シティポップブームの終わり、K-POPブームの先に
世界的に流行ってる日本の音楽ってなんでしょう?
名作アニメのサントラや主題歌、スキヤキ、nujabes、かつては色々ありそうなもんですが、ここ数年は日本のシティポップブームがかなり話題になりました。
山下達郎や竹内まりやなど80年代ごろの曲が海外で火がつき逆輸入される形で日本でも取り上げられました。
しかし、私の中では国内と海外のシティポップブームは同時並行的に別々の理由で流行ったのではと思ってます。また、2010年代のシティポップがないがしろにされてるとも感じます。
そんなブームも海外では流行りが収束してるという話題を見つけました。
※個人的には既に終了したとまでは思いませんが、流行りが終わりつつあると思います。
日本の音楽が海外でブーム!ということで国内でもかなり話題になり、NHKでもニュースで取り上げられてました。
未だに特集番組も頻発してるみたいです。
個人的にもシティポップは大好きで、国内、海外共に都会的な雰囲気を感じる小洒落た音楽は最高だと思ってます。
ただ、最近日本、海外でシティポップそんなに主流なのなの?という気もしてます。
国内チャートで流行る音楽はシティポップというよりはジャンルレスに様々な音楽性の曲がヒットしてる気はしますが、これぞシティポップ!という感じはしません。
個人的には2018,9年頃には国内のシティポップブームは収束して2020年からはジャンルレスにYOASOBIや髭男、あとK-POPがチャートの主流になってると思います。
ここ数年のシティポップの流行を考えると共に、同じく世界的に流行したアジアの音楽K-POPのブームとも比較してみたいと思います。
日本国内のシティポップブーム
シティポップと聞くと過去のレジェンド達が取り沙汰されがちですが、個人的にシティポップの流行に重要な年は2015年だと思ってます。
シティポップは音楽的に海外のR&Bやオールディーズに影響を受けた豪華なサウンドと特徴的なリズム感が都会的な雰囲気を醸し出してたと思います。
2015年は私の思うシティポップイメージに近い2曲の名曲がリリースされてます。
ceroの「Summer soul」と星野源の「SUN」です。
どちらも両アーティストを推し上げた大名曲だと思いますが、それだけでなく音楽シーン的にもR&B色の濃い曲や都会的な雰囲気も感じる生音の良さを広くしれ渡らせた気がしています。
この曲以降、2016年頃にはベースとドラムを際立たせ、都会的な歌詞や雰囲気の曲がかなり増えたと思います。
シティポップらしさを感じさせる曲がシーンで流行り、この頃から日本のヒップホップもシティポップブームと紐付く形で相乗効果を生んでます。
さらに2015年はApple Musicがリリースされた年でもあります。
マイナーな新人バンドやアーティストをフックアップされる土壌が日本で築かれたことも大きかったと思います。
くるりやKIRINJIなど大物もいわゆる現在進行形のシティポップに正面から挑んだような曲もリリースしています。
2016年頃はSNSではインスタが流行り、都会的、洗練されたビジュアルに対する憧れが強くなり、それにたまたまマッチするシティポップは世の中の空気感、2020年の東京オリンピックに向けた浮き足だった感覚、復調してきたように感じる日本経済など、なんか色々とポジティブな空気感にフィットしてたのかなと思います。
2018年,2019年頃からは生音の気持ち良さから徐々に電子的な緻密かつ派手な音楽、歌詞の内容も都会的な雰囲気から内省的な恋愛ソングが主流に移っていった気がします。
個人的には2016年ごろに流行ったバンドは2010年前半の頃のようにインディーズでライブ活動でも活躍していたり、音楽好きのための音楽をやり続けてると思います。
また、今も活躍してるバンドはシティポップという音楽に拘らず活躍してる印象があります。
星野源は生音を大事にしつつも、その可能性を広げるような曲を作り、ceroは新作でエレクトロニカやポリリズムを意識したような音楽性でさらに複雑な音楽へ挑もうとしています。
いずれも好きな音楽、やりたい音楽を作り続けてることが素晴らしいですね。
海外のジャパニーズシティポップブーム
