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なで肩に対する発見と考察、その発展について。

自分では自覚していなかったことを思わぬ角度からずばりと指摘されて「そうか! そういうことか!」と腑に落ちることが結構あります。今回は「なで肩」についてです。

先日、車の中で待機していたときのこと。駅に向かってパタパタと小走りの女性を見かけました。彼女は、肩にジャケットを掛けていたんです。袖を通すわけじゃなくて、肩にふわりと乗せている状態でした。

「あんな風にジャケットを羽織っていたら、いつの間にか肩から滑り落ちて、気づいたら洋服無くしてしまいそう」そんな風に私が呟いたところ、夫はぷぷぷと笑い、
「それはあなたが、なで肩だからでしょ。引っかかる肩がないから滑り落ちるだけで、普通に肩がある人は落ちないよ」と言い、ニヤニヤしていました。

その一言で、私はハッとしました。今まで、そんな風に考えたことはなくて、「カーディガンやジャケットは絶対に袖を通さなければならない。なぜならずり落ちるから」と考えていました。けれど、私のなで肩がずり落ちる原因だとは思ってもいなくて「なるほどなぁ〜」と大いに頷いてしまいました。

自分ではそれほどでもない、と思っているのですがどうやら「なで肩」みたいです。母も、姉もつるりとしたなで肩なので、確実に遺伝でしょう。

私たち姉妹は、ランドセルも、リュックサックも、オーバーオールも、時にはブラジャーすらも肩から紐がずり落ちるほどの、なで肩です。
姉に至っては、学生の頃制服の採寸をする時に「華奢な肩」と、オブラートに包んで肩の無さを指摘されるほどでした

実家に帰ったとき、姉に「ジャケットの袖を通さないとずり落ちる問題」について話したところ、姉も「えっ、肩が原因なん?」と驚いていました。

姉も、カーディガンなどの袖を通さずに歩いている人を見ては不思議に思っていたそうです。「肩からずり落ちないように、安全ピンかなにかでくっつけているんやと思ってた」姉は信じられない、と言った様子で、なるほどなぁ〜とひとりで頷いていたのですが、ふと「じゃあ、あれも肩が原因やったんかなぁ?」と言いました。

「中学とか高校の体育の授業でゼッケン(ビブス)を配られて着るんやけど。両肩ともにだらんとずれてきて。私のはLサイズで大きいんかな? って思ってた。あれって、肩がないから引っかかってなかったのかー」
確かに、私は両肩とは言わないけれども、右か左、いずれか一方がずり落ちていました。バスケやサッカーなんかでは試合よりも、ずり落ちてくるゼッケン(ビブス)が気になり、ただでさえ運動神経が悪いのに、集中できずにいました。今となっては姉も私もゼッケン(ビブス)をつけて行う団体競技などしませんが、ようやく謎が解けたねと深く頷き合いました。

また、夫は私たち姉妹に対して「水泳をやっていたらそこそこ良いタイムを出せたんじゃないか?」ということがあります。

それは、極度のなで肩=流線形であり、水の抵抗が少ないのではないか、という夫独自の見解です。ちょっと何を言っているのか分かりません。ですが、アザラシやイルカのようにつるりとした滑らかな体形を見るたびに、姉の華奢な肩をついつい思い浮かべてしまうことも事実です。水泳をすると肩に筋肉がついて、いわゆる「いかり肩」になる、とも言いますが、極度のなで肩の場合いかり肩というほどには肩のかたちは変わらないんじゃないかとも思います。水の抵抗を受けることのない体形というには、確かになで肩は理想的かもしれないです。夫は釣りが趣味で、あらゆる魚や水中にすむ生物についてよく考えを巡らしているのですが、私たち姉妹の体形(なで肩)は水中で生活するには割と適しているんじゃないかと真剣に説明されました。

ただ、なで肩である当人たちは全くそんなことを考えていなくて「洋服もだらっとした印象での着こなしになる」とか、「いくらリュックが流行っても絶対に使わない」とか、その程度にしかとらえていませんでした。なで肩ではない、第三者から見たときに感じることや、分かっていることがたくさんあるんだすよね。水泳についての考察は、実験してみるしかないので、何とも言えませんが。なで肩水泳部を発足させて、実験してみたいところです。


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