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【海外記事】生成AIによってもたらされる「超パーソナライズ」UX

今日はこちらの記事を読んでみます。なお、画像も以下から引用します。

すごく長い記事なので何回かに分けて読んでいきます。

本日もよろしくお願いいたします。


生成AIによってもらたらされるUXの変革

https://www.nngroup.com/articles/ai-paradigm/

去年の6月、Jakob Nielsenは「AIという60年ぶりの新しいUIパラダイム」非常に興味深い記事を投稿しました。この中で、彼は私達のテクノロジーとの接点の大きな変革について述べていました。
ここ数十年の間に私達が行ってきたようなコンピューターの使い方をひとつひとつ覚えていくようなものに変わって、全く新しいコンピューターの時代が幕を開けました。
これはテクノロジーが私達の目的を理解し、細かい指示なしでもその目標達成の手助けをしてくれる時代がきているということです。

UXデザイナーとしてはこの変革を捉えることは困難なことかもしれません。
このことは私達の仕事にどんな意味をもたらすのでしょうか?
Nielsenの語るUXの未来はダイナミックで、各ユーザーごとの要求をリアルタイムに適用させるかたちで高度に個別最適化されいくというものです。

この記事は生成AIファーストなUXの新たな世界に深く切り込んだものです。
従来の固定化されたユーザーフローが、柔軟で直感的なUXに変化することを想像させてくれます。私達はテクノロジーがどのように人々に適用化され、人間の思ったとおりに動かすことができるようになるのかを探求しています。つまり、テクノロジーが私達が扱えるようになるには、シームレスに人々の願望と接合され、人間中心設計のもとで個別最適化されたUXを提供する必要があるからです。


(ハイパー)パーソナライゼーション

今日の急速なデジタルシステムの成長の中において、深くパーソナライズされたUXの重要性が叫ばれています。現代のユーザーはもはや一般的なインターフェイスに関心を示しません。彼らは自分の趣味嗜好が組み込まれた独自の経験価値を求めています。この欲求がどこからくるのかをピンポイントで掴むことは難しいですが、少なくとも彼らはニュースやSNSやe-コマースで普及しているコンテンツアルゴリズムの影響を受けていると言っても過言ではありません。

アルゴリズムがコンテンツのおすすめを個々人へ提供できる世の中において、我々のユーザージャーニーやインターフェイスなどの全体のデジタルUXに変革がなされないことはあり得ません。


パーソナライゼーションを深堀りする

UXがパーソナライズされることに対する重要な要素は、個々人のユーザーが持つ微妙なニュアンスを理解するために様々なプラットフォームへ適用させていくことです。これはいくつかの方法によって実現することができます。

  • コンテンツ:挨拶文でユーザーが使っているユーザー名のようなものや、世代や文化的ば背景に即した記事などのようなパーソナライズされたテキストやメディア

  • トーン:プロフェッショナル人材に対してはフォーマルなトーンを適用させつつ、若年層のユーザーに対してはよりカジュアルなトーンに切り替えて適用させる

  • ユーザージャーニー:ユーザーの目的に応じて何度も最適化されたフローを提供し、プラットフォーム自体に親しみを持ってもらう

  • レイアウト:グリッドベースなのかリストベースのレイアウトなのか、はたまたダークモードかライトモードなのかなど、ユーザーの好みや使用するデバイスに合わせてビジュアルを適用させる


なぜパーソナライゼーションが重要なのか

UXデザインにおけるパーソナライゼーションは熱心なユーザーに対してや、ロイヤリティを高めることに重要な役割を果たします。コンテンツが自分の好みに最適化されていることを理解するユーザーは、そのプラットフォームをより熱心に利用してくれる傾向があります。これによってコンバージョンが上昇したり、高い顧客満足度を獲得することができるでしょう。
どれほど強固にパーソナライゼーションされているかを把握するには、説得力のある統計データを活用することです。


大衆の中のひとりへ向けたデザイン

今日における多くのデジタル上のUX設計はセグメントをベースに作られています。例えば"ミレニアル世代の技術者"だったり、"子を持つ母親"だったり、大抵地域性も個人の感情面も漠然とした概念を扱っています。
SNSのようないくつかのプラットフォームは"マイクロセグメンテーション"というかたちでのこれらの改善を試みてはいますが、未だに前時代的なセグメンテーションの流れに打ち勝つには至っていない印象を受けます。

ハイパーパーソナライゼーション(出典:https://www.capgemini.com/consulting-fr/wp-content/uploads/sites/31/2017/08/hyperpersonnalisation_vs_segmentation_english_05-01-2017.pdf)

しかし将来的には非常に面白いことが起こりそうです。それをハイパーパーソナライゼーションと呼びます。
このアプローチは既成概念を取っ払い、個々人に対して最適化したUXを提供するというものです。

想像してみてください。あなたは新しいランニングシューズをほしいと思っています。そしてスマホが直近のあなたのワークアウトに基づいて、完璧なレベルで最適なシューズをオススメしてくれます。
世間一般的な選択肢から選び取る必要はありません。ただあなたは最も適した一つを購入するだけです。

ハイパーパーソナライゼーションは単なるオススメ機能にとどまりません。生成AIとそれに必要な潤沢な情報があれば、テクノロジーは私達のニーズを完璧に把握して適切なコンテンツを提供してくれることが可能です。私達は決して特定のどこかにカテゴライズされた人間ではありません。私達の趣味嗜好や興味、移り変わる要望は個々人によって全く異なるものです。ハイパーパーソナライゼーションはこのことを念頭に置き、劇的にサービスへの変革をもたらします。

究極的には、テクノロジーが個々人に合わせた情報を提供することは確実で、決して私達を既存の枠組みに収めることはありません。大衆の中のひとりに対してデザインを行っていくことは、あらゆるユーザーにとって価値あるものとなるはずです。

→次回に続く


感想:生成AI活用の前に適切なデータ抽出と分析力が必要か

この記事では少し詳しい言及がなかったようにも思われるのですが、こういった超個別最適化されたサービス提供が可能なのは生成AIの進歩と同等以上に、常に肌見放さず持ち歩き、常にユーザーの情報を記録し続けているスマホの存在が非常に大きいと思います。

そのため、生成AIを活用する前にまずそういったユーザーの振る舞いや趣味嗜好のデータを適切に抽出して、適切に人間(もしくはAI)が解析することが前提としてあります。このあたりの部分にまず多くの企業にとってハードルがあるのかなぁと思いながら読んでいました。

そして、そういった人々の振る舞いから最適なUXを設計していこうとする姿勢は数年前にベストセラーになった「アフターデジタル2」などでもかなり深く議論されていたトピックで、まずはこのあたりの整備から必要なんじゃないかと考えさせられました。※アフターデジタルはめちゃくちゃ面白いので読んだことない方はぜひ読んでみてください、昔noteも書きました

とにもかくにも、今後従来の「適切な大衆に向けたある程度の一般性・普遍性を持ったサービス設計」から「絶え間なく個別最適化がされ続ける前提でのサービス設計」が求められる時代が来つつある、ということは考えて置かなければならない視点のように感じました。


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