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人生はまだまだこれから

週3回デイサービスでアルバイトをしている。

娘さんとの折り合いが悪く、今すぐにでも家出をしたいという野望を抱きながらも、足腰が言うことをきかないからそれさえも出来やしないと嘆かれてた85歳の利用者さん。

「いいねあなたは。自分で何でも出来て、車に乗ってどこにでも行けるものね。私にもそんな頃があったのにね。」

人生の先輩達とお話をしていると、55歳の自分はまだまだこれから何でも出来るそうな気がしてくる。

数年前、婦人科系の病気をして入院をしたことがあった。その時4人部屋に、私(50歳)の他に、60歳、70歳、80歳の各年代の人たちが入院していた。

たまたま私の友達がお見舞いに来ていた時、80歳のところにもお友達が来られていた。私は久しぶりの友達とのお喋りが楽しくて夢中で話していた。友達との会話が途絶えたその一瞬、「私の人生は一体何やったんやろ・・・」と80歳の涙声が聞こえてきた。私と友達は思わず顔を見合わせた。

来られていたお友達は少し困った感じで「何を言ってるのよ、そんなこと言わないで」と言って、他にかける言葉が見つからなかったのか逃げるようにして帰って行かれた。

その80歳のご婦人は、毎夕ご飯の時に息子さん2人が交代で来られていたので、いい息子さんたちを持ってはるなあといつも思っていた。詳しいことは知らない。でも、そんないい息子さんたちを持っただけでも幸せだと思えるはずなのに…

とっても失礼な話ではあるが、友達と30年後あんな風に私達は絶対に言わない生き方を、後悔のない生き方をしようと2人で心に誓った。本当に、あのお年寄りの言葉を聞くために、神様が強制的に私たちの会話を止めたような印象的な出来事だった。

デイでの日々も、やりたいことは「今」やっておこうと毎日のように利用者さんから思わせてもらう、とても有難い日々。

人生の先輩達は、色んな手段で人生の後輩達に生き方を教えてくれる。


今日死んだら後悔することは何ですか?

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