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前多が視た'24年4月アニメ新番組第1話評価

2024年4月期のアニメが怒涛の如く始まりました。
今期は特に作品本数が多いようで整理がつかず混乱してしまいます。
そこで、備忘のために今期スタートのTVアニメの第1話で私が視たものを列挙します。

さらに、ただ挙げるだけではつまらないと思い、私の“独断と偏見”に満ちた★五つを満点とした採点と寸評も添えました。
なお、評価対象は飽くまでも第1話のみです。

原作がある作品の場合、各原作は一切読んでいないため飽くまでもアニメのみを視た感想です。

受信できるチャンネルは地上波放送のみです。
ネット配信は一切視聴していません。
作品の列挙はおおよそのスタート順です。

神は遊戯に飢えている。 →無し

神々しい作品名だが、言ってしまえば“名前負け”で惹かれるものが無く、Aパートの途中で視聴打切り。よって★は無し。神を三柱ではなく三体と数えていたのは非常に興冷めだった。プロの脚本家がこの程度の知識も無いとは噴飯ものである。

終末トレインどこへいく? →★★★★☆

奇抜な着想(設定)にあっけに取られたが、さすがシリーズ構成・横手美智子、監督・水島努というだけあって、作りはしっかりしていると感じた。今後の展開が楽しみでならない。主演が安済知佳なのが嬉しい。

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF →★★★☆☆

旧作を視て言わば“予習”ができているため、“鬱展開”などへの心配をすること無く安心して視ていられた。キャストを変更しなかったのは非常に評価できる。旧作は商いの方法論の説明などで少々説教臭い面があったが、本作ではその点をどう描くのかにも注意したい。

BARTENDER 神のグラス →★★★☆☆

筆者は下戸なため専門用語が分からないなどで、作品世界に入っていけないだろうと“ダメ元”で視始めた。しかし、オーソドックスと言える破綻の無い作りで30分間楽しむことができた。次回が楽しみでならない。

ゆるキャン△SEASON3 →★★★★☆

今期の期待作の一つ。安定の出来で安心して視ていられ楽しかった。第1話早々から久し振りに松ぼっくりの“コンニチハ”が聞けて嬉しい。カステラが美味しそうだった。

花野井くんと恋の病 →★★★☆☆

一歩間違えばストーカーの花野井くんと、恋愛に自信が無くともすれば陰キャになりがちなほたるだが、重たくなることがなく爽やかに描けているところに好感が持てた。このふたりの間にどのようなドラマが生まれるのか興味深い。それにしても、小林千晃は今が旬の声優と言える。

WIND BREAKER →★★★☆☆

本作も原作を全く知らないため、第1話を視たのみでは“海のものとも山のものともつかない”といったところ。ただ、主人公である桜が抱くコンプレックスが、今ひとつ作品世界というかストーリー展開に馴染んでいなかったのが気になった。シリーズ構成が瀬古浩司なので破綻が無く楽しめそうではある。

変人のサラダボウル →無し

惹かれるものが無く、Aパートを視るのが限界だった。よって★は無し。

アストロノオト →★★★★☆

今期の注目作の一つ。間延びしていないテンポが良いストーリー展開に引き込まれ面白かった。単なるドタバタギャグものではないのが良い。総監督が高松信司なので期待できる。ただ、豪徳寺ミラを演じる内田真礼の演技が淡泊なため存在感が弱くもの足りなく感じたのが気になった。杉田智和と諏訪部順一の共演はめずらしいと思う。

ガールズバンドクライ →★★★☆☆

東映版「BanG Dream!」。脚本はさすが花田十輝だけあって冗長さの無い引き締った展開で良いだけに、唐突な描写があり質がやや落ちる演出が残念でならない。本作が成功するか否かはアニメの出来も然ることながら、キャラが歌うナンバーが魅了的のものかにかかっているだろう。非常に気になったのが桃香や仁菜が中指を立てるシーンが複数あったこと。この行為は人を最大限侮辱し、ともすれば命を失いかねないため、たとえ架空のアニメの劇中であろうとも行うべきではない。制作スタッフの不見識さが表れている。

HIGHSPEED Étoile →無し

巨額な会場建設費などで非難囂々の大阪万博、かく言う筆者も開催反対である。その大阪万博が冒頭で登場した瞬間、非常に不愉快になり即座に視聴を打切った。まるで特定の政党や地方自治体に忖度したような言わば生臭く、またセンスの無い作り方をした制作スタッフに対しては嘲笑しかない。

オーイ!とんぼ →★★★☆☆

筆者はゴルフを知らないため、専門用語が全く分からず視るのに難儀はしたが、展開に面白味は感じた。同じゴルフアニメでも「BIRDIE WING -Golf Girls' Story-」よりは遙かに取っ付き易く好感が持てる。とんぼの成長物語になるのだろうが今後の展開が興味深い。イガイガを演じる東地宏樹の巧さを堪能できるのも良い。監督が韓国人なのには驚いた。

ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 →無し

この作品のどこが良いのか分からず、Aパートで視聴を打切った。梅田修一朗と遠野ひかるのデフォルメのきつい演技が生理的に受付けられず嫌悪感しかなかった。

烏は主を選ばない →★★★★☆

非常に視応えがあり全編に渡って作品世界に没頭できた。全体的に破綻の無いしっかりした作りが良い。今後が楽しみでならない。

龍族 -The Blazing Dawn- →無し

惹かれるものが無く途中で視聴を打切った。よって★は無い。

ザ・ファブル →★★★☆☆

裏社会が題材なので「ゴルゴ13」とまではいかなくても、シリアスでバイオレンス色が強い作品かと思っていたため、軽いノリがある作風が意外だった。また、それ故に陰惨さに倦むこと無く全編に渡って楽しめた。佐藤洋子役の沢城みゆきをはじめ面白味があるキャスティングが良い。監督が高橋良輔ということもあり今後が楽しみ。

夜のクラゲは泳げない →★★★☆☆

作画・演出に破綻が無く、今様のキャスティングも悪くない。光月まひる達の成長物語になるのだろうが、第1話を視たのみでは、制作スタッフが何をやりたい(描きたい)のか伝わってこないのが気になった。

となりの妖怪さん →★★★★☆

剣と魔法の異世界が交差するラブコメかと思いきや、個性的で面白味がある作品世界に大いに惹かれた。視ていて「カスミン」や「のらみみ」を思い出す。シリーズ構成がベテランの金春智子なので作りに安心感がある。今後の展開が楽しみ。

戦隊大失格 →★★★☆☆

着想は面白いのだが、不要に感じる“間”が時折あり、テンポが悪い演出が残念だった。本作も“海のものとも山のものともつかない”といったところで様子見としたい。

夜桜さんちの大作戦 →無し

ストーカー教師が生徒をリンチしているシーンに堪えられず即座に視聴を打切った。

響け!ユーフォニアム3 →★★★★★

待望の新シリーズ、素晴らしい! 黒沢ともよの演技が上達して黄前久美子の雰囲気が少々変わってしまっているのは御愛嬌。
キャラクターデザインを担当したアニメーターの池田晶子さんが亡くなられているのは大変残念でなりません。謹んで哀悼の意を表します。

SYNDUALITY Noir →★★☆☆☆

スタッフは良い作品を作ろうと一所懸命頑張っているのだが、それが視ている筆者に伝わって来なかった…… と言ったところ。惹かれるものが無かった。

ブルーアーカイブ The Animation →★★☆☆☆

ゲームをプレイしたことが無く設定が理解できない者は視なくてよい、という作品のようなので、もう視ることは無い。紡木吏佐が脇役で出演していたのは嬉しかった。

じいさんばあさん若返る →★☆☆☆☆

今期の注目作だったが、面白いとは思わず期待外れ。展開が散漫で脚本の構成力不足に思える。キャスティングは良いので残念。楓役で櫻井智が出演しているのには驚いた。

鋼鉄神ジーグ →無し

面白さを感じず、Bパート冒頭で視聴を打切った。

ただいま、おかえり →無し

設定が説明されないまま進むので、作品世界に入れず鼻白んだ。輝に対してかわいい、かわいいを連発する展開に倦みBパート途中で視聴を打切った。種崎敦美の演技力に感心。

リンカイ! →無し

競輪のPRビデオのような作品。全体的に安易な作りで、ストーリー展開やキャラの造形に深みが無く、惹かれるものが無かった。よって、Bパート途中で視聴打切り。

忘却バッテリー →★★★☆☆

随所にあるギャグが痛々しく蛇足に思えたが、面白そうな設定なので、しばらく様子見としたい。宮野真守の演技を堪能できるのも良い。

Unnamed Memory →無し

塔を攻略する前半はなんとか視られたが、その後は対面して座しているだけで動きが無い会話劇にウンザリだった。Bパート途中で視聴打切り。

声優ラジオのウラオモテ →★★★☆☆

筆者が嫌いなラノベが原作ということで、またキャラが棒立ちで説明的長ゼリフを発する会話劇かと思いきや、存外まともな作りで全編を視ることができた。視ても視なくても良い“鶏肋アニメ”だが、本作もしばらく様子見とする。

この素晴らしい世界に祝福を!3 →★★★☆☆

今期の期待作。相変わらずの展開で面白かった! 劇中にアイキャッチを挿入し、流れをエピソード毎に分け冗長さを無くすことで、テンポを良くしているので視ていて心地よい。

怪異と乙女と神隠し →★★★☆☆

監督・シリーズ構成・脚本が望月智充なので、抽象的描写を用いた独り善がりで難解な展開かと期待していなかったのだが、言わばエンターテイメント性がある破綻の無い意外な作りで楽しめた。緒川菫子役のファイルーズあいの演技力はさすがで魅了された。

怪獣8号 →★★★☆☆

着想に面白味を感じた。物語の導入が丁寧で、原作を全く知らない筆者でも、すんなりと作品世界に入って行け楽しめた。シリーズ構成・脚本が大河内一楼なのが心配なところ。しかし、原作付きのため「水星の魔女」のような伏線を回収しないなどの破綻した展開にはならないだろう。

ささやくように恋を唄う →★★★☆☆

破綻が無い作りで良いのだが、木野ひまりを演じる嶋野花の演技が下手で、この点が本作の魅力を損なっている。いわゆる“大人の事情”での起用だと思うが、残念でならない。

以上、全34作品です。
2024年4月期は農作物の出来に譬えるなら“豊作”として良いでしょう。
とにかく数が多くて視るのが大変でしたが、期待作・話題作が多い一方で、視るに堪えないアニメもいくつかありました。
まさに“玉石混淆”と言えます。

※画像は「響け!ユーフォニアム3」より。
※文中敬称略

〈おわり〉

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