれたアタッカーであんなに突破できて、なおかつクロスもファーサイドまで送れるみたいな選手はいないですから。

 質の高い選手たちを使ってるにもかかわらず、その選手たちにうまくボールが入らないとかボールは持ってるけど前進しないというのは、
やはり技術やフィジカルを活かせるようなチーム体制・組織というものを作れていないということなんですね。
質の高い選手を組み合わせたサッカーができる素材があるのにできていない。飛車がたくさんある状態なのに打つ人が名人になれないから将棋が出来ていない、みたいな感じですかね。

 でも、これは別に監督だけの責任ではなく、それを作れない組織構造にあると思います。
例えば、コネがないとS級ライセンスが取れない。
現場に出ていたらライセンスは取れません。毎日、自分のチームで指導している人は講義(ライセンスを取るための)には出られないからです。
その講義でやってることと言えば、お互いが生徒役になったり監督役になったり、座学をやったり。
でも実際、監督としての経験というのは
そのチームで目標に向かって進む中で選手同士が揉めたりとか
選手と監督がぶつかったりしてそこをどうするかマネジメントしながら
チームビルディングしていくこと
なので、(講義に関しては)本質的な授業になっていないと思っています。

 どの業界でも競争が無い業界って廃れるし盛り上がらないんですよ。
単純に一番いい監督が日本代表になるってだけで
勝手に1つ伸びるじゃないですか。
別に漫画家の学校作らなくても、良い漫画家はいっぱい出てくる。
それは、漫画家にライセンスはなくて、面白かったらそれで良いから。
勝たせる監督が上にいくとか稼げるクラブが上にいくとか、
そのような自由競争の中で、そこで問題が起きないようにルールを決めるというのが一番良いやり方だと思います。
だから一番見えやすい、可視化しやすいところは監督の問題ですけれど、
実際はその監督しか選べない組織構造や、日本サッカー全体の問題ではないかと感じています。
それを冷静に、客観的に見ながら自分にできることをやろうと思っています。


練習の様子

監督としての役割と、オーナーとしての役割


――――― ご自身にできること、というのは下から上にあげていく、下剋上みたいなことですか?

レオザ監督:そうですね。
”選手が勝たせているのか、監督が勝たせてるのか”
という議論がありますが、結局はまとめる人が大事だと思っています。
選手も監督も重要で、その勝たせる人達を集める人が一番大事になります。

一番見栄えするのは選手監督ですが、実際クラブを強くするのはオーナーだと思います。
だから、(監督とオーナーを兼任する上で)
監督としては選手を育てる、
オーナーとしては選手を連れてくる。
またこういったMaenomeryさんと提携させていただいて
いろんなところにうちに来る理由っていうのをどんどん作っていく。
こんな全方面にやれる場所はないと思っています。

――――― たしかに、監督としての仕事もオーナーとしての仕事も、私たちみたいな人とのやりとりもということですよね。

レオザ監督:全部で強くなるみたいな。
外部で監督を務めさせていただいたこともありますが、強化の方針や熱の差をオーナーと感じてしまうと仕事の質に差が出てしまいます。
僕の組織は、(自身が監督、オーナーを務めているので)僕が認めていない熱と質の人は残れません。
だから、今は小さくても上に行ける要素が揃っていますし、自信を持てる組織です。


練習前にご挨拶させていただきました

熱量のある人を惹きつけるためには?


