Orvalビールが醸造される修道院へ行った思い出
ルクセンブルク赴任中に、東京から出張で来た友人と連れだってベルギービールのオルヴァル（Orval）ビールが醸造されるオルヴァル修道院に行きました。
友人はスイス出張のチューリッヒから電車を乗り継いで私が住むルクセンブルクまで来て我が家に宿泊したのですが、市内観光をした翌日はぜひ隣国ベルギーにあるオルヴァルに行きたいということで、私は会社を午後休んで案内しました。
何故オルヴァルかというと、彼がビール好きだったからで、我が家から車で１時間程度のところに醸造所があるとはこの時まで知りませんでした。
行けばビールを飲むことになるので、帰りは家人に運転してもらうために、家族も一緒に行きました。
オルヴァルはフランスとの国境に近いベルギーの南西に位置し、アルデンヌの森の中にあります。２月の下旬でしたが春の訪れが近い時季とはいえ、この日は曇り空で、時々小雪が舞うヨーロッパ大陸の典型的な冬の天候でした。
現地ではOrvalビールはスーパーとかで売っている比較的メジャーなビールで、１本１ユーロもしない手頃なビールです。よく飲んでいましたが、醸造所に行くことなど思ったこともありませんでした。
ルクセンブルクからベルギーにはパスポートコントロールもなく、高速道路で行きます。高速道路を降りて対向車がほとんどいない一般道を運転していると森の中の修道院が見えてきました。
修道院の敷地内にビールの醸造工程の展示がありました。
現在使用されている修道院の横には中世の頃の修道院の遺跡があり、自由に見て回ることできます。
ここまで来たら飲むしかないだろう、と隣接するレストランでOrvalビールを飲み干しました。つまみはオムレツ。帰りの運転はアルコールを飲めない家人に任せて、友人と私は中世の修道院で醸造されていたことに思いをはせて、ゆっくり味わいながら数杯飲みました。
友人は数本買って、１本１本を衣服に包んでスーツケースに入れて日本に持ち帰りました。ビール好きな仲間に配る、とか。「まさか、ベルギーの醸造所に来ることができると思いもしなかった。お前の赴任のお陰だ」と。
私こそ、気の置けない友人とベルギーの森の中の醸造所に行って、そこでビールを飲むことができるとは、想像だにしていませんでしたから、この友人のお陰です。
Orvalは日本でも売っているのを見たことがあります。とても高くて買う気になれませんが、違う銘柄のベルギービールのグラスを持ち帰っていますので、たまに日本のビールをそのグラスに入れて飲んで、「錯覚」を楽しんでいます。
案外、いいものです。
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