欧米のUX人材採用事情【海外記事メモ】
本日はこちらの記事を読んでみます。なお画像も以下から引用します。
本日もよろしくお願いいたします。
UX人材採用の各国の状況
アメリカのUX人材の採用市場は長年にわたり流動的でしたが、他のグローバル人材市場はどうなっているでしょうか?私は数年分のIndeedのデータを見てみました。
データはカナダ、アイルランド、イギリス、そしてオーストラリアにおいて、異なる経過を示していました。
カナダ人の技術系採用市場はアメリカのテック業界を反映し、2021年と2022年初頭にかけては採用職種を大幅に拡大したものの、その後パンデミック前の採用レベルにまで減少を見せました。アメリカにおいてはUXリサーチはこの傾向に反発し、地位を確立していきました。
技術系人材の採用はパンデミック前の状況と比較するとアイルランドとイギリス全体で2021年と2022年で減少傾向が見られます。
ソフトウェアやプロダクト開発の人材の需要はオーストラリアでは増加しているものの、UX人材の採用はパンデミック前の水準に落ちました。
細かく見ていきましょう。
カナダの市場はアメリカの状況を反映している
2018年から、カナダの技術職の求人市場はアメリカの市場と似たカーブを描いています。UXリサーチの求人は2021年から2022年にかけて急上昇し、2023年には低下したものの、同様の分野の中では比較的堅調な値を示していました。
ソフトウェア・エンジニアリングやプロダクトマネジメント、そしてUXデザインはすべてアメリカと同様の上昇と下降を見せていました。
アイルランドやイギリスでは求職数が減り続けている
イギリスとアイルランドにおいては別の傾向がデータから見て取れます。求人数は未だにコロナのパンデミック前の水準程度に落ち込んでいます。
2021年と2022年初頭には採用活動が活発化したものの、すべての職種の求人はパンデミック前の水準を大きく下回るようになってしまいました。
オーストラリアはこれから厳しい状況が待っているかもしれない
オーストラリアもまた他とは異なる傾向を示しています。技術系の採用に関して、他の国と異なりソフトウェアエンジニアとプロダクトマネジメントが最も大きな上昇を見せました。これらの領域は確かに多くの労働者を抱えています。
UXデザインとリサーチ職の求人は直近の4クオーターで明らかな下降を見せています。これはオーストラリアのUX職の求人市場において長期的に見て良くない傾向のように見えます。
このようないくつかの国をまたいだデータの分析は、北アメリカ(特にカナダとアメリカ)は特にUXリサーチ職において最も回復力のあるUX雇用市場があるように見えます。不幸にもこれはオーストラリアやアイルランドやイギリスにおいては同様の傾向は見られません。これらの国においてUX職の求人市場は強い逆風に今後もさらされることと思います。
感想:UX求人の傾向と国の産業の因果関係
面白そうな記事だったためいつもと少し毛色は違うものの読んでみたのですが、興味深い内容でした。
各国でUX人材の求人に差があり、アメリカやカナダは堅調に求人が推移しつつあるものの、オーストラリアではエンジニアやマネージャーなどの役職のポストにまだまだ需要の伸びがあるという傾向があるようです。
ここにもし日本のデータがあったとしたら、恐らくこの中ではオーストラリアと似た傾向を示すような気もするし、そもそも「UXリサーチ」という職種の求人を見たことが自分はほとんどなかったりします。
エンジニアリングやプロダクトマネージャーのような人物は20世紀からずっと重宝されていた職種で、その存在価値や評価を測りやすいというメリットがあるような気がします。
一方でUXデザイナーやUXリサーチャーなどと言った比較的新しい職業に関してはその価値がまだ認知されていなかったり、その価値を測る指標を持ち合わせていなかったりと職場にそのポストを迎える環境がどの程度整っているかによって、各国の求人市場の差が生まれているようにも見えました。
やはりこういったUX系人材の獲得に動いているような国は今後も新しい価値やアイディアを生み出してイノベーションを繰り返し起こしていくようなことが想像できますし、一方で旧来の職種ばかりを集めているような国では、UX人材が豊富な国の指示を受けてプロダクトを開発していくような下請け的なものづくりを強いられるような気がしています。
どちらが良い、と安易に言えるものではないのかもしれませんが、少なくとも私達にできるのはそう言ったことを踏まえた上で自分のキャリアを国をまたいでグローバルな視点で考えることだろうなぁと思いました。
UXをガンガン突き詰めて新しい価値を生み出したい!と思うのであれば、そういった企業を日本の求職市場から探すよりは、アメリカやカナダなどにも目を向けてキャリア形成を考えていく必要があるように感じました。
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