【BL二次小説(R18)】 媚薬ルーレット④
「ん……っ、靖……?」
新開は突然のキスに驚いて唇を離そうとしたが、荒北は自分の舌で新開の舌を引っ張り出して、無心に吸い付いている。
左手で新開の後頭部を掴み、右手で新開のシャツを捲り上げて背中を乱暴に撫で回す。
「???」
荒北の左足が新開の腿に掛けられ、締め付けて来る。
新開はわけのわからない攻撃を受けて動転するが、どうやら異常事態が起こっていることに気付いた。
これは……まさか!
タコのように舌に吸い付いている荒北の頭を、力をこめてなんとか引き剥がす。
「ぶはっ!」
荒北の目は血走り、ハァハァと息を荒らげている。
「新開ィィ!」
荒北は吸血鬼のように新開の首に噛み付いてきた。
「いててて!靖友!ちょっと待……」
荒北の口に指を入れて首から強引に剥がす。
荒北は口を塞がれてジタバタしている。
「薬だな?靖友!」
新開は荒北に問うが、ウーウーと唸るばかりだ。
「なんてこった。今頃こんな所で……どうしよう」
繁華街の中の公園である。
すぐ側の道を人々がたくさん歩いているのだ。
こんな公然ワイセツな荒北を放置するわけにいかない。
新開は周りをキョロキョロと見渡す。
公園の向こうに廃ビルを見付けた。
そこへ入る決心をする。
「行くぞ靖友」
新開は荒北の口を塞いだまま、脇を抱えて廃ビルへ引き摺っていく。
荒北は口を塞いでいる新開の手をベロベロと舐め始めた。
「うおぅ!刺激強過ぎだよ!勃っちまった!」
勃起したまま荒北を抱えて歩くのは辛いが、急がねばならない。
「すぐに抱いてやるからな靖友。もうちょっと我慢してな」
廃ビル入口に張ってあるロープをくぐる。
ビル内は真っ暗で、辛うじて周りのネオンの明かりでぼんやり見える階段を昇る。
「せめて3階ぐらいまでは昇らないと外から見られるし、声も……」
荒北を抱えて一生懸命昇る新開。
以前からずっと荒北のことが好きだった。
しかし絶対に手に入らないものと諦めていた。
それが、天から降った……いや東堂のおかげでこんなチャンスに恵まれたのだ。
絶対に逃してなるものか。
薬が切れる前に早く。
一刻も早く荒北を抱きたい。
「……3階までなんか昇ってられるか!2階で充分だ!靖友ぉぉぉ!!」
新開は待ちきれず、2階の踊り場で荒北に襲いかかった。
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