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JALの機内誌のように③ ルクセンブルクでのゴルフ

海外に行くことが難しいので、よく乗っていたJALの機内誌のように昔の思い出を書いてみました。

小さな国のルクセンブルクにもゴルフ場が数カ所あります。夏は短く冬は雪が降り氷点下の毎日ですから、プレーのシーズンは3月から11月頃まで。冬でもプレーしようと思えば出来ますが、雪、霧、霜、ぬかるみの地面ですからよほどのゴルフ好きがブーツのようなシューズを履いてプレーします。

高原の国ですから標高が400メートルぐらいと高いため、8月でも朝のスタート時間の気温が3度ということもありました。距離表示はヤード表示ではなくメートル。最初の数回は、距離400にしてはやけに長いなあと思ってプレーしていました。

そのルクセンブルクでのゴルフはリラックスできるものでした。

子供の頃、誰か来ていないかなあと自転車で公園に行き、そこで学年に関係なく遊び、駄菓子屋で買い食いをして、じゃあまた明日、という思い出があります。ある世代以上の方には同じような経験があるのではないでしょうか。

ルクセンブルクでは、「自転車」が「車」に、「公園」が「ゴルフ場」に、「駄菓子屋」が「レストラン」になります。 在留邦人がよく行くのは市内から15分程度のゴルフ場です。
ビジターですと1回90ユーロ程度、会員なら無料ですが、会員権を購入する必要はありません。年間手数料を支払えば1回ごとのプレーフィーはかかりません。初めてならトライアル会員といって年間1400ユーロです。その後は年間2000ユーロ程度です。
予約はインターネットで行い、知り合いが予約していればその時間帯に合わせて予約します。

私の場合、眠い時とか雨が降っている時には予約をしていてもサボってしまいました。コースはコンディションはいいのですが距離が長くタフで難しく、ラフにボールが入るとボールが見つからないこともしばしばあります。モグラの穴も多く、ラフに入るとボール探しは断念せざるを得なくなります。

プレーはゴルフバックを担ぐか、手引きカートで回りますので、1回プレーをすると15000歩は歩きます。予約をしていなくても空いていれば1人で回ることもできますし、途中のホールで止めることもできます。

春には黄色の菜の花畑がコースの緑色に映えてとても綺麗ですし、秋には近くの森の狩猟の鉄砲の音も聞こえてきます。ぱーん、ぱーん、という音が聞こえてくるだけでなく、たまに狩猟犬がコースに迷い込んでくることもあります。

プレーはスルー。途中で食事はしません。ゴルフが出来る服装で車で行き、駐車場でゴルフシューズに履き替え、そのままコースに向かいます。7時にスタートすれば12時には終わります。
年齢、職業を越えた仲間とのプレー後はゴルフ場のレストランか、近くの中華またはイタリアンでランチをしてから解散します。ルクセンブルクはイタリア人の移民の末裔が多く、イタリアンは多く重宝していました。
シャワーは自宅で。食材店は日曜日には閉まりますから単身赴任組は、自宅に戻って1週間分の食料の買い出し、たまった洗濯をしなければなりません。そして翌日の日曜日の朝に三々五々集合します。約束をしていても、眠かったらサボってもいい、まさに子供の頃の公園での遊びのような感じがします。

日本人以外の人と回ることもあります。1人で予約していると誰かが同じ時間帯に予約してきます。学校の先生夫婦、不動産会社のイタリア人、金融関係者、などなど、最初は戸惑いましたが、慣れてくるとプレー中の会話も楽しいものです。
同じコースを何度も回る面白さも知りました。前回はあそこに打ったので失敗したから、今回は我慢して刻んで手前に落とそう、あそこに打ったらラフがきついから暫定球を打っておこう、とか。実際には私の腕前ではなかなか思ったところには打てませんでしたが。

私は菜の花畑が綺麗な4月から活動を開始していました。18ホール歩いて回りますから1回のプレーで2,3キロは体重が減りますのでいい運動になります。市内から近いですからゴルフ場に行くにも気合を入れることもなくリラックスしてプレーができます。

1人で行って、空いていたら1人で回ることもできます。1ホール、2ホール、3ホール、4ホールと回ってから、また1ホール、2ホール、というように練習代わりに回ったこともありました。
夏は日の入りが遅いですから、20時から数ホール回ったこともあります。

顔なじみになった台湾人は、台湾料理屋で成功した人で、冬は台湾に戻って台湾で毎日ゴルフ、夏はルクセンブルクで毎日ゴルフ、となんともうらやましいライフスタイルでした。

夏に2ヶ月ぐらい滞在して、毎日ゴルフ、ゴルフ。まるで合宿のような旅行もいいかもしれません。

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