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Z世代を購買履歴データで読み解く!その傾向や特徴とは?/Weekly Topicセミナーレポート

突然ですが、ご自身が「何世代」かご存知ですか?
団塊の世代やバブル世代、ミレニアル世代など各世代の切り方は色々ありますが、本記事では次世代のマーケットを担う世代として近年注目されている「Z世代」に着目。マクロミルの消費者購買履歴データ「QPR™」を用いて、Z世代の傾向や特徴について読み解いていきます。
※こちらの記事は、2021年8月18日開催のセミナー「購買履歴データでみるZ世代」の内容です。

Z世代とは?

Z世代とは1996年から2010年生まれの世代を指します。年齢にすると25歳以下の方々が対象で、世界の総人口に占める割合は約32%、日本では約16%がZ世代にあたります(2009年時点)。

Z世代には5つの特徴があると言われています。
1つ目は、ソーシャルネイティブな世代としてSNSに対するリテラシーが高く、コミュニティ別に複数アカウントを使い分けるなど意識してアカウントを運用している点です。

2つ目は、将来の不安から金銭感覚が保守的という点です。リーマンショックや東日本大震災など大きな社会の変化が起きた後に育った世代ということが影響しているようです。

3つ目は、2000年代に共働き世帯が専業主婦世帯を上回りパワハラ・セクハラが表面化した社会の中でリベラル意識、いわゆる自由や平等という意識を持つ中で多様性を重視する点です。

4つ目は、モノ消費よりコト消費を意識するという点です。食料やファッションにかけるお金は実は減少しているものの、デジタル化されていない「コト消費」(スポーツ観戦や映画やコンサートなどいわゆるデジタル化されていない物の消費)に対する意識は若者になるにつれて高くなっています。

5つ目は、社会貢献意識が高いという点です。世界中の情報にアクセスできる時代に育ち、社会問題への関心が高く、直近でいうとSDGsなどの取り組みに関しても授業などでお話を聞いていることもあり、若い世代ほどSDGsへの意識も高いという傾向にあります。まとめると、以下の通りです。

<Z世代の特徴まとめ一覧>

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購買履歴データでみるZ世代

マクロミルの消費者購買履歴データ「QPR™」を用いてZ世代の購買傾向を探ります。「QPR™」は、マクロミルモニタ3万人が日々のお買い物履歴を収集・分析し、商品購買実態を把握することができるため「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「いくらで」購入したのかが分かります。今回のデータは2019年と2020年の2年間を分析したものです。

<買い物傾向>
金額規模はまだ小さく全体の1/5程度 買い物頻度・まとめ買いも少ない

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買い物の年間金額規模をみると、Z世代は全世代の1/5程度とまだまだ若い世代ということもあり、マーケットに与える金額規模の影響は少ないことが分かります。買い物頻度も年間約100回程度で、全世代と比較すると頻度が少なく、まとめ買いの傾向も、全世代では1回の買い物で平均5.9商品を買うのに対してZ世代では平均3商品と約半分の購入量です。それに伴い、購入一回に対する金額も全世代と比較すると半分ほどとなっています。25歳以下の若い世代のため、金額の規模感や頻度のインパクトは今時点では小さいですが、この世代が30代40代となり次世代のマーケットを担うとき、どういう行動をするのかが非常に重要となるため、今回はそういった視点も含めて深掘りしていきたいと思います。

<購入時間帯>
全体と比較して買い物時間帯のピークは、3時間ほど後ろにズレ17-20時

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Z世代の時間帯別の購入金額構成比をみると17時~20時の時間帯のシェアが大きいことが分かります。折れ線グラフをみると全世代(青い折れ線)が、夕飯時より少し前の15時~17時にピークが来ているのに対し、Z世代は3時間後ろに倒れた17時~20時にピークが来ています。あわせて0時~2時という深夜の時間帯も、全世代よりもシェアが高くなっており、やや夜型の購買傾向であることが見えてきます。金額と回数でみても、同じように3時間ほど購買の山がずれており、購入頻度も17時~20時がピークとなっています。

<購入チャネル>
若い世代になるつれSMのシェアが下がり、CVS/DRUGのシェアが大きくなる

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各世代別に、購入チャネルの金額構成比をみると、若い世代になるにつれてスーパー(青色)のシェアが下がり、コンビニエンスストア(緑色)やドラッグストア(オレンジ色)のシェアが高いことが分かります。

<購入カテゴリーTOP25>
全体と比較して、Z世代は菓子やカップ麺などジャンクなものが上位にランクイン

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Z世代の購入カテゴリーをみると、チョコレートや菓子パン、スナック、カップ麺などいわゆるジャンクな商品が並ぶことが分かります。また、特徴的なのは栄養ドリンク(モンスター、レッドブル、ZONEなどのエナジードリンク)というカテゴリーが上位に挙がっている点です。大学生が飲んでいるシーンなどが想像つきますね。

意識調査と掛け合わせて見えてきたこと

次に、QPR™のモニターに紐づきアンケート調査が可能な「QPR-SCAPE」を用いて、Z世代の意識を見ていきます。先ほどの購買履歴データと同一の個人(シングルソース)で紐づくデータです。

