武者ガンダムのカブト取ったらいつもハゲてた
【日々はあっちゅーま】
#16, 子どもの頃2
秋田県っていうところにゆきほちゃんっていう友だちがいて。
僕のおうちから遠いから全然会いに行けないんだけど、僕が幼稚園ぐらいの時に、お母さんが車でゆきほちゃんのおうちに連れてってくれて。
あんまり遠くて僕が途中で飽きちゃったから、途中でお母さんがメロン買ってくれた事と、途中の湖で降りて白鳥のボートに乗った事、楽しくて今も覚えている。
ゆきほちゃんは同い年で、レゴにはまってて、僕が遊びに行くと自分のレゴ見せてくれて、その後一緒に遊んだ。
僕が凄いと思ったのは、ゆきほちゃんはレゴを組み立てて遊ぶだけじゃなくて、自分で折り紙でマントとか服とかを作って、レゴの人形に被せて遊んでて。
こんなレゴの遊び方があるんだって感動した。
あんまり楽しかったもんだから、大宮のおうちに戻った後に、お父さんとお母さんの前で、僕はもう武者ガンダムのプラモデルも、ナイトガンダムのプラモデルもいらないから、お願いだからレゴ買ってください。って泣きながらお願いして。
あんまりお願いしたからか、誕生日の日にお母さんが大宮のそごうに連れて行ってくれてレゴのお城シリーズ買ってくれた。
帰り道お母さんが、レゴ1万円もするなんて知らなかった。お釣りでご飯食べて帰ろうと思ってたけど無くなっちゃったわよ〜。って笑ってた。
あと、その頃僕が好きだった漫画が、ラッコが主人公の「ぼのぼの」って漫画で。
おうちでみんながご飯食べる部屋にソファーが置いてあるんだけど。
みんながご飯食べ終わった後に、壁にぴったり付いているソファーをお父さんとずずずって前に出して。
僕は後ろに隠れて、画用紙に描いたぼのぼのとか、シマリスくんとか、アライグマくんに割り箸をつけて、ぴょんと出して、お父さんとお母さんとおばあちゃんの前で人形劇を見せてあげるのが一番楽しかった。
その頃はいつもぼのぼのの漫画読みながら、ぼのぼのの声はどうしようとか、シマリスくんの声はどうしようとか考えたり、練習したりしてた。
あと、僕のお父さんは映画が好きだから、いつも僕の事映画に連れて行ってくれて。(喫茶店やるようになってからは無理になっちゃったけど)
いつも大宮駅の東口の、もう潰れちゃったけどスカラ座っていう映画館で、ゴジラとかドラゴンボール観せてくれてた。
ゴジラの映画は、いつもゴジラが出て来て闘うの最後の最後で、最初は人間しか出てこないから。お父さんに、ゴジラはいつ出るの?ゴジラはいつ出るの?って聞いて困らせていた。
でもゴジラ対ビオランテの映画はその頃の僕には怖すぎて、しばらくはうちに帰って寝る時とかに、怖い感じが蘇ってきて困った。
そしたらある年、僕の大好きなぼのぼのが映画でやることになって、やったぁって言ってお父さんと観に行った。
映画すごく良くて感動したから、別の日にもう一回連れて行ってもらって、おまけにパンフレットも買ってもらった。
映画のあらすじは、ある日ぼのぼのが「楽しいことってどうして終わっちゃうんだろう?」って悩み始めて。友達と遊んでても、何してても、楽しくなくなっちゃって。
そうのこうのしている内に、遠くから大きな牛がやって来る。っていうお話なんだけれども。
僕は、ぼのぼのの、「なんで楽しいことって終わっちゃうんだろう?」っていう悩みがすごく分かってしまって。それで感動したんだと思った。
その後も、何度もパンフレット読み返して考えてたんだけども。一個だけ分からなかったことがあって。
映画の中でぼのぼのが「楽しいことってどうして終わっちゃうんだろう?」って言ったあとに、最後にスナドリネコさんが「それは苦しいことも終わるためだよ」って言って映画が終わるんだけど。
子どもの頃の僕は、それはなんだか違うような気がしてて、ずっと考えていて。
本当は今もずっと考えているんだけど。
なんで楽しいことが終わってしまうのかは、結局今も分からない。
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それでも昔友だちだったゆきほちゃんは大きくなって陶芸家になって、大宮の僕んちの喫茶店で展示をするようになったから、大人になった後に久しぶりに会うことになって。
ゆきほちゃん、一緒にレゴで遊んだことやっぱり覚えてて。
そっかぁ。あの時楽しかったことは、今も続いてたんだなぁって、なんだかその時思ったんだ。
おしまい
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