こちらはあまり語ることがない(語られ過ぎてて)のですが、海外におけるシティポップブームはやはり、アニメなどに関心の強い層が日本への関心を持つ中でブームが形作られたのかと勝手に思ってます。あと、Youtubeのリコメンド機能も火付け役の一つと言われてますね。
(以下の解説わかりやすくおすすめです)
Lo-fi HIPHOPブームも日本のアニメと紐付く形で流行ってますし、アニメとLo-Fi、アニメとシティポップの相性が良かったのかなあと思ってます。
シティポップに関わらずアニメやネットの力は偉大なんだなと思ってます(宮崎駿の新作も海外でかなり大きく取り上げられてますね)
2019年には山下達郎の曲が批評家的にもセールス的にも評価ぎ高い米ラッパーのタイラーザクリエイターにサンプリングされたのには驚きました。ここまで浸透してるだなと。
シティポップの季節の終わり
ここ数年続いた国内外のシティポップブームですが、浮ついた空気感と裏腹に国内では早々に収束してしまった気がします。
Tiktokやショート動画が流行り、短く簡潔に伝わりやすい曲が主流になる中で、徐々に影を潜めてしまったのかもしれません。
シティポップはあくまでその時代の空気感が大事で、今の世の中はシティポップがすんなりハマるような雰囲気がここ数年で(コロナなどで)失われてしまったのかなと思います。悲しいことですが、、
海外のブームもあくまで過去の名曲達がリバイバルされただけであって、サンプリング、DJ文化の中で消費対象の一つになったかなと思います。セールス的にも影響的にもシーン変えるほどの影響を与えものにならなかったが、少し残念ではあります。
K-POPの興行的成功とシティポップの戦略
K-POPをワールドワイドに広めた立役者でもあるBLACKPINKの契約継続か否かが話題となってますが、新世代のK-POPグループは次々と海外のフェスティバルに参加してます。
元々オルタナロックのフェスとして始まったロラパルーザにNewJeansが出るとは驚きですね。
一方海外フェスに出る日本のアーティストとしてはきゃりーぱみゅぱみゅなどもいますが、国内のシティポップ関連のアーティストが取り上げられることは無いように思います。
K-POPは海外でも広く受け入れられるのに、シティポップは大きなムーブメント起こせないのなんでだ?という一元論で語るのは難しい話ですが、個人的にはパッケージで売るのが韓国は上手で、日本は苦手だったのかなと思います。
K-POPが海外まで進出できたのは、ファッションやプロダクトなど企業との関係、ステージングからMVなど視覚的な分野、開けるワクワク感のあるパッケージ、音楽的なマーケティング、またファンとの親近感を伝えるためのSNSの活用など、どれもフォーマットを決めてやっていたと思います。またメディア依存にならず、各事務所が方針を立ててブレないようにすることも成功の一端だったと思います。
日本でも同じような販売戦略を取ってますが、体感で楽しむというのがK-POPの新しさだったのかもしれません。
個人的には2010年代は海外のムーブメントに乗って日本の音楽を広める良いチャンスをますます逃しちゃったのでは、、、と感じます。シティポップは海外へのセールスを目的とした音楽ではないと感じるので、日本的な感覚を持たない海外で広く売れるのはそもそも難しいかもですが、、、
シティポップ大好き
ここまでシティポップの収束に関して書きましたが、シティポップが描き出す情景に今後も魅了されるのだろう思ってます。
街を丸く中で突然出会う風景とシティポップの組み合わせはなににも代えがたく、尊いのです!!
シティポップの風景とは、、
©️青春-アンサイクロペディア
少しあとがき
先にK-POPの世界的な興行ついて取り上げましたが、日本のアーティストがシティポップ的な感性で韓国でスマッシュヒットを出したことがあります。
YUKIKAのソウルシティという曲なのですが、日本人のシティポップ的な感覚が韓国にも通じるんだなとワクワクしました。
確かに世界どこがでシティポップは素敵におしゃれに響いてるんだなと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?