気になるあの子

対人トラブルが絶えない子
忘れ物が多い子
被害者意識が強い子

気になるあの子は、たくさんいる。

大勢の中で目立つあの子
先生同士の話の中で名前が出るあの子

保健室でも話を聴いたり、時には諭したり叱ったりする。でも聞いているのかわからないあの子。

困った子は「困っている子」とよくいわれるが、困る理由が本人と周りで違うことはよくある。

学校は集団生活の場であり公的な場なので、ルールを守らない人や集団の輪を乱す人に対して指導が入る。
その時に、フォローを入れる存在がいて欲しいなぁと思う。
タイミング等が悪くて一日に複数の先生から叱られる子もいるからだ。雰囲気が良い学年部は、自然とそういう役割分担がされている。

気になるあの子に注目し出すと、気になるところばかりになってしまう。
良いところが見えにくくなってしまう。
周りがそういう目で見ると、本人の自己肯定感も下がるだろう。

たいていの場合、注意する機会が多くなっているときは私自身の余裕がないときだ。
気になるあの子の強みや長所にも注目したい。

そして同じくらい大切なのは、気にならない子たちだ。毎日同じクラスで、気になるあの子と一緒にいる子たち。

目立たないけど優しいあの子。
注意の仕方に気をつけているあの子。
人のミスを笑って許しているあの子。
気持ちの切り替えが上手なあの子。

そっと雰囲気を変えたり、こっそりフォローしたり、怒られているところを見ても見ないフリをしたり。
クラスメイトたちのささやかな気遣いはさすがというか、私が勉強になる。優しいなぁ。