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『アダルトチルドレン』と絵が描けなくなった話。

こんにちは。前川結佳です。
私は現在アルバイトをしつつ作品を制作して、それを販売したり主にSNSで発表をしながら生活しています。
……が、この記事を書いている2024年6月現在、去年までの学生生活中と比べるとまっっったく絵が描けていません。今回はそんな現在の私のお話を綴っていきます。

事の発端は私のパートナーとの共同生活がスタートした事だと自分では考えています。
2024年の3月頃から、(言ってしまえば元は赤の他人との)共同生活がスタートしました。生活リズムやルール決めの基準など様々な物事が異なる2人の新生活です。上手くいくとは思っていませんでしたが、案の定上手くはいきませんでした。ただ、相方からは不平不満やストレスがゼロだと伝えられているので、小さくてもストレスを感じているのは私だけのようです。私が感じているストレス、それは、『上手くやらなければならない』『相手に気に入られるように努力したり我慢したりしなければならない』というものです。
何を『上手くやる』のか?と問われれば、それはもう、なんでもです。掃除、洗濯、料理はもちろん、相手が私とコミュニケーションをとる時間を作って欲しいと言えば、バイト中のような物理的にも時間的にも不可能ではない限り YES と言います。例えその時に、私個人にやりたい作業があったとしても、です。加えて相手が尋ねてきた事に対しては、なるべく相手の希望に沿うような返しを考えて伝えます。私の本心など関係ないというか、本心/本音を無意識に押し殺してしまうのです。

つまり、相手の望む姿になろうとしたり、世間一般に言われる『良い子』に映るようにしてしまうのです。もしもこれらをしなければ、相手が私の事を嫌ってしまうかもしれない…という漠然とした不安や恐怖が一気に襲ってきて落ち着かなかくなります。自分でも記事を書きながら客観的に(アホみたいに忠誠だな)とか感じますが、それでもそんなアホみたいな忠誠心を持って生きていない方が怖いのですから仕方がないとも感じています。

さて、ここまで話したように、パートナーとの共同生活がスタートして直ぐに、『相手に尽くさなければいけない』などという無意識的な考えが私を支配しました。恐らくそれが原因で私は日課にしていたスケッチや作品制作をどんどん疎かにして、相方のために動く時間を優先するようになりました。そして、いざ絵が描ける時間ができても、(私って誰だっけ?私ってなんなんだっけ?)と思うようになり、(何が描きたかったんだっけ???)とペンを持つ手が止まってしまうようになってしまいました。
(※ちなみにパートナーは常に不満があったり、要望があったら伝えて欲しいと言ってくれています。それでもその行為自体が『上手くやれてない自分』のように感じて仕方がないのです。)


ここで少し、さらに過去の話をしておきます。
パートナーとの共同生活が始まる前まで、私は母と2人暮らしをしていました。それよりも前は両親と妹との4人暮らしです。
4人で暮らしていた時期も、母と暮らしていた時期も、心が軽くなって『私』というものを自分自身で感じられるのは1人になった時でした。友達といても、どうしても『良い子』にならなければならないという考えになり、その時々で周りが望む『前川結佳』という存在を演じてきました。

1人にならないと、『え?君はそんな絵を描くの?』とか『下手だね』とか周りから何か評価をされている感覚があり、落ち着くことができません。実際に賞賛される事もあれば、何も無い事もありました。何にせよ他人からの評価は有り難いものだったり、有り難さを感じなくても何か次に繋げられるヒントがあるかもしれないものだと思うので、総じて『悪いもの』だとは考えていません。ですが、冷静になるまでに時間がかかるので、何か言われると(お世辞だろ)とか(やっぱり良い評価はされないんだ)(これは世間が望む作品じゃあないんだ)とネガティヴに考える時間が長く続きます。そんな理由から中学/高校でもわざと居残りをしてほぼ1人の状況を作って絵を描いていました。母と2人で暮らすようになってからは家で1人になる時間がほとんどだったり、個人でアトリエを借りていたので、好きなように描いていました。しかし、それがパートナーとの共同生活が始まったことにより、1人の時間が減った事に加えて、より相手から『良い子』認定されないとマズい……と考えて、これまでどのように日課のスケッチを描けていたのかも分からなくなってしまいました。

作品発表の場のSNSの更新頻度もめちゃくちゃ、めちゃくちゃ減りました。そこでも、(フォロワーが減ったらどうしよう…)とか不安感を感じ、けれど(相方の望むようにしなければ…)とも考えてしまい、ハムスターが遊ぶオモチャの回し車に入っていて、ずっと回し続けて出方が分からなくなっている感覚です。


この混乱状態が精神に限界を与えたのか、2024年6月に突然、数日間声が出せなくなる失声症になりました。小さい頃から深夜に布団に入って真っ暗な中声を殺して泣く事があり、現在でも続いていたのですが、声が出なくなるというのは初めてで大混乱になりました。
心療内科で診察していただいた結果は、自律神経の乱れで、不安感を軽減する薬を処方してくださいました。けれども、焦りはマズいと思いつつ早く状態を回復できないか?と思い、ネットでですが探してヒットしたのが、『アダルトチルドレン/AC』です。

これは山梨県医師会が出している記事ですが、『他人からの評価に敏感』だとか自身に当てはまる話が多く、私は勝手にACに該当する人だと思っています。

今現在の作品制作が思うように進められていない状態の言い訳を探して、自分自身を守りたいだけなのかもしれません。
描く事をやめるという選択肢だけは取ることがないように……。周りにいるアーティスト/作家さんたちを羨ましい目で眺めて終わることがないように……。

私も1人の表現者だ!私の作品を見てみろ!と胸を張って言える日を自分で手に入れるよう、回し車からの脱出方法を探している最中です。


ここまで長いひとり語りを読んでくださってありがとうございました。次の記事も更新したら読んでくださると嬉しいです。

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