<利用メディア>
Z世代に関しては、若者のTV離れ・SNS利用が顕著に数字に出ている

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テレビの利用が他世代と比べて一様に低く出ており、SNSの利用が平日、休日でも高く出ているのがZ世代の特徴です。ではこのSNSをどの時間帯に利用しているのでしょうか。

<SNS利用時間帯>
Z世代のSNS利用は各時間帯で他世代よりも利用率が高い 18時~23時台がピーク

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Z世代はSNSの利用時間がどの時間帯でも他の世代よりも高く、利用時間のピークが18時~23時になっています。インフルエンサーの方からは、ネットを見る時間、Instagram、Twitterを見る時間に合わせて17時~20時台に投稿するなどの話も聞くため、納得感のある数字です。

<利用するウェブサイト・アプリ>
食べログ・価格.com・Cookpadなどの利用は低く、SNSを検索ツールとして利用か

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利用しているWebサイト及びアプリをまとめました。Z世代はTwitterやLINE、Instagram、TikTokは利用率が高く、Facebookはほとんど利用しないことが分かります。また、全世代では、食べログ、価格com、Cookpadなど、特定の情報において検索に利用するアプリの利用率がZ世代では低いことから、Twitter、LINE、InstagramなどのSNSを使って情報発信するだけではなく情報の検索もしているのではないかということが想像できます。

<一般購買態度>
周囲を評価を気にした買い物傾向

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Z世代では、「周囲の人が選んでいるものを見ると欲しくなる」「周りやの人の口コミや評価を参考にして商品を選ぶ」の項目が高くなっています。また、「なるべく多くの人が使っているブランド選ぶ」や「使っているブランドで自分が他人にどう見られているか気になる」という項目も高く、周囲の評価を気にした買い物傾向ということが見えてきます。

<健康意識>
自身の健康を考えた健康意識というよりも、周囲からどう見えているかを意識した気持ちが強い

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Z世代では「自分の体型が周りからどう見られているかになる」「自分の全身を鏡に映してチェックすることが習慣だ」の項目が高く出ています。逆に「健康のために1日3食決まった食事をとる」「規則正しい食事、栄養バランスを考えた食生活」の項目は低く出ています。このデータから、自身の健康を考えた健康意識よりも、周囲からどう見えているかを意識した気持ちが強いということが見えてきます。

<価値観・パーソナリティ>
周囲を気にしつつ、チャレンジ精神高め、完璧主義。複数の価値観が存在している

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Z世代は、「他人が羨むようなものを一つでも多く手に入れたい」「社会的地位を維持したい」「新しいことにチャレンジしたい」「完璧にやり遂げないと気が済まない」という項目が高く出ており、一人の人が複数のパーソナリティを持っているということも考えられますが、Z世代の中にも複数のタイプの価値観が顕在化しているだろうと考えられます。

Z世代の4つのタイプ

では、Z世代にはどのような複数のタイプが存在するのでしょうか?
ビジネス・ブレイクスルー大学の斉藤徹先生の「日本のZ世代を理解しよう」によると、“Z世代は【様子見フォロワー】【省エネペシミスト】【ソーシャルよいこ】【人生ガチ勢】の4タイプに分かれる”とあります。意識データから見えてきた、Z世代は実は複数のタイプがいるという話ともつながってきますね。

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※引用元:「日本の Z 世代を理解しよう」ビジネス・ブレイクスルー大学 専任講師 斉藤徹氏

まとめ

購買履歴データおよび意識調査から見えてきたZ世代の特徴5つは以下の通りです。他世代と異なるZ世代ならではの特徴、さらにそのZ世代の中にある複数タイプの特徴を捉え、ターゲットにあわせたアプローチが必要です。

<購買履歴データでみた”Z世代の特徴まとめ一覧>

■分析仕様
<QPR™/消費者購買履歴データ>
分析対象者 :15~69歳の人口構成比に合わせた男女個人
対象カテゴリー :JICFS食品+日用品
集計期間 :2019年1月1日~2019年12月31日、2020年1月1日~2020年12月31日
エリア :全国(沖縄除く)
業態 :全業態
金額 :税抜き
有効モニタ数 :(全体)26,870
有効モニタ数 :(Z世代)2,659

<QPR-SCAPE/QPR™モニタに対する意識調査>
調査対象 :マクロミルQPR™モニタ(15~69歳の人口構成比に合わせた男女個人)
調査地域 :全国
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2021年6月11日~2021年7月11日

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・・・【付録】皆様の調査などのご参考情報としてご活用ください・・・

消費者購買履歴データ「QPR™」
全国3万人のモニタにバーコードリーダーを貸与し、日々の購買履歴データを収集・分析し、商品購入実態をリサーチ。アンケートの実施により、なぜ購入したのかという意識も掛け合わせて聴取することができます。

無料セミナー「30Mins Weekly Topic」
隔週水曜日の14時~14時30分、社会トレンドを踏まえた消費者変化を、マクロミルの様々なデータを切り口に読み解くセミナーを実施中。
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(※開催日時は変更となる場合がございます。)

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