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マラソンを走り終えて

十月の中旬に中国で初のマラソンを走り終えた。
朝早くから起きて、ご飯を食べ地下鉄に乗り目的地へ向かう。
全てが初めてのことだった。

昔、マラソンを走り切ったとはいえそれは10年前のことだ。
ほぼ初めて、しかも中国では初のマラソンである。
どうなることやら心配だった。

前日にゼッケンや荷物などを手に入れていたので、
心配はなかったのだが、問題は走り切れるかどうかという点だった。
確かにこれまで30km走などはやってきたが、
フルマラソンまでの距離を走ればどうなるかは分からない。

ゼッケンの頭文字はCなので、前にはAとBの方々がいた。
焦ることなくスタートの号砲を待つ。
他のクラブのメンバーもCエリアなので、みんな一緒ということで
安心できた。

号砲が鳴ると、メンバーの人たちは勝手を知っていたので、
一気に前に出て追い抜いていく。
それでもスタートのゲートをくぐった時には、2分以上経過していた。
さが桜マラソンに参加した時は、かなりの時間がかかっていたので、
それに比べて早いという感想をもった。

そして出ていくと、スピードが異なる集団がたくさんいて、
最初のペースを合わせるのに苦労した。
特に集団が大きいとその熱気にのまれて、
「暑い」と感じるほどだった。

朝早かったこともあり、
そこまで暑くならなかったが、意外にも
汗をかいてきて、心配になる。

そうして落ち着いてくると、
給水ポイントがやってくる。
これまでに体験したことのない
量と人で推し合う。
どれがどのくらい必要なのか
とりあえず取りながら考える。
これも仕方のないことである。

手持ちのエネルギージェルを摂取し、
順調に通過していく。
周りにも多くの人がいるため、
寂しくはならない。
そしてだんだん田舎に行く感じも面白かった。

橋が見え、そこから反対側に移動することが分かると、
ペースを少し上げた。
軽い坂道になっているのだが、そこで
前に行きペースを合わせる。
さらに川沿いを走り続ける。

そして、また坂道。
嬉しかったのはそこで
メンバーの一人の姿を見たことだった。
たくさんの人が周りにいるが、
メンバーを見つけられた喜びはひとしおだった。

そしてまた坂道を上り、調子を整える。
3時間45分のペースの人よりも前だったので、
このままいけば、45分を切ることができると思っていた。

意外だったのは37kmぐらいに到達したとき、
急に足が重くなり、前に進まなくなった。
呼吸も泥のように重くなり、吸えなくなる。
あと5kmが果てしなく遠い。
結果からいえば、そこでもタイムはそこまで
悪くならずなんとか収められたのだが、
数百人に抜かれたのは屈辱だった。

最後は意地でゴールしたといっても良かった。
余裕なんてこれっぽっちもなかった。
ゴールしてたむろしている人が面倒だった。
やはり走っているときに、パフォーマンスをする人のように
パワーはなく、結局エネルギー不足になった。
しっかり反省したい。

その後、テンションもそこまで上がらなかったが、
食事を摂ることで何とか回復した。
謎のテンションのまま、日本でのレースにも応募し、
今後はマラソンの冬を迎えそうだ。

苦しいと思っていたことも走り終えてみて、
辛かったが楽しかった。

やはり走ることは思考の整理と
気持ちのリセットに良い。

これから更に習慣にしたい。

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