――――― そうしたときに、どのように熱量がある人を集めてらっしゃるのかということがすごく気になりました。
YouTubeのチャンネル登録者数が20万人を超えていたりと、レオザさんの考え方に惹かれる方って多いと思います。
発信の仕方や窓口の工夫など、どのようなことを意識されているのかについてお伺いしたいです。

レオザ監督:相手のニーズを徹底的に考えることです。
例えば、選手だったら当然、お金もぜんぜんありだと思っています。
でも、元Jリーグの選手とかは一番自分が成長できる環境でプレーしたいという気持ちが大きいと思います。だから、元Jリーグの選手であってもその選手に対してきちんと足りないところを伝えるということを大切にしています。自分が伝えたいことを、論理的に、因果関係を説明して伝える。
それは元プロ選手でも子どもでも同じで、きちんと教えてあげた方が良いと思います。

 また、「有名になりたい」という気持ちに対しては、
うちに来たらインフルエンサーとしての発信ができる、他のクラブよりもYouTubeの再生数があるからそういうところで有名になれる、と発信しています。
チームの選手には、「レオザフットボール(監督)を使うのはいくらでも使っていい、勝手に撮ってアップしていいよ」と伝えています。

 また、一番大事だと思っているのは、スタッフです。
僕は自分とスタッフの意見が半々くらいだったら、スタッフの方を採用します。
できるだけ、もっと働きたくなるように
他のクラブに比べてお金を払うことが出来ているか、最高の環境を用意できているかと言われるとそうではありませんが、スタッフが「やっぱりこのクラブだと自分が思うような仕事ができる」と思える環境づくりを意識しています。

 そのため、哲学が同じの人を採用するようにしています。
意見が違うのは全然良いんです。哲学やルールが違うとまとまりません。
今いるスタッフは「合理性」というのが一つの哲学で、
どちらの方が結果が出るか という観点で考えます。
僕よりも良い意見を持っていたらそちらを採用します。
スタッフのミスは僕がカバーすればいいだけですが、僕がミスするとスタッフの不信感に繋がります。だから、半々になったときはスタッフの意見を採用して、成功したらどんどん次のモチベーションに繋がるようにしています。
新しく挑戦する選手や、スタッフも、今いる人たちも、ここにいることで自分を発揮できると思ってもらえるように心掛けています。
一番立場は上でも雑用をしているようなイメージですね。


――――― とても理解ができました。
一つ気になったことがありまして、できていないことや
気になることを指摘する、というお話がありましたが、
例えば、メンバー同士で指摘するときに、
「(指摘する点を)自分ができているかどうか」というのを気にする選手がいると思います。
そのようなことを問題なく、気にせずに伝えられるようにするために意識されていることはありますか?

レオザ監督:その方が得するよ、という伝え方をします。
選手と監督は並列の関係性なので、選手として言うべきことと監督として言うべきことは違うと思っています。
モチベーションとして、「俺たちで頑張るんだ」という言い方をしますね。

――――― 自分事として捉える、ということですかね。

レオザ監督:そうですね。
「こうして欲しい」ではなくて、「俺らでやらなければならない」という気持ちです。

――――― 勉強になります。
少し話題が変わりますが、選手の募集をHPに掲載されていると思います。スタッフとしてレオザさんの考え方に共感したであったり、チームを大きくしたりレベルを上げたりということをサポートしたいという人も、今も募集していらっしゃるんですか?

レオザ監督:していますが、新しくスタッフを迎え入れるというのは、まだ具体的ではないかもしれないですね。
中心になっている笠原君とかは元々選手で、スタッフとしても優秀だったのでそちらに集中してもらったという感じです。
他のスタッフもお手伝い的に来てくれていたんです。当初はこのような組織になれると思っていませんでしたが、ここにきてパートナーさんがついて、お給料が支払えるようになり、ようやく仕事として一緒にできるという状況です。
クラブの規模が大きくなっていったら、採用も増えていくと思います。

――――― ありがとうございます。


写真左 レオザさん
写真右 弊社星野

レオザ監督が考える”デュアルキャリア”


――――― それでは最後に、”競技を続けながら働く、働きながら競技に打ち込む”というところでレオザさんが感じている課題や良さについてお伺いしたいです。

レオザ監督:職場によって働き方が全然違いますよね。
デュアルキャリアを推奨してくれる職場だと、選手としても練習やサッカーとの兼ね合いをうまくつけやすいと思います。

サッカーをやりながら仕事をする上では、(サッカー選手としての)キャリアを推奨しているような会社を選ぶというのは1つ目のキャリア形成では重要だと思います。

――――― スポーツに取り組むことで仕事にも良い影響があると思いますか?

