見出し画像

アートを楽しむ 額装する楽しみ

額装は作家さんとの共同制作のような気分になります。
現代アートの若い作家さんたちと直接会話し、その作家さんの作品に対する考え、感性、今後の向かう方向性などを伺うことが出来るのも現代アートの楽しみの1つです。

グループ展などに行くと、必ず誰かしら作家さんが輪番で在廊されており、気さくにいろいろなお話を聞くことができます。個展なら、在廊されている日時に伺います。

そして、気に入った作品を購入しました。

そうすると、次は額装です。額装してある作品もありますが、どのような額装にするのか、これを考えるのも楽しみです。作品は、作家さんの領域ですが、額装は購入者の領域です。
どのような額装にしようか、額縁は、マージン(絵から額縁までの隙間)は、などなど。結構、悩ましいです。

この時も、作家さんに額装のイメージを伺うことができるのも、若い作家さんの作品ならではのことです。画壇の大家にはとても聞くことができません。

作家さんがイメージする額装の感じを伺い、作品を引き立てる額装を考えるのは実に楽しいことです。

参考にするのは、美術館の作品です。国立近代美術館に行き、作品の額装を見て回りました。
現代アートの作品は、伝統的な額縁がマッチしない、伝統的な額縁にすると作品の沈んでしまうようです。

画像1

現代アートといってもいろいろありますが、私が好むのは風景画のようなものです。カボチャとか、アニメのようなものではなく、どちらかといえば風景画を現代的に描いたもの、例えば、ナイフだけで描いた風景画とか、フォロロマーノの水墨画、とか。現代アートというより、現代の若い作家さんの作品、と言ったほうがいいかもしれません。

画像2

小作品は、このようにマージンを大きくとり、背景の白色もややクリーム色が入り、額縁も3センチぐらい、でも作品が映えることが分かりました。

悩ましいのは、表面をアクリル板でカバーするか、どうかです。作品の保護を考えるとアクリル板をつけた方がいいのですが、そうすると光が反射します。作品に凹凸があると十分な高さが必要になります。

美術館で見る有名な油彩の作品も、アクリル板があったり、なかったり、さまざまです。
アクリル板でカバーすると、描きたての作品がもつ水分から結露になり、カビがはえるリスクがある、とも作家さんから聞きました。傷は直せるがカビは修復が難しい、と。

これまで額装はしたことはありますが、百貨店や額装屋さんに任せていました。額装を研究するために美術館に行ったことはありませんでした。

自分で絵を描くことはありませんが、額装を考えるというのは、作家さんと一緒になって作品を完成させるような気分になり、これも現代アートの楽しさの1つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?