レオザ監督:とても単純なことを言ってしまうと、成功している人って体力があるんですよ。
僕も、図らずも経営に携わることになったので、最近勉強をするようになったのですが、藤田さんの「ユダヤの商法」で読んだことは、

「風邪で休みたいと言う人に、”一週間休むなら、休んでいい。逆に明日来たら、仮病とみなす”と伝える。そうすると、誰も休まない。結局、本気の人は休まないし自分は四、五年間休んだことがない。」と。

今考えるとパワハラですけどね笑
それを読んだときに考えたことは、
「そう言い切れる人だから成功するんだ」って。体力的な意味で。

風邪とか寝込んでいるときって、夢とか目標のことを考えられないですよね?でも自分の体力が充実していると、なんでもできるような気がするときってあるじゃないですか。

これをお読みになっている方、お聞きになっている方も、
今日、朝や昼に筋トレ終わらせたり、ランニングしたりするとその日一日
すごい勢いよく仕事ができる気がすると思うんです。
あれは、単純に体力があるから気力で持っていくことができるみたいなところがあるんだと思います。

スポーツをしながら仕事をするというのは、
「体力をつける」という点で夢や目標を叶える上で必須事項だと思います。

――――― ありがとうございます。
体力をすべてスポーツに注ぐという考え方もある一方、様々な分野に注ぐことで引退後のキャリアに繋げるという考え方もあると思います。
私としては、スポーツを続けながら仕事に取り組むことで、その人の幅を広げることに繋がると考えています。
レオザさんはどのように考えておられますか?

レオザ監督:まったくもってその通りだと思います。
本気でやっている人ほど自分の限界以上のことをやろうとするじゃないですか。
そうすると、それだけ失敗しやすい。その失敗によって人は痛みを知り、頑張っている人や痛みを感じている人に対して優しくなれます。
また、そのような人に対しては人が付いてくると思っています。

 スポーツに本気で取り組んだ人は、それができるようになるので、
引退後のビジネスにおいても、「相手のことを慮れる」
それが「その人と一緒に仕事がしたい」ということに繋がると思います。

――――― 貴重なお時間をありがとうございました。すごく勉強になりました。今後ともよろしくお願いいたします!

写真左 レオザさん
写真右 弊社春原

インタビューを終えて(春原)

 今回レオザさんにインタビューをさせていただいたことで、たくさんの学びがありました。
特に、「哲学が同じの人を採用する」という言葉は、企業を始めとした、どんな組織にでも言えることなのではないかと思います。
特に大切なポイントは、考え方や意見は違っていても問題ない、という点で、
ここを勘違いしてしまうと、多様性を受け入れられない、哲学だけではなく意見までも統一しようとするような組織となってしまいます。

 同じ意見の場合は、1+1=2、1+1+1=3、、、としかならないですが、
異なった意見であれば、1+1=x、と10にも20にもなると思っています。
(哲学すらも異なる場合は、1+壱+いち=??、みたいなイメージです)

少し古いかもしれないですが、多様性という言葉が大切にされている社会になってきているからこそ、多様性の意味をしっかりと理解することがとても重要なのだと改めて考えさせられました。

 レオザさんは「合理性」を哲学に置いていて、MaenomeryではMVV(ミッション/ビジョン/バリュー)という理念が存在します。
こうした哲学/理念はもちろん大切にした上で、考え方や意見が異なる方を採用したり、受け入れられる土壌を作ることが組織を強くするためには必要不可欠になると思います。
では、どのようにそうした組織を作っていくのか
これに関しては、真の正解みたいなものはなく、組織という目に見えないものに対して、
その都度考えて、対応し続けるしかないのかなとも思います。

少しずつでも強い組織を作れるように、もがき続けていきたいと思いました。


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